でたらめの山に、存在を探す ― 高い次元の球面で見えた数学の境目 2026/07/02Posted in数学, 文献 何かが「ある」と言うとき、私たちはたいてい、それを出して見せます。 財布のお金も、引き出しの鍵も、手に取って差し出せば話が早いのです。 見せてもらえないものは、本当はないのか、と疑ってしまう。 目で確かめられないもの…
並べ替えて引く — その手は、2をかけていた 2026/07/01Posted in数学, 文献 紙に4桁の数を一つ書いてみます。 たとえば2808。この4つの数字を大きい順に並べた8820から、小さい順に並べた0288を引くと、8532が出ます。 その8532で同じことをすると6174になり、6174で繰り返す…
ゲーデルは、数学を終わらせたのか ― 完全な手引き書の外に残った一行 2026/05/26Posted in数学, 文献 机の上に、完全な手引き書があると想像してみます。 そこに書かれた規則を順番にたどれば、どんな問いにも答えが出る。 多くの人は、数学とはそういう手引き書だと感じています。 前提さえ正しく、手順さえ守れば、いつかは全部に…
ほどけない結び目を、QRコードとして読む ― 数学の難問に現れた、新しい「見分ける力」 2026/05/05Posted in数学, 文献 机の下で電源コードがからまっていると、無性にほどきたくなります。 どこをくぐらせ、どこを引けば元に戻るのか。 結び目とは、目で見て、指で追えば正体がわかるものだと考えがちです。 ところが数学で扱う結び目は、両端がつな…
鍵のない金庫―量子コンピュータと暗号の距離をめぐる二つの報告 2026/04/13Posted in数学, 文献, 科学 インターネットで買い物をするとき、私たちはパスワードを入力します。 送金するとき、暗証番号を打ちます。 そのたびに画面の向こう側で利用されているのは、ある種の数学の問題の「解きにくさ」です。 巨大な数を素因数に分解す…
約束された空白の時間―時計の針から見えてくる「孤独なランナー予想」と、10人まで進んだ未解決問題 2026/03/20Posted in数学, 文献 時計を思い浮かべてください。 秒針、分針、時針の3本の針は、12時ちょうどにぴたりと重なります。 そこから時間がたつと、3本はそれぞれ違う速さで回るので、少しずつばらけていきます。 では、どの針もほかの針から十分に離…
円と四角は、なぜ一つの絵に収まったのか―《ウィトルウィウス的人体図》を読み直す 2026/02/07Posted in数学, 文献, 日常, 歴史 十五世紀の終わり、レオナルド・ダ・ヴィンチは一枚の素描を描きました。 円と正方形の中に、手足を大きく広げた人の体が重ねて描かれているその図は、今もなお世界で最も有名な人体図の一つです。 多くの人がその美しさに目を奪わ…
数の得意な人ほどだまされる―脳の賢いまとめ術 2025/08/30Posted in心理学, 数学, 文献 焼き鳥を頼んだとき、私たちは串刺しにされた肉や野菜を「1本」と数えます。 そこに何個の肉があるのかはあまり意識しません。 あるいは、パールのネックレスを見れば、何十粒もある珠を「ネックレス1本」として捉えるでしょう。…
人間関係の謎――あるいは「好き」と「嫌い」のシャッフルについて 2025/06/11Posted in心理学, 数学, 文献 人間関係というものは、いつもややこしくて、やれやれと思わされることがしばしばです。 例えば、AさんとBさんは親友だけれど、BさんはなぜかCさんをひどく嫌っています。 その一方で、CさんとAさんは顔を合わせれば、穏やか…
数学にも限界がある。不確実な現実 2025/02/22Posted in数学 数学は、どんな問題でも正しいか間違っているかをはっきり決められる学問だと思われてきました。 不確実性の時代にあって、「数学だけは白黒はっきりさせてくれる」と“最後の砦”として位置づけられてきたように思います。 けれど…