同一性の法則

 

「あるものはそのもの自体であり、それ以外のものではない」ということを、同一性の法則と呼ぶのだそうです。

澤木興道老師の「自分が自分を自分している」という言葉や、まど・みちおさんの「ぼくが ここに いるとき / ほかの どんなものも / ぼくに かさなって / ここに いることは できない」(詩:ぼくが ここに)に通じるようなお話ですね。

今ある現実を尊重して無条件に受け入れるということです。

 

「自分が自分を自分する」とき、ずっとシンプルになります。

そして、ずっと軽やかにリラックスすることができます。

 

現実を打ち負かそうとしたり、歪曲してしまうと、悲惨な結果が待っています。

繰り返しになりますが、現実を受け入れ、認めることが大切です。

先ほどの、まど・みちおさんの詩は、こんな終わり方をしています。

 

 ああ このちきゅうの うえでは

 こんなに だいじに

 まもられているのだ

 どんなものが どんなところに

 いるときにも

 

 その「いること」こそが

 なににも まして

 すばらしいこと として

 

 

 

朝活!

 

以前に私は朝活が苦手だというお話をしました。

朝は1秒でも長く寝ていたい方ですし、何かを計画してアラームを早めにセットしても、寝ぼけた頭で「やらない言い訳」を一瞬にして構築してしまう生来の怠け者です。

朝ランをしたいと朝の5時半にセットしても、ことごとく「やらない言い訳」に跳ね除けられてしまっていました。

「やらない言い訳」はそれこそドッサリとあります。「疲れるのはよくない」「少しでも休まないといけない」とか「無理するのは良くない」「朝じゃなくて夜でもいいんじゃない?」とか。

一見、自分自身をいたわるような内容なのがミソです。詐欺師の論法ですね。

冗談みたいに「最も壁となる者は自分自身」という名言(迷言)を地で行く状況です。

そんななかクリニックの朝のクッシュボール・ミーティングで、こんなお話を聞きました。

スタッフの中学生の息子さんが朝5時に起きてスケボーの練習をしているというのです。

すごい!と驚きましたが、考えてみれば、楽しかったり、好きなものだったら、自然とそういう行動をとるものですね。

朝活が苦手というのは、それが苦しいとまではいかなくても、なんか面倒くさいものだと思っているからかも知れない。

そう考えて、朝ランではなくて、朝の散歩に出かけよう!ということにしました。

ですから、ランニング・シューズではなくて、サンダル履きで。いかにもランナーですという格好はやめて。

で、ランニングするかしないかは、その時の気分にまかせることにしました。

やはり、朝の公園は気持ちがいいものです。

すでに朝活を習慣としている常連さんたちが、ウォーキングしたりランニングしたり、体操したりしています。草や木の緑の匂いがさわやかです。

「これは気持ちがいい!」

そう思ったら自然と走りたくなりました。

面倒くさいものを取り除く、というのは、コツなのかも知れませんね。

まだ習慣と言えるほど続いてはいませんが、自分を仕向ける工夫も面白いものがあります。

 

 

 

 

なんちゃって!

 

クリニックのスタッフから「娘からの贈り物です」と言われて、「それ」を差し出されました。

その時、私は診察室のデスクの前に座っていて、くるりとその声に向き直りました。

贈り物と言われて、やはり悪い気はしません。むしろ期待してしまいます。

「あ、ありがと…」

しかし、目の前の「それ」を見て、一瞬、私の頭の上をギャグマンガみたいに「?」が無数に浮かびました。

娘さんというのは、確か高校生です。

(なんで私に醤油?あ、もしかして学校で作った手作り醤油とか?きっとありがたいものに違いない!)

「ありがとう!」

ちょうどこれ欲しかったんだと調子のよいことを言いそうになるのをぐっとこらえて正解でした。

よく見るとどうも様子が変です。

なんと「なんちゃってオレンジ」と書いてあります。ダメ押しに「オレンジ果汁3%」なんだそうです。

「うわぁ、これ醤油かと思ったぁ!(笑)」

 

醤油と思った「それ」はオレンジジュースだったのでした。

裏面の方に「これはしょうゆではありません!」と、丁寧に注意書きをする念の入れようです(笑)。

醤油の色をしたジュースを、醤油の容器っぽいペットボトルに入れて、しかもデザインをそれらしく装う。

チェリオさん、楽しんでいますね!

しっかり、ウけました(笑)。

 

 

「ちょっとわからないこと」をアンテナにする

 

その人が心配していることを残念ながらすぐには共感できない時があります。

医療者としての知識や経験が、その人の「心配ごと」を「心配無用のこと」だと判断している場合はそうです。

ただし、それは心配の対象を理解していますから、「もしかしたらそれを心配する人があるかも知れない」という想像はできます。

ですから、「それはこういうことですから心配しなくていいですよ」とお答えすることができます。その答えが的を射ている時、安心してもらえます。

困るのは、それがなぜ心配の対象になるのかがわからない場合です。

例えば、「今まで一度も風邪をひいたことがなかったのに、風邪をひいた。なぜ風邪をひいたのか、心配だ。」と言ってくる方がいます。

医療者は風邪をひいている人、胃腸炎を患った人、頭痛もちの人、腰痛の人などを毎日診ていますから、それが特別のことではないことを知っています。

特に風邪はライノウイルス、コロナウイルス、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルスなどの、いわゆる風邪ウイルスが感染して炎症を起こすものですから、「なぜ風邪をひいてしまったのか」という問いへの、満足のいく答えはしてあげることができません。

「最近は流行っていますから、どちらか人混みの中で感染したのでしょうね」という曖昧な返事しかできないものです。

もちろん、その方が望んでいる「答え」ではないため、不満そうな表情が返ってきます。

つまり、その方の心配は、風邪の表現を借りて、もっと別の、根本的な理由で心配しているのです。

「風邪をひいたのは、悪いことが起きているのか」と問いかけた方は、最近、親しい友人を癌で亡くされた経験を持っていて、それがとにかく不安でしかたがなかったようでした。

言葉にすればわかるのですが、それはご本人も自覚していないことが多く、ゆっくりと時間をかけて問診しないとわからないことが多いです。

特に短い診療時間の中で、問診し身体所見をとり適切な処方を行うこと以上に、そういう「心配ごとの本質」を表出させるのは、なかなか難しいです。

けれども、本人ももしかしたら自覚していない「心配ごと」を見つけるヒントはあります。

「なぜ、その人がそれを心配しているのか、ちょっとわからない」

この「ちょっとわからない」が糸口になります。

その時、早急に答えを見つけようとしないことが大切です。答えは別の人に見つけてもらうぐらいの気持ちがちょうどいいと思っています。

一番良いのは、その人に答えを発見してもらうことですから。

 

 

医療を提供しつづけること

 

「地域医療に貢献する」のには、その医療の質もそうですが、その質を継続して提供することは非常に重要です。

流行りを追うようなことは医療の世界で馴染むはずがありません。

安心・安全の医療をいつでも提供するということは、人が思うよりもはるかに重要で、しかも絶え間のない努力が必要です。

水道や電気などのライフラインと同じですね。あれば当然のことのように日常に存在しますが、なければ非常に困ります。

 

最近、近くで診療をされていたクリニックが閉院されました。

この地域で最も早くからクリニックを開かれた先生でしたし、先日届いた挨拶状には34年間にわたる診療に幕を閉じるということが記されていました。

改めてクリニックを34年間続けられたことに敬意を表したいですし、感服いたします。そして、なによりお疲れ様でしたとお伝えしたいです。

 

 

 

 

第4回沖縄県長時間透析研究会のお知らせ

 

参加対象が透析医療従事者向けですが、この場で告知させていただきますね。

「沖縄県でも長時間透析の良さを広く正しく知ってもらって、多くの方に経験してもらいたい」という願いから、吉クリニックの吉 晋一郎先生を会長として「沖縄県長時間透析研究会」と銘打って、毎年勉強会を開催しています。

今年は、6月6日に行うことが決定しました。

今回は長崎県の前田医院副院長 前田憲徳先生をお招きして講演をしていただく予定です。

前田先生は2013年の第9回長時間透析研究会の大会長を務め、長時間透析に関して非常に造詣が深い先生です。

以下は前田医院のサイトから抜粋させていただきました。

「当院では、透析患者さんが元気で長生きすることを患者さんと私たちが協力し実現することを目指しています。十分な透析量確保し、尿毒素の質的量的な除去を行うことによって食事制限をできるだけ緩和し、栄養状態を改善することを目標とした血液透析のスタイルを理念としています。長い透析時間を確保し、心臓にやさしい穏やかな除水を行うことを積極的に推奨しています。」

なにより、その理念を実践している先生として、多くの医療者の尊敬を集めておられます。

多くの透析医療者の方が参加されることを願っています。よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

梅雨入り

 

昨日、沖縄は梅雨入りをしたそうですね。

雨こそ降りませんでしたが、今日も湿度が高い天気でした。

ぐずついた気候のせいでしょうか、あるいは大型連休の疲れが出たのか、体調を悪くされる方が多くなっている印象です。

 

注意報こそ出ていませんが、インフルエンザもA型とB型の両方の罹患者が出ています。

下の表は、5月15日に発表された沖縄県の流行状況です。

加えて、急性胃腸炎の症状を訴える方の受診も多いです。

人混みに出たら、必ず手洗いをして予防につとめましょう。

 

疲れたなと思ったら、ゆっくり休むのも必要です。

この時期、無理をしないで体調を整えるようにしてください。

 

 

 

 

「二日酔い運転防止!」の広告

 

牛乳パックの広告欄が有効活用されているのは以前から知っていましたが、改めて見ると感心しました。

トップには「二日酔い運転防止!」とあります。

そして『一晩寝たから大丈夫』ではとおりません!!と続きます。

 

本文には、「1単位のアルコールが抜ける(分解される)には、約4時間かかります。」

アルコール1単位の目安を示したあとに、「このように、3単位飲むと…」下に矢印。

「8時間寝たからといってアルコールが身体で分解されるのは2単位分です。」

「つまり翌朝は1単位残っている二日酔い状態なのです。」

お酒を3単位以上飲んだ場合は、翌朝にもアルコールが残っているものとして考えて行動した方がよさそうですね。

出勤に車を使わないとか、翌朝どうしても車を使わなければならない時は、お酒を控えるとか。

 

また、二日酔い運転をした時の罰則も示しています。

酒気帯び運転でも、0.25mg/L以上の場合には免許取り消しになります。

 

一番下の欄には、この広告をした3者が示されていますね。

「糸満警察署」「糸満地区交通安全協会」「(株)宮平乳業」

なるほどと感心しました。

 

お酒を飲む年齢層だけに絞っての広告ではなく、飲まない人や子どもにも知らせる。そして、注意しあってもらうというのは良いアイディアだと思いました。

 

 

 

映画「キングダム」

 

映画のクーポン券を手に入れたので、頑張って上映時間に間に合わせて観ることができました。

原作が人気マンガの「KINGDOM」

すでにコミックも54巻に達していて登場人物もたくさんいますし、壮大なキングダム・ワールドをいったん広げてしまうと、いったいどうやって回収するんだと心配していましたが、実に潔く解決していました。

第1巻~第5巻(第47話あたり)までの「王弟反乱編」だけに絞ること。

確かにあれもこれもとするよりも、なんならシリーズにしてしまった方が良いかも知れませんね。

約10年間で完結したアヴェンジャーズの例もあります。

ハリーポッターをモデルにしても良いですね。

さて、映画の方ですが、たいへん楽しめました。

原作のキャラと実写版の俳優さんたちとのビジュアルを比較するのも楽しかったですし、脚本家をはじめとした製作陣の苦労が見事に実を結んでいたと思います。

これからの展開が楽しみな映画です。

 

 

 

 

100分DE名著 万葉集

 

「令和」の出展が「万葉集」であると発表になってから、書店にも「万葉集」のコーナーができたり、人々の関心も高まっていますね。

私はというと、中学時代にうんと背伸びをして岩波文庫の「新訓万葉集」で挫折した経験があるだけに、手を伸ばさないようにしていました。

ただ、NHK「100分DE名著」シリーズなら私にも読めるかも知れないと思って、覗いてみました。

 

 100分DE名著 万葉集 佐佐木幸綱著

 

 

著者の佐佐木幸綱さんは歌人であり、早稲田大学名誉教授。万葉集の研究家です。

万葉集が書かれた時代背景や当時の人々の暮らしぶり、風習などをも加味して、その歌の奥の深さを読み解いてくれます。

第1章 言霊の宿る歌にこうあります。

「(略)それを支えているのが、言葉に霊力が宿ると信じる『言霊(ことだま)信仰』です。万葉集の時代の人々(万葉人)は、<言>と<事>は重なりあうものと考えていました。『豊作だ』と言葉を発すると、言(言葉)のもつ霊力が事(現実)を引き寄せて、めでたくも豊作がやってくると信じたのです。その際彼らは、日常の言葉で言うよりも歌の形でうたわれる言葉のほうが、言霊はより威力を発揮することを知っていた。(略)」

これって私たちが今、巷でよく見聞きする「引き寄せの法則」そのものですね。

昔も今も、そういうところはほとんど変わっていないというのは、興味深いのと同時に、一気に親近感を覚えました。

万葉時代には、それだけ言葉の扱いを大切にしていたということなのでしょう。

まだ読み始めですが、少し万葉集に触れていきたいと思います。