「痛みとイデオロギー」

  「イデオロギー」という言葉は、オジサンになった今でも日常的に使わない言葉ですし、正直に言うと私にはあまり馴染みがありません。 その「イデオロギー」と「痛みの感受性」を結びつけた最近の心理学研究を目にしました。   元…

「ポジティブ錯覚」

  人々が自分に対して持つ「ポジティブ錯覚」 これは、「自分の能力や未来に対して楽観的に考える傾向がある」という現象です。 この錯覚は、20 代、30 代から年齢が上がるにつれて強くなることが研究で明らかにされています。…

モーツァルトの子守唄が新生児の痛みを和らげる

  昔、よく耳にしていた「モーツァルトを聴くと頭がよくなる」という効果を「モーツァルト効果」と呼んでいました。 その話題について、このブログでも取り上げたことがありました。   「モーツァルト効果」(2016年2月25日…

お気に入りの曲で内面を探る

  音楽は人の心を明るくしたり、悲しみに寄り添ってくれたり、勇気を鼓舞したりしてくれるものです。 その音楽が、その人の人間関係にも関連しているらしいという研究が報告されました。   「お気に入りの曲は、その人のアタッチメ…

「低用量アスピリンが2型糖尿病を予防する」

  65歳以上の高齢者が低用量(毎日100mg)のアスピリンを摂取すると、2型糖尿病の発症リスクが15%低くなる可能性があるという報告がなされました。 (ヨーロッパ糖尿病研究協会(EASD)の年次総会での発表) この研究…

「VRで飽きさせてしまう」作戦

  私はあまり視聴したことはないのですが、仮想現実(VR)が日常生活に与える影響は多岐にわたっています。 ついにというか、こんな研究報告がありました。   「VRと香りが食習慣に与える影響について』 元論文はこちら⇨ B…

腎臓異種移植の進歩

  臓器移植の分野は、その進歩が人々の命を救う可能性を秘めています。 アラバマ大学バーミングハム校の研究では、10種類の遺伝子が編集された豚からの腎臓が、脳死が確認された50代の男性に移植されました。   元論文はこちら…

エスプレッソとアルツハイマー病

  よっぽどコーヒー好きの研究者が多いのか、「コーヒーは体に良い」というお話が、時々世の中に出てきます。 今回の研究は、エスプレッソに含まれる特定の成分が、アルツハイマー病の発症に関与するとされる「タウ蛋白質」の凝集を防…

「自分を変える方法」

    「自分を変える方法」などというタイトルからして、私が最近めっきり読まなくなったジャンルの本です。 ただ、年齢を重ねれば重ねるほど変化し続けることが大切だというのはわかっているつもりなので、筆者には失礼ですが、パラ…

「ファインマン・テクニック」

  世の中に「○○の技術」と名付けられたアイデアは、星の数ほどあります。 才能や素質ではなく、誰でもノウハウさえ知っていれば、達成可能であるというのが「技術」の良さですね。 例えば、今日紹介する「学びの技術」。 学びたい…

「時が戻る?:老化の流動性と可逆性」

  老化という現象は、人々の健康と寿命に深く関連しており、科学者たちの間で長い間研究されてきました。しかし、最近の一つの研究が、老化に対する新しい視点を提供しています。 この研究のタイトルは「Biological age…

「仕事ができる人は知っている こびない愛嬌力」

    「愛嬌」と聞くと、私は、ある1人の幼馴染の男を思い出します。 学生時代、彼と一緒にウルムチへ旅行した時、旅先のどんなトラブルに巻き込まれようとも、現地の人々になぜか助けてもらい、その場を切り抜けるような経験をしま…

5000年前の殺人事件「アイスマン」

  アルプスの氷河で発見された、約5300年前の男性ミイラ「アイスマン」(エッツィ)。 1991年9月19日、オーストリアとイタリアの国境に近いアルプス山脈で、ハイキングを楽しんでいた観光客の夫婦が氷の中に埋もれた人体を…

数学が描く哲学の風景

  「数学が好き」と言うと変に聞こえるかも知れませんが、時々マーチン・ガードナーの数学パズルの本などを引っ張り出してきては読み耽ったりしています。 数学に触れていると、なんだか真理の縁を触れた気になって、気持ち良いのです…

心理的安全性:成長と進歩の鍵

  「心理的安全性(psychological safety)」という言葉があります。 これは、自分のアイデアや質問、ミスを率直に述べても、恥をかかされたり、叱責されたりすることはないのだという信念のことを言います。 つ…

攻撃行動とセロトニン

  「セロトニン」は、多くのメディアで「幸せホルモン」として知られています。 このホルモンは心の安定を支える脳の物質の一つで、心と体の平穏を促進し、幸せを感じる能力を高めると考えられています。 さて、セロトニンと攻撃行動…

「達成意識」と「覚醒意識」

  「達成意識」と「覚醒意識」という対の言葉があります。 「達成意識」とは目標に向かって突き進むもの、「覚醒意識」とは人生の指針を見つけるものとして捉えてください。 この二つの意識は共存していて、バランスを取りながら、私…

「否定しない習慣」

    人々とのコミュニケーションにおいて、否定しないことの重要性はしばしば見過ごされがちです。 私たちは、日常の会話の中で無意識に相手を否定してしまうことがあります。 しかし、このような否定の言葉や態度は、人間関係にお…

ものを見るということ

  今回は「なぜ私たちにはものが見えるのか?」という問いについて考えてみます。 私たちは目を通して、光を電気信号に変換し、脳で処理しています。 しかし、このプロセスには多くの不思議が隠されています。 たとえば、私たちの目…

「思っているほど倫理的でないかも」TEDxトーク

  FBI の退職エージェントであるマイケル・フッド氏による TEDx の講演です。 彼の専門は金融犯罪で、人々がどうして倫理的にふるまわないのか、その理由を解き明かすために労力を注ぎました。 彼の話は、私たちが思ってい…