腎臓を守る薬が逆効果に見えるとき―検査の数字が悪く見えても、薬を続ける理由

腎臓を守る薬が逆効果に見えるとき―検査の数字が悪く見えても、薬を続ける理由

  腎臓の中には、糸球体と呼ばれる微小なフィルターが、左右あわせておよそ200万個あります。 血液はここでこし取られ、老廃物や余分な水分が尿として外に出されます。 ところが、高血圧や糖尿病が長く続くと、このフィルターには…
平均の食卓から、こぼれ落ちる人がいる―肉の摂取量とAPOE ε4遺伝子型と認知症リスク

平均の食卓から、こぼれ落ちる人がいる―肉の摂取量とAPOE ε4遺伝子型と認知症リスク

  食卓に肉が続くと、少し野菜も食べなきゃという気になります。 量の問題だけではありません。肉には、それだけで少し身構えさせる空気があります。 「赤肉は老化に悪い」という見出しを目にすると、その感覚にもっともらしい根拠を…
補充する側が、先に壊れていた―ターコイズキリフィッシュの腎骨髄で見えた、前駆細胞のDNA損傷

補充する側が、先に壊れていた―ターコイズキリフィッシュの腎骨髄で見えた、前駆細胞のDNA損傷

  免疫細胞には寿命があります。 古くなった細胞は消え、新しい細胞が骨髄の前駆細胞(成熟した免疫細胞の"もと"になる細胞)から絶えず補充される。 この補充ラインが動いているかぎり、免疫の前線は保たれます。 では、年をとっ…
風邪に、亜鉛はどこまで効くのか―急性ウイルス性呼吸器感染症の予防と治療をめぐる検討

風邪に、亜鉛はどこまで効くのか―急性ウイルス性呼吸器感染症の予防と治療をめぐる検討

  幼いころ、夏風邪で高い熱を出して寝込んだことがあります。 そんなとき、オバアがカチューユをつくってくれました。 どんぶりに削り節と味噌を入れ、湯を注ぐだけの、ごく簡素な汁物です。 沖縄では、風邪のときの家庭の手当てと…
動ける人と、動けなくなる人のあいだ―7つのがん種・1万7141人を10年以上追跡した診断後運動とがん死亡

動ける人と、動けなくなる人のあいだ―7つのがん種・1万7141人を10年以上追跡した診断後運動とがん死亡

  がんと診断されたとき、多くの人はまず「安静にしなければ」と感じます。 体は治療の副作用で消耗し、気力も落ちています。 周囲も「無理しないで」と言います。 運動どころか、日常の買い物や散歩さえためらう人は少なくありませ…
1日2~3杯のコーヒーが記憶を未来に届けてくれる―13万人・43年追跡が測った認知症リスク

1日2~3杯のコーヒーが記憶を未来に届けてくれる―13万人・43年追跡が測った認知症リスク

  正直な話、世の中、コーヒー擁護の論文が多すぎる気がしています。   心臓にいい、糖尿病にいい、肝臓にいい、うつにいい、死亡率を下げる―そして今度は「認知症」が対象です。   いつものことですが、半分ジョークでこう言い…
認知症は脳だけの病気ではなかった―日本データが示した「難聴」という最大リスクと14の修正可能因子

認知症は脳だけの病気ではなかった―日本データが示した「難聴」という最大リスクと14の修正可能因子

  日本では今、認知症はごく一部の人の問題ではなくなりました。 高齢者のあいだでは主要な健康課題のひとつであり、医療や介護だけでなく、社会保障や地域のあり方そのものに影響を与えています。 長寿は歓迎すべきことですが、その…
傷は、どこで最初に気づかれるのか―マクロファージ核が読み取る“形”の変化と即時血管応答

傷は、どこで最初に気づかれるのか―マクロファージ核が読み取る“形”の変化と即時血管応答

  「そこ、耳の後ろ、少し血が出てるよ」   そう言われて、はじめて触れてみる。 自分ではまったく気づいていなかったのに、指先にわずかな湿り気が残る。 痛みは、そのあとから追いついてくる。 異変は、自覚よりも先に、どこか…
「走りすぎると心臓に悪い」は本当なのか―10年後の検査で明らかになったこと

「走りすぎると心臓に悪い」は本当なのか―10年後の検査で明らかになったこと

  私のような、いわゆる「レクリエーション・ランナー」にとっても、マラソンシーズンは心躍る季節です。 調子が良ければひと冬に三、四回はフルマラソンのスタートラインに立ちます。 しかし、その高揚感の裏で、常に小さな影を落と…
走るほど健康、という神話の揺らぎ― 臨床医が考える「運動と大腸がん」の関係

走るほど健康、という神話の揺らぎ― 臨床医が考える「運動と大腸がん」の関係

  健康のために良かれと思って続けている習慣が、身体に別の負荷を残しているかもしれない。 臨床の場にいると、そうした医学的な逆説に出会うことがあります。 外来で長距離ランナーと話していると、走ったあとの下血や腹部違和感を…
尿酸の“裏の顔”―筋力との意外な関係

尿酸の“裏の顔”―筋力との意外な関係

  尿酸といえば、健診で必ず注意される「悪者」の代表格です。 痛風の原因として恐れられ、プリン体と聞けばすぐに身構えてしまう人もいます。 数値がわずかに上がっただけで、食事や飲酒を振り返ってため息をついた経験は、多くの人…