画面越しの自分が気になる―Zoom醜形症という新しい問題 2025/03/14Posted in心理学, 文献, 日常 新型コロナウイルスの影響で、多くの人がオンライン会議や授業に参加するようになりました。 その結果、画面に映る自分の姿を何度も見るうちに、自分の顔や外見が気になりすぎる現象が生まれました。 これを「Zoom醜形症(Zo…
みかんを食べると気分をあげてくれるかも知れない 2025/03/03Posted in健康, 心理学, 文献, 神経科学 オレンジやグレープフルーツなどの柑橘類を多く含む食生活は、気分の落ち込みを和らげてくれそうです。 32,427人の中年女性を対象とした追跡調査では、柑橘類を多く摂取するグループは、少ないグループと比較してうつ病の…
怒りっぽい男性ほど、女性パートナーから知性が低いと見なされやすい 2025/03/01Posted in心理学, 文献 人にはそれぞれ好みというものがあります。 そして、その好みに見合った恋愛相手を選ぶものでしょう。 たとえば「優しさ」や「知性」が挙げられることは多いですが、実際にパートナーと長く付き合っていくうえでも、これらの特性は…
体の痛みを笑いでまぎらわそうとするのは正解かも知れない 2025/02/23Posted in心理学, 文献 冷たい水に手を浸す実験は、痛みの感じ方や耐性、心拍数などの生理学的反応を調べる代表的な方法として知られています。 アメリカ・カリフォルニア大学アーバイン校の研究グループは、このいわゆる「寒冷加刺激(cold pres…
過ごし方の呼び方の違いで気持ちも変わる 2025/02/21Posted in心理学, 文献, 日常 「自分時間(Me-Time)」と呼ぶか「孤独(Isolation)」と呼ぶか 言葉の選択が感情や行動に影響を与えることは、興味深い研究テーマと言えます。 ここでは、一人でいる時間を「自分時間(Me-Time)」と呼ぶ…
女性のヒップに対する視線—美容整形手術の動向 2025/02/18Posted inヘンな論文(私見), 心理学, 文献 人は女性のヒップを見るとき、いったいどこを見てしまうのでしょうか? なにもイヤらしいお話をしようとするのではなく、美容整形の分野ではいたってマジメな研究対象らしいです。研究チームは、人の視線がどこに集中するかを調べる…
赤ちゃんの心は道徳的に白紙なのか? 2025/02/14Posted in心理学, 文献 赤ちゃんにも「善悪を見分ける感覚」があるのだろうかという疑問は、発達心理学で長らく議論されてきました。 約20年前にカイリー・ハムリンらが行った実験では、6か月齢と10か月齢の乳児数十人を対象に、困っているキャラクタ…
体重と幸福度の関係:10年間の追跡調査から見えてきた意外な真実 2025/02/03Posted in健康, 医療全般, 心理学, 文献 「太ると幸せが減る」という考え方は、多くの先進国で一般的です。確かに、BMI(Body Mass Index)が30を超える肥満は、心血管疾患や糖尿病のリスクを高めます。見た目の変化や健康面への不安から、「太ると幸せ…
心の癒しの四つの質問 2025/01/22Posted in心理学, 読書 人は日々、さまざまな思考の渦にのみ込まれています。 体験した出来事を振り返り、「あのときもっとこうすればよかった」「自分には無理だったんだ」という言葉が頭をめぐることがあるかもしれません。 アメリカのバイロン・ケイテ…
睡眠中に嫌な記憶をポジティブに書き換えられる? 2025/01/09Posted in心理学, 文献 睡眠は、ただ体を休めるためだけの時間ではありません。最近の研究では、睡眠中に脳が記憶を整理し、感情的な体験を処理していることが明らかになってきました。今回ご紹介する論文 は、睡眠中に嫌な記憶をポジティブな記憶で上書き…
UFOや地球外生命体を信じる:因果関係 vs 相関関係 2025/01/04Posted in心理学, 文献, 日常 ポッドキャスト番組「Joe Rogan Experience」を頻繁に聴くと、UFOや地球外生命の存在を信じる傾向が強まるという興味深い研究結果が発表されました。一見すると突飛な話に思えるかもしれませんが、これは統計…
「あれ?もうクリスマス?」時間感覚の不思議 2024/12/24Posted in心理学, 文献 年の瀬が押し迫る時期になりました。外来でも次回の予約日が1月や2月になり、そのたびに「もう来年ですか。早いですねえ」と患者さんと顔を見合わせて、時の流れの速さを感じています。 “年齢を重ねると1年があっという間に感じ…
美しさは本当に有利なのか?:AI時代の「美人バイアス」 2024/12/14Posted in心理学, 文献 「美人は得をする」とはよく言われますが、それはどの程度事実なのでしょうか? 最新の研究は、AI技術を使った「美顔フィルター」を通して、この「美人バイアス」と呼ばれる現象をより深く掘り下げています。 美顔フィルター…
ストレスと記憶:心の健康への影響 2024/12/11Posted in心理学, 文献 私たちは皆、日々の生活の中でストレスを感じることがあります。 仕事でプレッシャーを感じたり、人間関係で悩んだり、健康面で不安を抱えたりと、ストレスの原因はさまざまです。 しかし、ストレスが私たちの記憶にどのような影響…
子どもの証言、どれくらい信頼できますか? 2024/12/08Posted in心理学, 文献 「お父さんがやった!」 6歳の少女の叫びは、法廷に衝撃を与えました。母親の殺人事件の唯一の目撃者である彼女の証言は、果たしてどれほど信頼できるのでしょうか? 幼い子どもの証言は、しばしば真実と虚構が入り混じり、その真…
孤独な日々を豊かに過ごすための戦略:非日常体験の重要性 2024/12/02Posted in心理学, 文献, 日常 コロナ禍のロックダウンは、多くの人にとって、孤独を感じ、日常の単調さに鬱々としていた辛い時期だったでしょう。 孤立した環境下で、どのように精神的な充実を図るかは、当時の共通の課題でした。 そして今、その課題に対するヒ…
没個性化の時代?20年間の調査でわかったこと 2024/11/15Posted in心理学, 文献 私たちは皆、他人とは違う自分らしさを表現したい、特別な存在でありたいという気持ちを少なからず持っているものです。 心理学では、この「他人と違う自分でありたい」という欲求を「個性化の欲求」と呼んでいます。 心理学者…
曜日と祝日に関するメンタルヘルスのリスク 2024/11/05Posted in心理学, 文献 「月曜日が憂鬱」という気持ちは、多くの人が共感してくれるものです。 これは「ブラックマンデー症候群」として知られています。 日本では「サザエさん症候群」とも呼ばれていますね。 週末のリラックスした時間が終わってしまっ…
男性はスマホで孤立する?デジタル時代の人間関係の課題 2024/11/03Posted in心理学, 文献 スマホの存在は、現代社会ではすでに必需品となっています。 問題となるのは、その使い方です。 特に、人間関係においてスマホ使用の影響が顕著であることが指摘されています。 最近の研究では、男性にとってスマホの利用が社…
犬は「人の目」を気にするのか? 2024/10/20Posted in心理学, 文献, 生物 私たちは誰かに見られていると、行動に気を使うことがあります。 これは「監視の目効果」として知られ、人が他者の視線を感じることで反社会的行動を抑制する現象です。 さて、これは犬にも同様に当てはまるのでしょうか?これが今…
嘘も100回言えば真実になる 2024/10/16Posted in心理学, 文献 情報が溢れる現代社会で、私たちは繰り返し目にする情報に影響されやすいという現象が知られています。 たとえそれが最初に見聞きしたときに疑わしいと感じた情報であっても、繰り返し接触することで、「これって本当かも?」と思い…
考えることは、しんどいよね? 2024/10/07Posted in心理学, 文献 「ああ、面倒くさい。大事なことはたいてい面倒くさい」と嘆いていたのは、あの宮崎駿監督でした。 私たちが難しい問題に取り組む際、しばしば「しんどさ」を感じます。 これは単なる主観的な感覚かと思いがちですが、実際には…
スマートスピーカーが不眠治療をサポート:認知行動療法の新しい形 2024/10/06Posted inマインドフルネス, 心理学, 文献 乳がんサバイバーの約30%から50%が不眠症を抱えていると言われています。 これは、治療の副作用や精神的ストレスが関係しているためです。 従来、不眠症に対しては認知行動療法(CBT-I)が効果的とされていますが、専門…
幸福な人に共通する「情熱」と「セルフコントロール」 2024/09/09Posted in心理学, 文献 「幸福」についての探求は、どちらかというと哲学のような気もしますが、心理学の面からのアプローチも必要ですね。 最近の研究が示すところによると、(この研究者によれば)幸福感に大きく寄与するのは「情熱」と「セルフコントロ…
困難な出来事が心に及ぼす長期的な影響 2024/09/02Posted in心理学, 文献 人生における困難な出来事が心に与える影響について、年齢によって違いはあるのでしょうか。 多くの人が、子どもや若者は特に「弱い」と考えるかもしれません。 けれども、最新の研究では少し違った結論が出ています。 この研…