靴ひもがほどける、数秒前 2026/10/15Posted in文献, 日常, 科学 ジョギングや散歩の途中。 通りすがりの人から「靴ひも、ほどけていますよ」と声をかけられて、はっとすることがあります。 靴を履いたときにしっかり結んだはずなのに、片方のひもがいつの間にかほどけ、地面を引きずっています。…
10月13日、グリニッジが経度0度に選ばれた日 2026/10/13Posted in日常, 歴史, 記念日 地球儀を回すと、赤道はすぐにわかります。 地球の中心を通り、自転の軸に垂直な面で切れば、地表にできる輪が赤道です。 一方、経度0度の線は、理屈のうえでは那覇を通っていてもかまいません。 どの経線も両極を結ぶ同じ長さの…
「卵は縦が丈夫」 ― その常識を、割って確かめた 2026/10/12Posted in文献, 日常, 科学 子ども向けの科学番組かなにかで、卵の入ったパックに板を載せ、その上に人が乗る実験を見たことがあります。 縦に並んだ卵が、見事に人の体重を支えていました。 店で売られている卵も、パックの中では縦向きです。 こうした姿を…
覚えながら握ると、力が増す ― 意外なマルチタスクのメリット 2026/10/10Posted in文献, 日常, 神経科学 出勤前、朝ご飯のとき。 テレビのニュースに、ふと口の前で箸が止まってしまう。 二つ以上の作業を同時に行うマルチタスクでは、一方がもう一方の妨げになることがあります。 脳が一度に処理できる情報には限りがあり、同時にいく…
紙がナイフになるとき 2026/10/06Posted inヘンな論文(私見), 文献, 日常, 科学 映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』には、別の宇宙へ意識を飛ばす引き金として、指の股4か所に紙で切り傷をつける場面があります。 紙の切り傷は狙っていないときにしか起きず、わざと作れる確率は800…
コイントスは50:50?投げ上げる前と受け止めた後 2026/10/05Posted inイグノーベル賞, スポーツ, 数学, 文献, 日常 今年のW杯でも、PK戦にもつれた試合がありました。 蹴る前に主審がコインを投げ、トスに勝った主将が先攻か後攻かを選びます。 選択権を公平に分ける一投ですが、本当にそうなのでしょうか。 2007年、数学者のペルシ・…
一日の30分を入れ替える ― 活動の配分と実行機能 2026/09/30Posted inランニング, 健康, 文献, 日常 夕食後のテレビを切り上げて30分散歩に出れば、歩く時間が増えるぶん座る時間は削られます。 朝の散歩のために早起きをすれば、就寝時刻が変わらない限り睡眠が短くなります。 同じ30分の運動でも、何と入れ替わるかによって体…
数える機械と、味わう人 2026/09/27Posted in医療全般, 文献, 日常, 科学 減量中の患者さんの体重が減っていたので、「よく頑張りましたね」と声をかけたことがあります。 ところが、よく聞くと、体調が悪く、食事がとれなかったためにやせていたのでした。 数字は正確でも、その意味を私は読み違えていま…
暑い一日の負担は、腎臓に現れる 2026/09/22Posted in健康, 医療全般, 文献, 日常, 腎臓のこと 夏になると、私は患者さんに「水分を摂ってください」と、しつこいくらい繰り返します。 私のクリニックの血液検査結果表は、一番上が尿素窒素、その下がクレアチニン。 どちらも腎臓の働きをみる項目です。 クレアチニンの値のわ…
アガサ・クリスティが消えた11日間 ― 失踪から100年 2026/09/21Posted in日常, 歴史, 物語, 記念日, 読書 1926年12月4日、英国サリー州のニューランズ・コーナーで、一台の車が見つかりました。 後の警察報告によると、車は道路を外れた草地の斜面にあり、前部が茂みに入っていました。 けれども、持ち主の姿がありません。 車を…
転倒した日の、その前に ― 救急の記録をさかのぼる 2026/09/16Posted in健康, 医療全般, 文献, 日常 足をとられて転んだとき、私はまず、運が悪かったと思いました。 ほんの数秒前に時を戻してほしいぐらいでした。 米国のマシュー・ショーさんらは、2026年9月に発表した研究で、転倒でけがをした人の救急記録を、搬送日か…
質問は往復でできている 2026/09/13Posted inAI, 文献, 日常, 科学 薬の飲み合わせで迷ったとき、以前は薬局に電話をかけていました。 診療の途中でクリニックを離れられないので、受話器を取り、忙しい時間帯かもしれない相手の手を止めてもらいます。 いまは手元の画面に打ち込めば、数秒で候補が…
救急車を待つ時間 ― 0分はゼロではない 2026/09/07Posted in医療全般, 文献, 日常 目の前で人が倒れたとします。 119番に電話をかけます。 通報を終えても、サイレンはすぐには聞こえません。 救急隊が到着するまでの時間は、永遠にも思える空白です。 日本の研究チームは、2010年から2023年まで…
運転中のスマートフォン、音楽でも注意 ― 新譜発売日は交通事故死が15%多かった 2026/08/31Posted in医療全般, 文献, 日常, 音楽 運転中に音楽をかけるのは、ごく普通のことです。 交通事故の危険といえば、雨や雪、夜道、飲酒運転などがまず浮かびます。 こうした危険は目につきやすく、運転者も十分に警戒します。 ところが、晴れた道で好きな音楽を選ぶとき…
スクショに残った画像 ― 記憶の行方 2026/08/30Posted in心理学, 文献, 日常 何か気になる情報や画像を見つけたとき、スマートフォンの両脇を押して手慣れた操作で画面をスクショします。 画像がカメラロールにおさまるのを確認して、安心します。 細部を覚えていなくても、必要なときに端末から取り出せるか…
1%の蚊、90%の右利き ― 一般化は割合だけでは決まらない 2026/08/29Posted in哲学, 文献, 日常 バス停で待つとき、次のバスが必ず止まる保証はありません。 満員かもしれませんし、回送かもしれません。 それでも私たちは、「バスは停留所で客を乗せるものだ」と考え、そこで待ちます。 例外があるたびに考え直していては、頭…
40歳の近く、60歳を越えて ― 免疫細胞の発現差に現れた2つの山 2026/08/27Posted in健康, 医療全般, 文献, 日常 年齢は、とにかく律儀です。 こちらが忘れていても、誕生日ごとにきっちり一つ増えます。 39歳から40歳も、59歳から60歳も、足すのはどちらも同じ1歳ずつです。 ところが、異なる年齢の人々から得た免疫細胞のRNAを比…
カードが現れたあとに残るもの ― ホアン・タマリッツを悼む 2026/08/26Posted inマジック, 勝手にマジシャン・シリーズ, 日常 2023年11月、私は「勝手にマジシャン・シリーズ」でホアン・タマリッツを紹介しました。 選んだ映像は「タマリッツ・シルク」。 観客が持つ白いシルクに、別の観客が選んだカードが現れる演目です。 当時の私は、彼のにぎや…
4.94対4.94 ― 痛みの点数と鎮痛薬のあいだ 2026/08/23Posted in医療全般, 文献, 日常 医療機関では、「今の痛みを0から10で表すと、いくつですか」と尋ねることがあります。 0は痛みなしです。 この数値評価尺度は、目に見えず本人にしか分からない痛みを、医療者と数字で共有するためのものです。 救急現場では…
アイスクリームの溶けにくさを決める、見えない骨格 2026/08/13Posted in文献, 日常, 科学 夏の午後、冷凍庫から出したばかりのカップアイスは、しばらく待たないとスプーンが入りません。 少し置いてから戻ると、今度は縁のほうが縁のかたちを失っていて、すくうとゆるくスプーンに乗ってきます。 硬いあいだと、崩れはじ…