恐怖を楽しむ子どもたち――“ちょっと怖い”が心を育てる 2025/10/31Posted in心理学, 文献 子供たちが「お化け屋敷に行きたい」とせがんだり、ヒーローごっこでわざと悪役に追い詰められるフリをしてはキャーキャーと逃げ回ったりする姿は、昔からよく見られる光景です。 怖いのに笑いがこみあげてくる、その複雑な感情の混…
SNS断ちの効果は?―デジタル・デトックスと幸福感、その功罪 2025/10/30Posted in心理学, 文献, 日常 私の娘は、時々「デジタル・デトックス」をするのだと言っていました。 スクリーンタイムが増えて情報の渦に巻き込まれてしまうと、どうも心身のバランスが悪くなるのを感じるのだそうです。 XやInstagramなどのSNSア…
「小さな異常」を見逃さない―CKD早期発見に必要な“もう一度の検査” 2025/10/29Posted in文献, 腎臓のこと 外来で患者さんの検査結果を見ていると、eGFR(腎機能を示す数値)が少し低い、あるいは尿中アルブミンがやや高いという結果を目にすることがあります。 その場では大きな異常に見えなくても、こうした小さなサインが慢性腎臓病…
自力で歩けるということ―透析導入期のリハビリの力 2025/10/28Posted in文献 透析治療を始められた患者さん、特にご高齢の方が、治療開始の前後で体力が落ちてしまう姿を目にすることがあります。 入院生活の影響で筋力が低下し、歩行や立ち上がりが難しくなることも少なくありません。 家に帰ることを目標に…
過去の逆境がくれた「心のワクチン」―ストレス耐性の意外なメカニズム 2025/10/27Posted in心理学, 文献 診察室で患者さんの話を聴いていると、「昔はもっと大変だったけど、今はあの頃よりましです」と逞しく笑う方がいます。 苦しい経験を重ねても、困難に動じず、前を向いている方々です。 医師として、その強さの根源に興味を抱いて…
孤独が生む渇き―満たされない心はどこへ向かう? 2025/10/26Posted in心理学, 文献 新型コロナウイルスの影響で、人と会う機会が激減した時期がありました。 自宅で孤独な時間を過ごしていると、ふと甘いものに手が伸びたり、ネットショッピングのカートがいっぱいになっていたり。 あの妙な“満たされなさ”は何だ…
ランニングのピッチをあげる効果――ケガの予防にもフォームにもよし? 2025/10/25Posted inスポーツ, ランニング, 文献 ランニングをしていると、ふと自分の足の運びが妙にリズミカルに感じることがあります。 いつもより軽く、なんだか調子がいい。 そんな日は、走り終えたあとも疲れが少ないのです。 あとでスマートウォッチを確認すると、ピッチ(…
ウイルスの再活性化が脳に刻む影―帯状疱疹と認知症の意外な関係 2025/10/24Posted in健康, 医療全般, 文献, 神経科学 先日、帯状疱疹でひどい痛みに悩む患者さんを診察しました。 電気が走るような、焼けるような痛みが昼夜を問わず続くと言います。 この病気は、多くの人が子供の頃にかかる水ぼうそうのウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)が、神経…
病気の受け止め方が変われば、人生も変わる――慢性腎臓病と心の関係 2025/10/23Posted in医療全般, 文献, 腎臓のこと 外来で患者さんから「先生、腎臓の薬ってないんですか?」と尋ねられることがあります。 腎保護作用のある血圧の薬などをすでに内服してもらっていることを伝えますが、「腎臓を良くするわけではないんですね」とポツリとつぶやかれ…
女性ホルモンが守る腎臓―分子レベルの探求 2025/10/22Posted in文献, 腎臓のこと 日常診療をしていると、腎臓の病気はなぜか男性のほうが重く進行していくように感じます。 実際、日本透析医学会の統計でも、透析を始める患者は男性がおよそ女性の2倍にのぼると報告されています。 数字の裏には、腎臓という臓器…
サバイバル社会でリーダーはどう見られる?―「競争的世界観」が判断を変える 2025/10/21Posted in心理学, 文献 映画『セッション』に登場する鬼教師、フレッチャー。 彼はイスを投げつけ、生徒を罵倒し、精神的に極限まで追い詰めます。 その指導は、ある者にとっては「偉大な才能を育むための情熱」であり、またある者にとっては「許されざる…
垂直跳びと水平跳びの力学―男女のパフォーマンスに差が出る理由 2025/10/20Posted inスポーツ, 文献, 科学 今夏、東京で開催された世界陸上。 満員の国立競技場で、男子棒高跳び決勝でスウェーデンのアルマンド・デュプランティス選手が6メートル30センチの世界新記録を打ち立てた瞬間は、多くの人の記憶に刻まれたことでしょう。 重力…
尿検査が示す未来のサイン―アルブミン尿と認知症の意外なつながり 2025/10/19Posted in健康, 医療全般, 文献, 神経科学, 腎臓のこと 日々の診療で「タンパク尿が出ていますね」と患者さんにお伝えする場面は少なくありません。 タンパク尿が心臓病や脳卒中のリスクを高めることはよく知られていて、そういう時は食事や血圧の管理についてお話することになります。 …
ゲームがくれる「ちょうどいい幸せ」――遊ぶ時間よりも大切なこと 2025/10/18Posted in健康, 心理学, 文献, 日常 子どものころ、ファミコンの電源を切るように言われると、いつも名残惜しくて「あと5分だけ」と懇願した記憶があります。 大人になった今でも、仕事の合間にSwitchを起動してティアキンでライネルを倒し切ると、不思議と気持…
赤血球のばらつきが告げる―腎臓の初期ダメージの知らせ 2025/10/17Posted in医療全般, 文献, 腎臓のこと 日々の診療で、数多くの血液検査データに目を通します。 その中にある「RDW(Red cell Distribution Width:赤血球分布幅)」という項目は、赤血球の大きさのばらつきを示す指標で、主に貧血の種類を…
幸福の形は国によって違う―なぜ日本人の幸福度は低いのか 2025/10/16Posted in心理学, 文献, 日常 大学時代にインドやケニアを旅したとき、日本ではなかなか出会えない種類の「豊かさ」に触れた気がします。 決して裕福とは言えない暮らしの中で、家族や隣人と助け合い、ささやかな日常を慈しむ人々の眼差し。 その穏やかで力強い…
うわさ話が多いカップルほど幸せ?―恋人との「おしゃべり」が幸せを育む理由 2025/10/15Posted in心理学, 文献, 日常 私たちは他者との間で波風を立てないよう、知らず知らずのうちに「思いやり」という名の振る舞いを身につけています。 相手の小さな矛盾には気づかぬふりをし、波風を立てないように表面的な合意を保つ。 社会学者の奥村隆氏が言う…
あなたにとって「大切なこと」とは―高齢者が語った“本当の優先順位” 2025/10/14Posted in健康, 医療全般, 文献 ある日、外来で診察を終えたご高齢の患者さんが、ふと笑ってこう言いました。 「先生、やっぱり人と話す時間が一番うれしいね。」 その一言が、胸の奥にやさしく残りました。 この方はしばらく前から膝を悪くしていて、ほとんど外…
赤ちゃんの脳は4ヘルツで動く―視覚の発達が奏でるリズム 2025/10/13Posted in文献, 神経科学 ずっと遠い昔のころ。 娘が生後8か月を迎えたころ、カラフルなモビールをじっと見つめながら、リズムを刻むように手足を動かしていたことを思い出します。 娘はあの揺れに“音楽的な秩序”を感じているに違いない、まさか天才か?…
家事を続けることが“脳トレ”となる?―認知機能を保つヒント 2025/10/12Posted in文献, 日常, 神経科学 映画『ペコロスの母に会いに行く』(2013年)を初めて観たとき、胸が締めつけられる思いがしました。 主人公の母親が、少しずつ料理の手順を忘れ、掃除や片付けがうまくできなくなっていく。 その姿を見守る息子の眼差しには、…
医師の服装が信頼を左右する?―白衣の時代からスクラブの時代へ 2025/10/11Posted in医療全般, 文献, 日常 病院勤務医時代の私は、いわゆるベン・ケーシー(白い半袖の診療着)スタイルに白衣を重ねて診療していました。 しかし開業してからは、もっぱらスクラブを愛用しています。 外来と透析室を行き来するのも動きやすいですし、宿直の…
AIに頼りすぎた医師は腕が鈍るのか? 2025/10/10Posted inAI, 医療全般, 文献 先日、外来で診察の合間に胸部レントゲン写真の異常個所を「画像診断用AIアシスタント」が指摘してくれました。 見落としがちな影を瞬時にマークしてくれるのはありがたいのですが、同時に「自分の観察力が少しずつ鈍っているので…
畏敬の念が人をつなぐ力―「小さな自分」が生む大きな結束 2025/10/09Posted in心理学, 文献 夕暮れ時にバイパスを走っていると、太陽が水平線に沈む瞬間に出会うことがあります。 その一瞬、その空間に溶け込みそうになりながら、「自分はこの壮大な自然のほんの一部なのだ」と感じます。 この感覚こそが「畏敬の念」と呼ば…
人とのつながりが体内時計を巻き戻す?―社会性が老化を遅らせる 2025/10/08Posted in健康, 医療全般, 文献, 日常 テレビで見る明石家さんまさんや所ジョージさんの姿を思い浮かべると、年齢を重ねてもなお若々しく第一線で活躍し続けていることに驚かされます。 お二人の明るい人柄や幅広い人間関係は、単なる芸風ではなく、健康や活力の源なので…
運動療法が腎臓病患者に届かない理由―ヨーロッパの現場から見えた構造的な壁 2025/10/07Posted in健康, 医療全般, 文献, 腎臓のこと 私が外来で患者さんに「運動していますか」と尋ねると、多くの方が「運動した方がいいのは分かっているけど…」と歯切れが悪い返事をされます。 今年の夏は特に暑かったというのもありますが、忙しさや体調の波に加えて、誰かが一緒…