2023年おおみそかの日に

いつも言っていることですが「あっという間におおみそか」を迎えてしまいました。 そして、毎年、今日は同じことを書いている気がします。(気がするではなく、きっとそうです。) つまり「このブログを書き始めた記念日」だということ…

査読の世界の裏側

私たちが普段目にする科学論文。 その背後には、専門家による厳しい査読プロセスがあります。 世に出る科学論文が信頼されるのは、この厳しい品質管理があるからです。 しかし、最近の研究によると、この「品質管理」にちょっとした懸…

猫の行動学:フェッチングの研究

ペットを飼っている人にとっては、ごく普通にやっている遊びがありますね。 英語では「fetching」と言うものです。 「fetching(フェッチング)」というのは、飼い主が投げたものをペットが取ってきて、飼い主の手元に…

ストレスについて理解する

今日は動画の紹介です。 スタンフォード大学医学部の神経生物学の准教授であるアンドリュー・ヒューバーマン博士が、ストレス、不安、トラウマに関する洞察を提供する内容です。   https://youtu.be/aMlicEq…

医療分野にける生成AIの可能性

  私たちの生活は、技術の進歩が常に重要な役割を果たしてきました。 そのなかでも、最近、注目を集めているのが「生成AI」と呼ばれる技術です。 この生成AIが医療分野にもたらす影響は、私たちの未来に大きな変革をもたらすもの…

睡眠の質と健康への影響

   夜が深まると、私たちの体は自然と眠りにつきます。 しかし、その睡眠がどのように私たちの健康に影響しているのでしょうか。 最近の研究では、睡眠の質が身体的健康に与える影響について興味深い結果が報告されています。   …

高脂肪食と大動脈:性別の違い

私たちの食生活は、健康に大きな影響を及ぼします。 特に、高脂肪食は、心臓病や糖尿病などのリスクを高めることが知られています。 しかし、最近のある研究は、高脂肪食が大動脈に及ぼす影響について、興味深い発見をしました。 それ…

PPIとCKDリスク:関連性はあるのか?

  胃薬として広く使われるプロトンポンプ阻害剤(PPI)ですが、患者さんからよく質問があるのが「いつまでも飲んでいて良いのか?」ということです。 私は腎臓内科医ですから、例えば、その使用が慢性腎臓病(CKD)のリスクにど…

「ステージフライト」への備え

「ステージフライト」という言葉は、英語の「stage fright」から来ています。 つまり、舞台や人前でのパフォーマンスに対する不安や恐怖を指します。 具体的には、人前で話す、演奏する、演技するなどで緊張し、あがってし…

かゆみと黄色ブドウ球菌

日常の悩みの一つ、「かゆみ」。 多くの人が経験するこの不快な感覚は、実は皮膚の奥深くに隠された科学的な謎を秘めています。 特に、皮膚疾患に悩まされ、かゆみと長年戦ってきた人々にとって、最近の研究成果は希望の光となるかもし…

看護師とペットとの絆

現代社会で、私たちはさまざまな形で心のケアを求めています。 一方で、ペットとの交流は幸福感を高めると言われていますし、実際、多くの人がペットとの時間を過ごしています。 では、このペットとの絆が、特に看護師のような心身とも…

変化を受け入れること

  人間は本能的に安定と予測可能性を求める生き物です。 私たちの脳は、環境の一貫性と予測可能性を好み、安定した環境を生存に有利と解釈します。 しかし、変化はこの安定性を脅かし、未知の領域へと私たちを導くので、不安や恐れを…

言葉の力:だからこそ避けたい言葉

  悲しみの時期にある心のケア、それは繊細な作業です。 私たちが悲嘆にくれる人々を支える際には、言葉一つ一つがその人の心にどのように響くかを深く考える必要があります。 CalderwoodとAlbertonによる研究は、…

鳥のさえずりの効果

現代社会では、都市化が進む中で、私たちの日々の生活環境は大きく変化しています。 都市の喧騒と自然の静寂、この二つの極端な環境が私たちの精神的健康に与える影響について、面白い研究があります。 具体的には、交通騒音と鳥の鳴き…

心からの感謝の実践

  私のブログでも、かつて「感謝日記」をとりあげたこともありますし、それでなくても「感謝」の効用については世の中にたくさんあがっています。 ところが、「感謝の実践」はよく誤解されがちで、その結果、効果が薄れたり、さらには…

腸と脳の対話:腸脳力を高めるグリア・ハブ細胞

私たちの体には、無数の神経細胞があります。 これらは、ほとんどが脳や脊髄といった中枢神経系に集中しています。 しかし、最近はよく耳にするかも知れませんが、私たちの腸にも自分自身の「脳」があります。 そう、腸管神経系です。…

心の水平線を見つめて:自己疑念からの脱却

時には、私たちは自分自身の選択に疑問を感じることがあります。(私などは「いつも」です。) 自己疑念は、私たちが自分自身に設定した健康的な境界線を侵食することがあり、その結果、自己価値感や真の自己を疑うような状態に陥ります…

自己中心の錯覚:スポットライト効果

今日は「スポットライト効果」についてのお話です。 この心理学的現象は、私たちが自分自身の存在や行動について他人がどれだけ気にしているかを過大評価する傾向を指します。 この話題を掘り下げていくと、私たちの自己認識や社会的相…

美容サロンでの心の癒し

  正直に言います。 今日は、普段、私の思考の範疇にないお話をします。   元論文はこちら→ Kawakubo A, Oguchi T. Salon nail care with superficial self-dis…