足元ではなく、斜め下流に

足元ではなく、斜め下流に

  浅い川に足を入れると、足の後ろで水が小さく巻きます。 流れがぶつかってできた乱れは、足のすぐ後ろにあって、少し下流へ行けば消えていく。 乱れがおよぶのは、それを生んだものの足元あたり。 海底に残る跡も、そのそばにある…
脳で、先に後回しになるもの

脳で、先に後回しになるもの

  一日の終わりに、考えがうまくまとまらなくなることがあります。 メールの文面が浮かばない。 計算を二度間違える。 こういう夜は、頭がぜんぶくたびれているのだと思いがちです。 それでも、手のひらに伝わるカップの温かさはは…
疲れているのに、なぜ長く走ってしまうのか ― スマートウォッチに残った、努力と回復のずれ

疲れているのに、なぜ長く走ってしまうのか ― スマートウォッチに残った、努力と回復のずれ

  疲れている日ほど、早く休めばいい。 頭ではそうわかっています。 けれど現実には、そうならないことがあります。 遅れた仕事を片づける。 足りなかった勉強時間を埋める。 昨日できなかった分を、今日の自分に上乗せする。 そ…
昆虫食は、ひとくくりにできるのか ― バッタ、コオロギ、オケラの体に残った土と草の記録

昆虫食は、ひとくくりにできるのか ― バッタ、コオロギ、オケラの体に残った土と草の記録

  昆虫食をすすめる話ではありません。 食卓にバッタやコオロギが出てきたら、箸が止まる人は少なくないはずです。 その反応は、恐れや弱さではなく、ごく自然な距離感です。 長いあいだ私たちは、虫を食べものではなく、避けるもの…
AIは病気を当てた。そのあと、何が動いたのか ― 腎臓診療で見えた、予測と一手の距離

AIは病気を当てた。そのあと、何が動いたのか ― 腎臓診療で見えた、予測と一手の距離

  入院した人の腎臓が、働きを落とし始める。 その急変を、AIが半日から2日ほど前に知らせる。 検査値がまだ正常に見える段階で、カルテに並ぶ細かな数字の動きから、危険を見積もる仕組みです。 腎臓の領域では、こうした予測の…
夜の森で、サンショウウオは何色だったのか ― ファイアサラマンダーの皮膚分泌物に見えた青緑の合図

夜の森で、サンショウウオは何色だったのか ― ファイアサラマンダーの皮膚分泌物に見えた青緑の合図

  ヨーロッパでよく調べられてきた両生類の一つに、ファイアサラマンダーがいます。 黒地に黄色い斑(まだら)模様を持ち、毒を持つ生きものです。 その派手な色彩は、「食べるな」と知らせる警告色の代表例として、長く教科書的に扱…
水は暮らしへ、塩は資源へ ― 太陽熱淡水化と、海水からの鉱物採掘を同時に試した研究

水は暮らしへ、塩は資源へ ― 太陽熱淡水化と、海水からの鉱物採掘を同時に試した研究

  海に囲まれた沖縄に住む私たちにとって、海水淡水化プラントはただの施設ではありません。 干ばつや台風のたびに、水がどれほど暮らしの足場を支えているかを思い知らされます。 透析クリニックに身を置く者としては、水は暮らしを…