燃え尽き前のサインを見える化 ― 医師の健康をスマートウォッチで探る 2025/09/10Posted in健康, 医療全般, 文献 医師の仕事は人の命を預かる重責に満ちています。 心身をすり減らした結果、米国では2022年に63%もの医師が燃え尽き症候群(バーンアウト)を経験していると報告されました。 これは単に個人の問題ではなく、医療の安全や質…
飲酒と動脈硬化の関連―血管を傷つける2つのルート 2025/09/09Posted in健康, 医療全般, 文献, 日常 このブログではこれまでもアルコールと健康リスクについて取り上げてきました。 たとえば「赤ワインは体に良いのか」という記事では抗酸化作用の一端を紹介しましたし、別の記事では「少量のアルコールは本当に心臓を守るのか」と問…
もうひと頑張りの体力は、薬指の長さで決まっている? 2025/09/08Posted in健康, 文献, 日常, 物語 ネット上や雑誌で「指の長さの比率」が、時々話題になることがあります。 意外に多くの人がこうした細かな違いに関心を持っているようで、新しい研究結果が紹介されると大きな注目を集めたりします。 進化の仲間であるチンパンジー…
シルクマジックの王:マーコニック ― 驚きを凝縮した瞬間芸の美学 2025/09/07Posted in勝手にマジシャン・シリーズ スポットライトを浴びた舞台の中央で、赤や青、黄色の布が次々と現れては空中に舞い、ふわりと消えていく。 照明の色合いに合わせて布の表情は刻一刻と変わり、まるで光そのものをまとって踊るようです。 音楽のリズムに同調するか…
休日を「意味ある時間」に変えるには ― ゴロゴロするだけが休みじゃない 2025/09/06Posted in心理学, 文献, 日常 休日の朝、二度寝をした末にようやく起きだしても、「今日は何もしない」と休眠モードを決めつける。 ところが、ずっと望んでいた贅沢な時間のはずなのに、太陽が沈み一日が終わるころには、胸の奥には空しさが残ります。 子どもの…
「音楽は友だち」は比喩ではない―音楽が導くメンタルイメージ 2025/09/05Posted in心理学, 文献, 音楽 音楽を聴くと、なぜか風景が思い浮かんだり、昔の記憶が呼び起こされたりします。 気分転換にイヤホンをすると、ひとりきりで歩いていても、誰かと一緒にいるような感覚が芽生えることがあります。 COVID-19の流行期、多く…
『終わった人』のその先に ― 退職と健康をめぐる男女の違い 2025/09/04Posted in健康, 心理学, 文献, 日常 定年退職した男が、生きがいを失い「終わった人」になってしまう。 原作は内館牧子さんの同名小説で、舘ひろしさんが主演した2018年公開の映画『終わった人』では、そんな悲哀がコミカルに描かれていました。 実際、会社を辞め…
内的モデルの科学 ― あなたの見える「普通」は、誰かの「普通」じゃない 2025/09/03Posted in文献, 生物, 科学 犯罪捜査の世界で、こんな話があります。 コンピュータで作られたモンタージュ写真よりも、訓練を受けた技術者が描いた似顔絵のほうが、犯人の検挙につながるケースが多いというのです。 ソフトウェアは目や鼻を組み合わせることは…
朝のコーヒーは、なぜ特別なのか? ―カフェインと気分の仕組み 2025/09/02Posted in心理学, 文献, 日常, 神経科学 朝のコーヒーを飲まないと一日が始まらない―そう感じる人は少なくありません。 私自身もその一人で、「コーヒー中毒」と言われても、あえて否定はしません。 紅茶やエナジードリンクであっても事情は同じです。 カフェインが脳に…
ラーメンのスープを飲み干す前に知っておきたい―健康リスクとハザード比 2025/09/01Posted in健康, 文献, 日常 「まずスープを一口、それから麺に敬意を払うように啜り、合間にチャーシューを沈める。」 伊丹十三監督の映画『たんぽぽ』で、ラーメンの達人が説いたあの流儀は、もはやひとつの儀式に昇華されたものでした。 あの映画は、一杯の…
老化を遅らせる薬?―健康寿命を延ばす科学の最前線 2025/08/31Posted in健康, 医療全般, 文献 年齢を重ねると、体のあちこちに違和感が出てきます。 若い頃と違い、朝起きると背中や腰がこわばっている。 先輩たちが口にしていた「これが歳をとることか」という実感が、じわじわと自分にも訪れてきます。 「老化」は単なる年…
数の得意な人ほどだまされる―脳の賢いまとめ術 2025/08/30Posted in心理学, 数学, 文献 焼き鳥を頼んだとき、私たちは串刺しにされた肉や野菜を「1本」と数えます。 そこに何個の肉があるのかはあまり意識しません。 あるいは、パールのネックレスを見れば、何十粒もある珠を「ネックレス1本」として捉えるでしょう。…
ウソを知り、ウソに強くなる—ワクチンのニセ情報と心の予防接種 2025/08/29Posted in心理学, 文献, 日常 映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』では、実在の詐欺師が最終的にFBIの金融詐欺部門のコンサルタントとして働く姿が描かれていました。 ウソと戦う最善の方法は、ウソのつき方を知ることかもしれないという逆説的な発想…
ビートルズ:恋をするなら―12弦の音色とハリスンの自信 2025/08/28Posted inビートルズ, 音楽 私のギター教室の最近の課題曲は、ビートルズの「If I Needed Someone」(邦題:恋をするなら)です。 講師の先生が所有する12弦ギターのリッケンバッカー360/12を弾かせてもらえる贅沢もあって、その独…
脱水時の扇風機はリスクになる―水分で変わる体への影響 2025/08/27Posted in健康, 文献, 日常 真夏の暑さは、ただ不快なだけではありません。熱中症になれば命に関わることもあります。 エアコンがない家や、エアコンが苦手な人にとって頼りになるのが扇風機ですが、条件によっては逆効果になることもあります。 特に体が水分…
採血結果に表れない健康な脂質代謝―運動がもたらす体の変化 2025/08/26Posted in健康, 医療全般, 文献 健康のために運動を心がけている人は多いでしょう。 医療の現場でも、体重やコレステロール値を改善するために運動をすすめるのは日常的なことです。 しかし、努力を重ねても血液検査の結果に大きな変化が見られないと、患者も医療…
汗は正直なのだ。科学的な意味でも 2025/08/25Posted in健康, 医療全般, 文献, 科学 自分の健康状態を知るために、血液を採られるのはどうにも気が進まないものです。 それなりの医療機関に行かなければならないですし、注射針は痛いし、年に1度の健康診断ぐらいでいいやという感じですね。 そこで科学者たちは、も…
マングローブ発・耐熱サンゴ作戦―気候変動時代のサンゴ礁再生 2025/08/24Posted in文献, 自然環境 サンゴ礁は地球温暖化による海水温の上昇や酸性化、酸素濃度低下など、複合的な環境変化にさらされ、生き残りの危機に直面しています。 近年では、熱耐性を持つサンゴを利用して礁全体の回復力を高める「積極的な復元戦略」が注目さ…
鳥インフルエンザ流行抑制のための3つの提言―ワンヘルスで守る未来 2025/08/23Posted in医療全般, 文献 風邪をひくと、たいていは数日で治ります。 しかし世の中には、COVID-19で散々思い知らされたように、素性の知れないウイルスというものが存在します。 高病原性鳥インフルエンザ、H5N1型もそのひとつです。名前の通り…
脳は「私」の輪郭をミリ単位で知っている、でも時々「平均的な誰か」と間違える 2025/08/22Posted in文献, 科学 自分の身体がどこで終わり、世界がどこから始まるのか。 ソファーで深くくつろいでいると、自分とソファーの境界が曖昧になるような感覚を覚えることがあります。 この哲学問答のようなテーマに、シェフィールド大学の研究チームが…
健康状態を見える化するコンパス―腹膜透析患者の健康指標 2025/08/21Posted in健康, 文献, 透析関連 人生がもしポイントカード制だとしたら、一体どれくらいのポイントが貯まっているのか。 良い行いをすれば加点、そうでなければ減点。 そんな単純な話なら計算も楽なのですが、現実はもう少し複雑です。 特に、健康に関しては、そ…
腎性貧血が脳に及ぼす影響―透析患者のヘモグロビンと認知力 2025/08/20Posted in医療全般, 文献, 透析関連 透析が必要になるような慢性腎臓病の患者さんは、貧血になりやすいのですが、それはなぜでしょうか。 原因のひとつが腎性貧血です。 腎性貧血は、腎臓で産生される「エリスロポエチン」という赤血球製造の司令官のようなホルモンが…
アルツハイマー病リスクを減らす―ウォーキングと食生活の影響 2025/08/19Posted in健康, 文献, 神経科学 「最近、物忘れが増えた気がする…年のせいかな?」 そんな話をした翌日、スーパーで同じ商品を3回カゴに入れていたら、本人は笑うどころじゃありません。 その瞬間、頭の中でサスペンスBGMが流れ出し、「これって大丈夫?」と…
腎生検なしでIgA腎症を診断できないか―インド研究の挑戦 2025/08/18Posted in文献, 腎臓のこと IgA腎症は、腎臓の糸球体にIgAという抗体が沈着して起こる、比較的よく見られる腎疾患です。 確定診断には腎生検が必要ですが、この検査は入院や体への負担が避けられません。 採血だけで診断や予後の見通しが立てられれば、…
太陽光発電とヒートアイランド現象―昼の光、夜の熱 2025/08/17Posted in文献, 科学, 自然環境 クリーンなエネルギーの象徴として、太陽光発電は世界各地で設置面積を広げています。 屋根の上から広大な砂漠まで、整然と並んだパネル群は、その風景を異世界めいた空気に包み込みます。 しかし、「ひとつ手を打てば、別の所でし…