厳しい熱波に心が沈む―「がまんの時代」は終わった 2025/06/25Posted in健康, 心理学, 文献 現在、西日本を中心に全国各地で猛烈な暑さが続いています。 熱中症と疑われる症状で搬送される人も相次ぎ、身体への影響が深刻になっています。 暑さを侮ってはいけません。 熱中症は生命の危機にも関わる病態です。 お互いに声…
たかが5Kg、されど5Kg 重さが教える身体の警告 2025/06/24Posted in健康, 文献 猫を飼っている人なら、その重みをよく知っています。 平均的な家猫の体重はおよそ5キロ。 スーパーで買い物をすれば、袋はあっという間にそれを超えます。 実はこの「5キロ」という重さが、私たちの健康状態を測る指標になるの…
困難との付き合い方―前向きな心の科学 2025/06/23Posted in心理学, 文献 人生は、「禍福は糾える縄の如し」です。「塞翁が馬」とも言います。 幸せと不幸は、まるで縄のように絡み合い、思い通りにいかないことの方が多いぐらいです。 それは突然降り出す雨のようなものかも知れません。 人生の困難…
糖質制限食の質が心の健康を左右する 2025/06/22Posted in健康, 文献 最近、ダイエットといえば「糖質制限」、つまり低炭水化物の食事法が人気です。 「体重も減って心も軽くなる!」というのが理想ですが、現実はもう少し複雑なようです。 実際には、体重が落ちたにもかかわらず、むしろ以前より気持ちが…
ただの不眠対策ではない?アルツハイマー病を予防? 2025/06/21Posted in医療全般, 文献, 神経科学 「前の先生は睡眠薬をすぐに出してくれたのに。」 私は外来でこう言われることがあります。 多くの医師は不眠の訴えに対して睡眠薬を比較的すぐに処方するかもしれませんが、私はできる限りそれを避けています。 特に高齢者の場合…
キャベツの次はブロッコリー?―血糖値をめぐる野菜物語 2025/06/20Posted in健康, 医療全般, 文献, 日常 「食べる順ダイエット」という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。 「食事の最初に野菜を食べると、体にいいらしい」。 そんな言い回しが、いつのまにか私たちの食卓にしっかりと根を下ろしているようです。 以前このブロ…
オンラインHDF vs 高流量HD―今度はブラジル研究が示した生存率の違い 2025/06/19Posted in文献, 透析関連 キザな喩えを許してもらえるなら、科学は、ときにジャズの即興演奏に似ていると思います。 誰かがメロディを奏で始め、そこに他の演奏者がゆっくりと音を重ねていく。 派手さはなくとも、いつしか深い味わいを醸し出していきます。…
魔法はなくても希望はある―天然抽出物が認知機能を改善する? 2025/06/18Posted in健康, 文献, 神経科学 頭をすっきりさせたい。記憶力をどうにか向上させたい。 そんなふうに願うことは、ごく自然な感情です。 ドラッグストアの棚やインターネットのページを眺めてみると、認知機能の助けになるという健康食品、特に天然由来のサプリメ…
赤ちゃんの笑顔をつくる歌の力 2025/06/17Posted in心理学, 文献, 日常 赤ちゃんは不思議です。 何を好むのか、なぜそれを気に入るのか、はっきりした理由を見つけるのはなかなか難しいものです。 ただ、歌だけは例外のようで、子守唄だろうが鼻歌だろうが、赤ちゃんは不思議と心地よさそうに耳を傾けま…
エジソン流まどろみ術―浅い眠りにひそむ創造のスイートスポット 2025/06/16Posted in文献, 日常, 神経科学 目を閉じてぼんやりとまどろむ。 まぶたの裏に浮かぶのは曖昧な映像や奇妙なアイデア。 実は、このぼんやりした状態がクリエイティブな発想の宝庫だという、ちょっと魅力的な研究があります。 発明家トーマス・エジソンは、う…
テストステロンのささやき―なぜ他人の「いいね」に心は乱されるのか 2025/06/15Posted in心理学, 文献 自分の価値は自分で決めていいものか、それとも誰かの評価で揺れ動くものか。 私たちは普段から他人の評価に敏感に反応し、自分の心が揺れ動くのを感じます。 自己肯定感というのは実際、とても移ろいやすいものです。 心理学では…
走ること、脳のこと―ミエリンが語る静かな物語 2025/06/14Posted in文献 このブログでは、村上春樹さんの『走ることについて語るときに僕の語ること』をたびたび引用してきました。 マラソンはとても活動的で、外の世界と触れ合うスポーツです。 しかし、その魅力を深く探ろうとすると、自分自身の内側と…
昔と今、認知症のなりやすさに変化? 2025/06/13Posted in医療全般, 文献, 神経科学 歳をとるということは、ヴィンテージワインが静かに熟成していくようなものかもしれません。 ただ、ときにはそのコルクが予想よりも早く緩んでしまうように、人生にも予想外のことが起きてしまうことがあります。 そんなとき、「認…
仕事の悩みが伝わる? 愛犬とあなたの心の糸 2025/06/12Posted in心理学, 文献, 日常, 生物 飼い主の帰宅を喜ぶ犬の動画を見かけることがあります。 実際に犬を飼っていない私たちでさえも、自然と笑みがこぼれてしまう微笑ましいシーンです。 そんな無邪気な犬の姿に、多くの人が日々癒やされていることでしょう。 しかし…
人間関係の謎――あるいは「好き」と「嫌い」のシャッフルについて 2025/06/11Posted in心理学, 数学, 文献 人間関係というものは、いつもややこしくて、やれやれと思わされることがしばしばです。 例えば、AさんとBさんは親友だけれど、BさんはなぜかCさんをひどく嫌っています。 その一方で、CさんとAさんは顔を合わせれば、穏やか…
ビートルズ「オクトパス・ガーデン」―リンゴが描いた心の世界 2025/06/10Posted inビートルズ 私が通っているギター教室ではだいたい月に一度、私が希望した新しい「課題曲」を講師の先生にお願いします。 今月の課題曲はビートルズの「オクトパス・ガーデン」。 その選曲に、先生は少し意外そうな表情を浮かべていました。 …
ショート動画の迷宮―その入り口は、意外と心の奥深くにあるのかもしれない 2025/06/09Posted in心理学, 文献, 神経科学 気がつくと、いつの間にか時間が溶けてしまっている。 スマートフォンの画面に映るショート動画を無心に眺めながら、ふとそんな感覚に襲われます。 手軽さと刺激が妙に心地よく、指先は画面を滑るように次の動画を探し続けます。 …
親鳥の「おしどり夫婦度」はヒナの将来に影響するか? 2025/06/08Posted in文献, 生物, 自然環境 「おしどり夫婦」という言葉があります。 実際のおしどりが仲睦まじく寄り添う様子から、仲の良い夫婦を指す表現です。 鳥の世界では多くの場合、一夫一妻制の「夫婦」が数年間、時には一生を通じてパートナーシップを続けます。 …
ヘルシージュースが口内環境を乱していた?意外な真実 2025/06/07Posted in健康, 文献, 日常 野菜や果物のジュースが体に良いというのは、当然のように信じているところがあります。 朝、慌ただしくキッチンに立ち、忙しい一日の始まりにさっとビタミンを摂る。 それはとても「オシャレ」で魅力的な時間のように感じられます…
誰も見ていないのに、なぜ僕らは赤信号で立ち止まるのか? 2025/06/06Posted in心理学, 文献 私たちは毎日、意識しないうちに暗黙のルールに従って生きています。 深夜の交差点で誰もいないのに信号が青になるまでじっと待ち続けたりします。 ふと我に返って改めて考えると、自分はなぜこうしているんだろう、と不思議に感じ…
プロテインバー、その栄養ほんとうに届いていますか?—タンパク質の「質」の話 2025/06/05Posted in健康, 文献, 日常 最近、スーパーやドラッグストアの棚に並ぶプロテインバーが随分と目立つようになりました。 便利さとヘルシーなイメージがあいまって、私たちの暮らしにさりげなく浸透しています。 ところが、「高タンパク質」というフレーズを見…
コロナ禍に響いた歌声―バーチャル合唱が高齢者の心と体を元気にする 2025/06/04Posted in健康, 心理学, 文献, 新型コロナ, 音楽 2019年の冬、新型コロナウイルスが私たちの日常を突然奪い去りました。 コロナ禍のことなんか今さら思い出したくもない、という人は多いと思います。 けれど、あの状況を乗り切った私たちの経験と知恵は、今だからこそ振り返っ…
コーヒーを飲むのは、目覚めの儀式?科学が探る本当の理由 2025/06/03Posted in文献, 日常, 神経科学 コーヒーを飲む人は世界中にあふれています。 毎朝のコーヒーがないと頭が目覚めない、という人も少なくないでしょう。そういう私もコーヒー依存を自称しています。 では、実際にコーヒーに含まれるカフェインが私たちを目覚めさせ…
デジタルテクノロジーは脳に良いのか悪いのか? 2025/06/02Posted in健康, 文献, 神経科学 最近、私たちの生活はスマートフォンやパソコン、インターネットといったデジタル機器なしには考えられなくなっています。 しかし、「デジタル認知症」などという言葉を聞いたりすると、便利なものに頼り過ぎるあまり、私たちの脳が…
日本庭園が持つ癒しの秘密―リズミカルな視線の動き 2025/06/01Posted in心理学, 文献, 日常, 自然環境 日々の暮らしには、どこか心を穏やかにしてくれる場所が必要です。それは特別なものでなくても構いません。 例えば、古くから日本人に愛されてきた日本庭園のような場所でも。 最近の興味深い研究によれば、日本庭園を静かに眺…