微小プラスチックと脳の健康:私たちが知るべきこと 2025/03/17Posted in健康, 文献, 自然環境 海洋のプラスチックごみが環境に与える影響は以前から知られていますが、近年の研究では、さらに微細なマイクロプラスチック(直径1µm以上)やナノプラスチック(1nm以上)が、人体の隅々にまで入り込んでいる可能性が指摘され…
70代からでも間に合う!運動が腎臓にもたらす効果 2025/03/16Posted in健康, 文献, 腎臓のこと 長期にわたる体力づくりが腎臓にも良いかどうかを調べたユニークな研究が、ノルウェーのトロンハイムで行われました。 研究対象は70~77歳の住民1,156人で、平均年齢は72歳。高齢になるほど慢性腎臓病(CKD)のリスク…
音楽セッションで脳も心も元気に:高齢者の認知と心理に効く音楽 2025/03/15Posted in健康, 文献, 神経科学 音楽は認知機能や心の健康にも良い影響を与えることが知られています。 では、具体的にどう向き合えば、その「音楽の恩恵」を授かるのでしょう。 その答えのひとつになるような研究が報告されました。 東北大学の研究チームが行っ…
画面越しの自分が気になる―Zoom醜形症という新しい問題 2025/03/14Posted in心理学, 文献, 日常 新型コロナウイルスの影響で、多くの人がオンライン会議や授業に参加するようになりました。 その結果、画面に映る自分の姿を何度も見るうちに、自分の顔や外見が気になりすぎる現象が生まれました。 これを「Zoom醜形症(Zo…
インフルエンザ予防の重要性 2025/03/12Posted in健康, 医療全般, 文献 インフルエンザは毎年、多くの人々の健康に影響を与えるウイルスですが、特に子どもたちには深刻な合併症を引き起こす可能性があります。 最近、米国疾病対策センター(CDC)が発表した調査によれば、2010–11シーズンから…
筋トレが眠りを改善する!? ― 不眠に悩むシニアに朗報 2025/03/09Posted in健康, 文献 年齢を重ねると、どうしても眠りが浅くなったり、眠りにくくなったりすることがあります。 実際、60歳以上の高齢者の30%から48%が睡眠に問題を抱え、そのうちの約20%は深刻な不眠症状を感じているといいます。 眠剤に頼…
週末効果ってなんだろう?手術の曜日が少し気になる理由 2025/03/08Posted in医療全般, 文献 手術を受ける日が、その後の健康状態に影響を与えるかもしれない、という話を聞くと、にわかには信じがたいかもしれません。 しかし、医療現場では以前から「週末効果」と呼ばれる現象が問題視されてきました。 これは、週末に病院…
ブルーライトは「朝型」の味方 2025/03/07Posted in健康, 文献, 日常 私たちの暮らしは、朝起きた瞬間から眠るまで、さまざまな光に包まれています。 特に、「ブルーライト」は気になる存在です。 スマートフォンやパソコンの画面からも出ている青色の光は、睡眠に悪影響があるとして問題視されること…
持続効果で腎臓を守る ― 長期メリットが示された研究 2025/03/06Posted in文献, 腎臓のこと エンパグリフロジンは、当初は糖尿病の血糖コントロールを目的に開発されたSGLT2阻害薬です。 しかし、近年の研究で腎保護効果が注目され、慢性腎臓病(CKD)への適応拡大が進みました。 NEJMに掲載された試験(202…
よく噛むことが脳を守る? 2025/03/05Posted in健康, 文献 歯の健康は、脳の健康にも密接に関わっています。 特に、「よく噛む」という行為は、脳の働きを助ける可能性があります。 硬いものをしっかり噛むことで、脳を酸化から守る力が高まり、記憶力や思考力にも良い影響を与えるかもしれ…
経口球状炭素吸着薬の再評価 2025/03/04Posted in文献, 腎臓のこと, 透析関連 慢性腎臓病(CKD)の進行を遅らせるとされる経口球形吸着炭(OSCA)AST-120という薬剤があります。 この薬剤は腎機能が低下した際に増加する尿毒素を吸着し、体内に蓄積するのを防ぐことで、透析導入の時期を遅らせる…
みかんを食べると気分をあげてくれるかも知れない 2025/03/03Posted in健康, 心理学, 文献, 神経科学 オレンジやグレープフルーツなどの柑橘類を多く含む食生活は、気分の落ち込みを和らげてくれそうです。 32,427人の中年女性を対象とした追跡調査では、柑橘類を多く摂取するグループは、少ないグループと比較してうつ病の…
怒りっぽい男性ほど、女性パートナーから知性が低いと見なされやすい 2025/03/01Posted in心理学, 文献 人にはそれぞれ好みというものがあります。 そして、その好みに見合った恋愛相手を選ぶものでしょう。 たとえば「優しさ」や「知性」が挙げられることは多いですが、実際にパートナーと長く付き合っていくうえでも、これらの特性は…
犬をペットにすると認知症リスクが低下 2025/02/28Posted in医療全般, 文献 犬との暮らしが、高齢者の認知症を予防するかもしれない。 日本に住む65歳以上の高齢者11,194人を対象に、約4年間の追跡調査が行われました。 その結果、現在犬を飼っている方は、過去に飼っていたか、もしくはまった…
クルミを食べると頭が良くなる? 2025/02/27Posted in健康, 文献, 神経科学 ヒトの脳は、わずかな栄養バランスの変化にも敏感に反応することが知られています。 中でも、ナッツの一種であるクルミは、オメガ3系脂肪酸(α-リノレン酸)、ポリフェノール類、タンパク質などを含むことから、その効果が注目さ…
糖尿病患者の血管と慢性腎臓病(CKD)の関係 2025/02/26Posted in文献, 腎臓のこと 糖尿病の患者にとって、血管の健康を保つことは非常に重要です。 その評価指標のひとつとして「足関節上腕血圧比(ABI)」があり、これは足首と腕の血圧を比べることで血管の状態を測る検査です。 ABIは、動脈硬化による末梢…
尿路は「無菌」ではなかった? 2025/02/24Posted in文献, 腎臓のこと 人間の腎臓は長らく「無菌状態」と考えられてきましたが、最近の研究によって、その前提が覆されつつあります。 尿路には自然に形成される細菌コミュニティが存在し、それらは健康な状態でも見られるというものです。 研究では、腎…
体の痛みを笑いでまぎらわそうとするのは正解かも知れない 2025/02/23Posted in心理学, 文献 冷たい水に手を浸す実験は、痛みの感じ方や耐性、心拍数などの生理学的反応を調べる代表的な方法として知られています。 アメリカ・カリフォルニア大学アーバイン校の研究グループは、このいわゆる「寒冷加刺激(cold pres…
過ごし方の呼び方の違いで気持ちも変わる 2025/02/21Posted in心理学, 文献, 日常 「自分時間(Me-Time)」と呼ぶか「孤独(Isolation)」と呼ぶか 言葉の選択が感情や行動に影響を与えることは、興味深い研究テーマと言えます。 ここでは、一人でいる時間を「自分時間(Me-Time)」と呼ぶ…
FLOW試験とSELECT試験 2025/02/20Posted in文献, 腎臓のこと GLP-1はもともとヒトの小腸から食事のたびに分泌され、インスリンを分泌する膵臓の細胞に働きかけるホルモンとして知られています。 それを人工的に活用した「GLP-1受容体作動薬(以下、GLP-1RA)」には、血糖コン…
ワクチンの効果はどれだけ続くのか? 2025/02/19Posted in医療全般, 文献 ワクチンを接種した後、どのくらいの期間、免疫が続くのかを正確に把握することは、公衆衛生戦略の立案や個別の接種計画を考えるうえで重要です。 例えば天然痘や黄熱などの生ワクチンは長期にわたる抗体反応を引き出す一方で、季節…
女性のヒップに対する視線—美容整形手術の動向 2025/02/18Posted inヘンな論文(私見), 心理学, 文献 人は女性のヒップを見るとき、いったいどこを見てしまうのでしょうか? なにもイヤらしいお話をしようとするのではなく、美容整形の分野ではいたってマジメな研究対象らしいです。研究チームは、人の視線がどこに集中するかを調べる…
「腎臓が悪いとタンパク質を食事制限」 : これは間違っていたのか? 2025/02/17Posted in文献, 腎臓のこと 慢性腎臓病(CKD)の食事療法といえば、長年「タンパク質を控える」が王道とされてきました。 腎臓が傷むのはタンパク質の摂りすぎが原因と考えられていたためです。実際、動物実験では高タンパク食が腎臓の負担を増やし、病気の…
AIは論理パズルを解けるのか?推理力の限界 2025/02/16Posted inAI, パズル・クイズ, 文献 1962年に「Life International」という雑誌に「Who Owns the Zebra?」という論理パズル(通称アインシュタインのパズル、またはゼブラ・パズル)が紹介されました。下記の15層からなるパ…
ボノボは相手の「わからない」を見抜いて助ける 2025/02/15Posted in文献, 生物 ボノボが相手の知らないことを理解し、積極的に情報を伝えるという研究が発表されました。 人間は、相手が知らないことを考えて説明したり案内したりします。このような「他の人が何を知っているかを考える力」は、類人猿にもあるの…