腎臓とビタミンC―隠された濃度のルール 2025/09/30Posted in健康, 文献, 腎臓のこと, 透析関連 意外に思うかも知れませんが、犬や猫など、多くの動物は自分の体内でビタミンCを合成できます。 私たちヒトは合成に必要な酵素の遺伝子が働かなくなっているので、外から補うしかありません。 この生物学的な事実を思うと、日常診…
「効かない薬」の処方箋―医師の胸の内を映す“プラセボ” 2025/09/29Posted in医療全般, 文献 「先生、抗生物質を出してください。」 風邪で来院された患者さんから、時々こう頼まれることがあります。 ウイルス性の風邪に抗生物質は効かないと説明しつつも、「何か薬が欲しい」という切実な思いとの間で、医師として頭を抱え…
人生100年は幻想? ― 新しい時代の「質」へのシフト 2025/09/28Posted in健康, 医療全般, 文献 クリニックで90歳を超える患者さんと話していると、「人生100年時代」という言葉が現実味を帯びてきます。 一昔前なら考えられなかった長寿の方々が、元気に通院している。 その姿に医学の進歩と時代の変化を強く感じます。 …
兄弟姉妹の間で見えた意外な攻撃性のかたち 2025/09/27Posted in心理学, 文献, 日常 鎌倉の古い家で暮らす三姉妹のもとに、ある日、腹違いの妹がやってくる。 是枝裕和監督の映画『海街diary』に描かれる四姉妹の暮らしは、穏やかで慈しみに満ちています。 食卓を囲み、梅酒を作り、何気ない日常を積み重ねなが…
糖尿病への分かれ道―健診の「血糖値が少し高め」から戻れる人、進む人 2025/09/26Posted in健康, 医療全般, 文献 健康診断で「C判定(要経過観察)」と記された項目があると、どうとらえていいのか、もやもやする人は多いかと思います。 逆に、「経過を見るってことは、様子見でいいってことね」と楽天的にとらえる方もいるかも知れません。 「…
春と昼に潜むリスク―パーキンソン病と転倒の時間割 2025/09/25Posted in医療全般, 文献, 日常 パーキンソン病を抱える方々にとって、転倒は生活の質を大きく左右する深刻な問題です。 これまで「どこで」「なぜ」起こるかという点は多くの研究で明らかにされてきましたが、「いつ」起こるのか、つまり時間や季節に関する側面は…
高齢者の腰痛に効く?鍼治療が示した確かな可能性 2025/09/24Posted in健康, 医療全般, 文献 高齢者の多くが、慢性的な腰の痛みに悩まされています。 世界的に見ても、腰痛は生活の質を損なう大きな要因であり、その苦しみは年齢とともに強まります。 痛み止めなどの薬は一時的な助けになりますが、特に日常的に多くの薬を併…
見えない傷跡―ストーカー被害が心臓病リスクを高める 2025/09/23Posted in健康, 医療全般, 文献 夜道で背後に感じる視線や、繰り返し届く脅迫めいた連絡。 こうした体験は一瞬の恐怖にとどまらず、心身の奥深くに刻み込まれていきます。 これまで身体的な暴力や性的虐待が心血管疾患のリスクを高めることは知られていましたが、…
心房細動アブレーション後の抗凝固薬―続けるか、やめれるか 2025/09/22Posted in医療全般, 文献 「一度飲み始めた薬を、いつまで続けるべきか。」 これは多くの人が一度は考える疑問です。 特に、治療によって病気の原因そのものが取り除かれた後なら、なおさらでしょう。 心房細動という不整脈の治療現場でも、まさに避けて通…
瞑想は高齢者の眠りをどう変えるのか 2025/09/21Posted inマインドフルネス, 健康, 文献, 神経科学 夜中に目が覚めてしまい、そこからなかなか寝付けない。 頭の中で今日あった後悔やこれからの心配がぐるぐると回り始め、眠りに戻れなくなることがあります。 そんな時、「無」になれたらどんなに楽だろう。 この「心を無にする」…
気温があがると甘いものが欲しくなる―見過ごされていた真実 2025/09/20Posted in健康, 文献, 日常 沖縄の真夏、モアっとした熱気の中を歩いていると、自動販売機がオアシスのように映ります。 迷うことなく冷たい炭酸飲料のボタンを押し、キャップをひねった瞬間の小気味よい音。 喉を駆け抜ける刺激に救われる気がします。 とこ…
「見て学ぶ」は人間だけじゃない―インコも見せた「第三者模倣」 2025/09/19Posted in文献, 生物, 科学 私が研修医になったばかりの頃、1年目はとにかく先輩医師のそばについて一緒に行動することが課せられました。 そして、彼らの細かな所作を観察するのです。 患者さんにどう接するのか、どんな情報を重視するのか、どの手順で検査…
足し算ではなく掛け算の効果―腎臓と糖尿病を守る併用療法のインパクト 2025/09/18Posted in文献, 腎臓のこと 診察室で、この言葉を口にするとき、私たち医療者も沈痛な思いです。 「残念ですが、そろそろ透析の準備を始めなければなりません。」 その瞬間、患者さんの表情が曇り、ご家族の手にも力がこもるのを感じます。 食事療法や薬の調…
慢性腰痛の予防―1日100分の「がんばらない散歩」の効用 2025/09/17Posted in健康, 文献 腰痛は世界で最も多くの人が悩まされる症状のひとつで、医療費や生活の質に大きな影響を与えています。 私自身も長時間の診療やパソコン作業で腰の重さを感じることがあり、「どうすれば予防できるのか」と考えることが増えました。…
「1万歩神話」の終焉?―健康最適歩数は目標7000歩 2025/09/16Posted in健康, 医療全般, 文献 母と話すとき、歩数計のことをつい「万歩計」と呼んでしまいます。 紙おむつをパンパース、保存容器をタッパーと言うのと同じように、商標名が一般名称のように定着してしまった一例です。 「万歩計」は1965年、東京オリンピッ…
便潜血検査と1年後の死亡率―見逃せないサインをどう活かすか 2025/09/15Posted in健康, 医療全般, 文献 健康診断や検診で使われる便潜血検査は、大腸がんの早期発見に役立つことで知られています。 実際、日本の健診で「大腸がん検査」といわれるのは、便潜血二日法と呼ばれる方式です。 ところが、イギリス・ノッティンガムで行われた…
健康は「チリツモ」だった―1分間だけの「息切れ運動」がもたらす健康効果 2025/09/14Posted in健康, 文献, 日常 趣味でランニングを続けているので、体力にはそこそこ自信がありました。 しかし先日、両手にスーパーの買い物袋を下げて、急に降り出した大粒の雨にあわてて駐車場を駆け抜けたとき、車のドアを開ける頃にはすっかり息が上がってし…
音楽が脳を指揮する ― リズムと脳波、2つの周波数の共鳴 2025/09/13Posted in文献, 神経科学, 音楽 私は、いつもギター教室の先生に「リズムが大事!」と注意されます。 この歳になって痛感するのは、ギターの腕前よりもリズム感のなさです。 そんなリズム音痴の私でも(正確であるかは置いといて)ドラムがリズムを刻み続けると、…
腎機能と感染症リスク―見えにくい関係を解き明かす 2025/09/12Posted in医療全般, 文献, 腎臓のこと 慢性腎臓病と聞くと、多くの人は透析や心臓病などとの関連を思い浮かべるかもしれません。 しかし実際には、感染症もまた腎臓病患者にとって深刻な脅威となっています。 米国や欧州のデータでは、慢性腎臓病の患者のおよそ4分の1…
フライドポテトは糖尿病リスクを高める―長期研究から見えた食べ方の選択 2025/09/11Posted in健康, 医療全般, 文献 日常の食卓に登場するじゃがいもは、私たちにとって身近な食材です。 ビタミンCやカリウムを含む一方で糖質が多く、健康への影響は長年議論されてきました。 今回、アメリカの看護師健康調査や医療従事者追跡調査といった40年に…
燃え尽き前のサインを見える化 ― 医師の健康をスマートウォッチで探る 2025/09/10Posted in健康, 医療全般, 文献 医師の仕事は人の命を預かる重責に満ちています。 心身をすり減らした結果、米国では2022年に63%もの医師が燃え尽き症候群(バーンアウト)を経験していると報告されました。 これは単に個人の問題ではなく、医療の安全や質…
飲酒と動脈硬化の関連―血管を傷つける2つのルート 2025/09/09Posted in健康, 医療全般, 文献, 日常 このブログではこれまでもアルコールと健康リスクについて取り上げてきました。 たとえば「赤ワインは体に良いのか」という記事では抗酸化作用の一端を紹介しましたし、別の記事では「少量のアルコールは本当に心臓を守るのか」と問…
もうひと頑張りの体力は、薬指の長さで決まっている? 2025/09/08Posted in健康, 文献, 日常, 物語 ネット上や雑誌で「指の長さの比率」が、時々話題になることがあります。 意外に多くの人がこうした細かな違いに関心を持っているようで、新しい研究結果が紹介されると大きな注目を集めたりします。 進化の仲間であるチンパンジー…
シルクマジックの王:マーコニック ― 驚きを凝縮した瞬間芸の美学 2025/09/07Posted in勝手にマジシャン・シリーズ スポットライトを浴びた舞台の中央で、赤や青、黄色の布が次々と現れては空中に舞い、ふわりと消えていく。 照明の色合いに合わせて布の表情は刻一刻と変わり、まるで光そのものをまとって踊るようです。 音楽のリズムに同調するか…
休日を「意味ある時間」に変えるには ― ゴロゴロするだけが休みじゃない 2025/09/06Posted in心理学, 文献, 日常 休日の朝、二度寝をした末にようやく起きだしても、「今日は何もしない」と休眠モードを決めつける。 ところが、ずっと望んでいた贅沢な時間のはずなのに、太陽が沈み一日が終わるころには、胸の奥には空しさが残ります。 子どもの…