西田幾多郎「善の研究」

西田幾多郎の「善の研究」は青空文庫で読むことができます。 読むことはできますが、内容が深すぎてハードルが高く、何度も挫折してしまっているのも事実です。 そんなこんなで、私の読書メモから少しずつ。 (ブログを備忘録がわりに…

チョムスキーのメッセージ

ノーム・チョムスキーは1928年生まれのアメリカの言語学者で、マサチューセッツ工科大学の教授を長年務めました。 彼は生成文法理論を提唱し、人間が生まれながらにして持っている「言語を学ぶ能力」についての研究で知られています…

怒りについて

  怒ってしまったら、だいたい後に後悔します。 感情にまかせて怒ってしまったら、なおさらです。 気持ちがフトゥフトゥしていますし、ずっと尾を引きますし、「この怒りは正しかったのかな?」と自問自答です。 「怒り」について、…

数学が描く哲学の風景

  「数学が好き」と言うと変に聞こえるかも知れませんが、時々マーチン・ガードナーの数学パズルの本などを引っ張り出してきては読み耽ったりしています。 数学に触れていると、なんだか真理の縁を触れた気になって、気持ち良いのです…

脳の中の幻想:意識とは何か

  「意識とは何か」 いきなり厨二病っぽい問いかけですが、冗談ではなく、この問いは、科学者や哲学者が何世紀にもわたって探求してきたテーマです。 意識がなければ、自分やほかの何かの存在を証明する方法はありません。 けれども…

脳が描く現実:感じる世界の創造力

  人間の脳は、自分が存在する世界を直接感じることはできません。 それは、頭蓋骨という静かな閉ざされたスペースの中にあるからです。 脳が現実を体験するには、感覚器官からの信号を受け取り、それを解釈する必要があります。 外…

「ソクラテスの死」

  哲学の基礎を築いたソクラテスは、多くの質問を投げかけることで人々から恐れられていました。 それは彼が全ての答えを持っているからではなく、逆に多くの問いを投げかけていたからです。 彼は形式的な講義よりも、友人や見知らぬ…

ニーチェの1本の矢

  「君は君の友のために、自分をどんなに美しく装っても、装いすぎるということはないのだ。なぜなら、君は友にとって、超人を目ざして飛ぶ一本の矢、憧れの熱意であるべきだから。」とニーチェは言っています。「ツァラトゥストラ」(…

哲学と禅

  哲学者のフッサールは「意識は志向性を持っている」と言いました。言い換えると、意識は常に何かについて向かっているということです。 人間の意識は対象(何か)に向かって「志向」しており、その志向が対象(何か)に関する判断の…

ナポレオンと瞑想

  ナポレオンは、18世紀末から19世紀初頭における、フランスの軍人であり政治家です。 彼が行った改革や文化遺産について知らなくても、白馬にまたがるナポレオンの絵画「アルプス山脈を越えるナポレオン」は誰もが一度は見たこと…

AIとコミュニケーション

  ChatGPTやNotion AIなど、最近のAIの進歩には目覚ましいものがあって、なかなか話題についていくこともできません。 この分野の飛躍的な進歩については、いろいろと仮説があったりしますが、いよいよシンギュラリ…

「顔に着目せよ」

    2018年にNHK Eテレで放送された番組の書籍版なのだそうです。 私はテレビを見る習慣がないので、紙媒体になって初めてその存在に気づいたり、その良さを知ることになるのですが、この番組(とこの本)もそのうちのひと…

「天長地久」

    学生時代に「老子」は字面(じづら)で損をしていると思いました。「老」の字が入っているせいで、なんとなく高齢者向けっぽいと色眼鏡で見ていた気がします。 けれども、老子についてよく耳にするのは、混沌とした社会を生き抜…

飽き性とは

  私は「飽き性」な人間です。(周囲の人間には分かりきったことですが…) 割といろんなことに興味を示して、ある程度まではやってみますが、やがて「飽きた」と感じる瞬間が訪れて、途端に興味が薄くなるのです。 ところが、変なと…

充実した人になるには

    哲学者が語る言葉は「さすが!」と思いますし「うまいこと言うなあ」と感心します。 そのあたりは、詩人が選ぶ言葉におおいに通じているものです。 超訳ベーコンの本をパラパラとめくっていたら、ふと目に止まった言葉がありま…

「遠くに目をやろう」

    「アランの幸福論」の中には、暮らしと密接に結びついた「生活知」がつまっています。 アランが人間の身体性をとても大事にしていたのでもわかります。心と体の結びつきについて多くを語り、心身が硬直してしまうのを「不幸」と…

「哲学者が走る」

    「哲学者が走る 人生の意味についてランニングが教えてくれたこと マーク・ローランズ著」は、本のそこかしこに多くのランナーが思っていても言葉に表せなくて、もどかしい思いをした思考の中身を表現した箇所があります。 例…

「幸せ」とは

  『別冊NHK100分de名著「幸せ」について考えよう』の各章の最後に「名言集」が載っています。 太古から、文学・経済学・哲学・心理学などのあらゆる賢人たちが「幸せ」について考察し語ってきました。 ところが、誰も他人の…

キケロ「老年について」

  キケロは古代ローマの政治家であり哲学者です。 彼は、ギリシア哲学ストア派の教義に軸を置きながら、彼自身の思想をその著作に表してきました。 彼の「老年について」(岩波文庫)は、より良い老年期を生きるためのキケロ流の考え…

悪いこと

  哲学者 池田晶子さんの本を読みました。   生きていれば良いこともある という俗言 裏返し、生きていれば悪いこともある   幸福と生死とは無関係である ということを知ることが幸福なのである   哲学者の思索日記からの…