心房細動とコーヒー :「やめる」より「いつもの一杯」を続ける選択 2025/11/24Posted in健康, 医療全般, 文献 心房細動の患者さんから、「先生、コーヒーはもう一生やめた方がいいですよね?」と訊かれることがあります。 動悸が出た日の朝にコーヒーを飲んでいたという記憶が重なると、「これが悪かった」と感じても不思議ではありません。 …
慢性腎臓病(CKD)と痛み止め―ロキソプロフェンなどの“NSAIDs”をどう考えればいいのか 2025/11/23Posted in医療全般, 文献, 腎臓のこと 慢性腎臓病(CKD)の人の外来では、「腎臓に悪いと聞いたので、痛み止めは飲まないようにしています」と話す人が多くいます。 たしかにロキソプロフェンやイブプロフェンなどのNSAIDs(エヌセイズ:非ステロイド性抗炎症薬…
カメレオンの眼はなぜ別々に動くのか――視神経に仕込まれた“たるみ”の進化 2025/11/22Posted in文献, 生物 昭和40年男の自分にとって、カメレオンといえば仮面ライダー第6話の「カメレオン男」でした。 体色を変え、壁をよじ登り、左右に飛び出した眼球がぎょろりと動く。 あの怪人像が、幼い感覚を今もどこかで支配している。 しかし…
その翼竜は海を濾していた―捕食者の吐き戻しが語る進化の系譜 2025/11/21Posted in文献, 生物 映画『ジュラシック・ワールド』で、翼竜の大群が観光客に襲いかかるシーンは衝撃的でした。 空から急降下し、鋭い嘴(くちばし)で人を捕らえるあの獰猛(どうもう)な姿は、多くの人にとって「翼竜」のイメージそのものかもしれま…
見た目は「肥満」でなくても。身長と比べた「お腹」が教える動脈硬化のリスク 2025/11/20Posted in健康, 医療全般, 文献 健康診断の時、お腹周りにメジャーが巻かれる瞬間は、少し緊張するものです。 思わず息を吸い込んでお腹を引っ込めたくなりますが、それは反則なので我慢します。 数値を聞いてホッとしたり、来年こそはと心に誓ったり。 その…
勝手にマジシャン紹介:「魔術の皇帝」―P.C.ソーカ 2025/11/19Posted inマジック, 勝手にマジシャン・シリーズ 私が好きな、いわゆる“ペット・マジック”と呼ばれるものは、他の愛好家たちと同じく、扱いやすいクロースアップマジックです。カード、コイン、ロープ。 手のひらの中に小さな宇宙が宿る感覚がたまらない。 けれども、やはり憧れ…
「折れない心」と不安のあいだ―「ポジティブ・シンキング」の逆説 2025/11/18Posted in心理学, 文献 若い学生さんたちや、あるいは患者さんを見ていても感じることですが、同じ困難に直面しても、すぐに立ち直る人と、深く落ち込んでしまう人がいます。 特に大学入学のような新しい環境では、人前での発表や新しい人間関係に強い不安…
空からの警鐘―衛星が捉えた地震の「息づかい」 2025/11/17Posted in文献, 科学, 自然環境 忘れもしない、あの記憶。 テレビの画面に目が離せず、ただ事態が収まるのを待つしかない無力感。 地震大国に住む私たちにとって、地震や津波は日常と隣り合わせの現象です。 もし、ほんの数日でも前に「何か」が分かれば。そんな…
ウニは脳がないのではなく、脳だけを持っている 2025/11/16Posted in文献, 生物, 科学 グレッグ・イーガンの長編『順列都市』では、人間の意識がデータとしてスキャンされ、コンピュータ上で「コピー」として生き続ける未来が描かれます。 そこでは、私たちの「自己」や「意識」は、頭蓋の中の脳という器官にすべてが収…
魚油サプリメント―オメガ3が透析患者の心血管リスクを減らす 2025/11/15Posted in医療全般, 文献, 透析関連 透析クリニックで日々患者さんたちと向き合っていると、多くの制約の中で真摯に治療に取り組む姿に、いつも頭が下がる思いです。 食事制限も多く、「あれもダメ、これもダメ」という指導の中で、何か一つでも「これを加えると良いか…
ランニング:走りすぎの境界―「10%の壁」が故障を招く 2025/11/14Posted inスポーツ, ランニング, 文献 最近はもっぱら朝ランを専門にしています。 湿り気を含んだ風が心地よく、走っていくうちに一日の輪郭が少しずつ見えてきます。 そして、調子のいい朝ほど、足が勝手に前へ出てしまうものです。 クリニック前の坂を上り、コンビニ…
バットマン効果―日常の「バグ」が優しさを呼び覚ます 2025/11/13Posted in心理学, 文献, 日常 私はマイカー通勤なので、ゆいレールはほとんど利用しないのですが、たまに乗るとその混み具合に驚かされます。 県民としては「利用者が増えているのは良いことだ」と安心する一方で、「空港まで立ちっぱなしは少しつらいな」と内心…
脳が歩数に応える―アルツハイマー病を遠ざける7,000歩の力 2025/11/12Posted in健康, 文献, 神経科学 外来では、ほとんど椅子に座って診療していますから、ランニングのない日は2000歩も歩いていない気がします。 案の定、スマホの歩数計の機能で調べてみると(どういう仕組みで測定しているのかわかりませんが)だいたい1500…
歩く耳―8の字歩行が明かす脳の予測的センシング 2025/11/11Posted in文献, 神経科学 ランニングをしていると、自分の足音はもちろんですが、後ろから近づいてくる他のランナーの足音もよく聞こえるものです。 ランニング中は安全のために耳を塞がない骨伝導イヤホンを愛用していますが、注意を払っているのを差し引い…
時の輪郭がぼやけるとき―歳を重ねると時間があっという間に過ぎていくわけ 2025/11/10Posted in心理学, 文献, 神経科学 歳を重ねると、時間の流れが驚くほど早く感じられるものです。 心理学ではこの現象を“ジャネーの法則”と呼んでいて、人生の時間は年齢に反比例して速く感じられるとされています。 11月もこの時期になると、気づけば年の瀬が迫…
カリウムとの静かな闘い―透析患者における新薬の挑戦 2025/11/09Posted in文献, 透析関連 通常、透析クリニックでは、月に2回、透析前の採血検査を行います。 時々、検査会社から「異常値速報」と称してFAXで通知がくると、私たちの間に緊張が走ります。 あまりにも検査結果の異常値が過ぎると、場合によっては早急な…
空の上の救急―7万件の機内医療事件が語るもの 2025/11/08Posted in医療全般, 文献 飛行機に乗るたび、心のどこかで身構えている自分がいます。 「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか?」という、あのアナウンス。 幸いまだその瞬間に立ち会ったことはありませんが、もし呼ばれたら、限られた医療機器で何…
父親との2週間―育休が変える家族の未来 2025/11/07Posted in心理学, 文献, 日常 私が県立中部病院の勤務医だったころ、アメリカ留学帰りの先輩の先生が「産休」はもちろん、「育児休暇」をとったというのを聞いて、素直に驚いたことがあります。 当時、管理職の外科の先生は「自分は子どもの学校行事は一度も観に…
抗加齢のトレーニングは肌も若返らせる―筋トレがもたらす「内側からの美容効果」 2025/11/06Posted inスポーツ, 健康, 文献 運動は筋肉や心臓だけでなく、肌にも良い効果がある―そんな話を聞くと、少し疑い深い気持ちが頭をもたげるのですが、世代的にはやはり興味津々の話題です。 肌の張りやくすみ具合は、食事や睡眠、紫外線の影響だけでなく、日々の活…
「主治医」はどこへ行った? ── コンシェルジュ医療の台頭が問いかけるもの 2025/11/05Posted in医療全般, 文献 アメリカでは、かかりつけ医(プライマリケア医)を見つけることがきわめて難しくなっているそうです。 新しい医師の予約を取るのに数か月から1年待つことも珍しくなく、都市部では待機リストすら閉鎖されている地域もあるといいま…
星が一瞬、光って消えた―核実験とUAP(未確認異常現象)の“空の相関” 2025/11/04Posted in文献, 科学 動画投稿サイトなどに、夜空を横切る火球や、正体のわからない発光体の映像が流れてくることがあります。 ネットの時代になって、誰もが手元のスマートフォンで空を記録できるようになったことで、以前なら見過ごされていた“空の瞬…
音楽が刻む「思い出の座標」—青春とその余韻の科学 2025/11/03Posted in心理学, 文献, 音楽 雨上がりの夜、ラジオから流れたイントロに、ふと胸の奥がざわつくことがあります。 曲名を思い出せなくても、そのときの空気、友人の笑い声、胸の高鳴りがよみがえる。 どうして音楽は、これほどまでに記憶の底を震わせるのでしょ…
共感の“思い込みギャップ”が孤独を生む―人はなぜ、相手の優しさを過小評価してしまうのか 2025/11/02Posted in心理学, 文献, 日常 新しい環境に足を踏み入れるとき、胸の奥に小さな不安が生まれます。 教室や職場、地域の集まりなど、まわりは知らない人ばかり。 話しかけたいけれど、相手がどう思うかを考えると足がすくむ―そんな経験をしたことがある人は少な…
夜型生活が抱える“食の落とし穴”―気づきが変える深夜の衝動 2025/11/01Posted inマインドフルネス, 健康, 文献, 日常 夜が更けるころ、つい無意識に冷蔵庫のドアを開けてしまう。 小腹が空いているのか、それとも口寂しいだけなのか―自分でも判然としないまま「つまみ食い」をしてしまうことがあります。 夜型の生活が進むなかで、夜遅くに食べる習…
恐怖を楽しむ子どもたち――“ちょっと怖い”が心を育てる 2025/10/31Posted in心理学, 文献 子供たちが「お化け屋敷に行きたい」とせがんだり、ヒーローごっこでわざと悪役に追い詰められるフリをしてはキャーキャーと逃げ回ったりする姿は、昔からよく見られる光景です。 怖いのに笑いがこみあげてくる、その複雑な感情の混…