子どもを傷つける親の嘲笑―「いじめ」の引き金 2025/07/22Posted in文献 自分の子どものことをどれほど理解しているのか。 2014年に公開された映画『渇き。』では、元刑事の父親が失踪した娘を探す中で、彼女が全く別の顔を持っていたという衝撃的な事実に直面します。 成績優秀で天使のように見えた…
痛風と慢性腎臓病―少しずつ、慎重に 2025/07/21Posted in健康, 医療全般, 文献 「風が吹いても痛い」から痛風。 なんとも詩的な病名ですが、経験者にとっては悪夢以外の何物でもありません。 特に慢性腎臓病(CKD)の患者さんにとっては、痛風は厄介な日常の難題です。 痛風は尿酸の結晶が関節に沈着し、激…
イギリスに学ぶ終末期医療―慎重さの光と影 2025/07/20Posted in医療全般, 文献 高齢化が進むにつれて、「人生の終盤にどれほどの治療を受けるべきか」という問題は重要です。 特に米国では(日本でも)、高齢者や認知症の進んだ方に対しても、積極的に人工呼吸器や集中治療室(ICU)での高度医療が行われる傾…
点滴対決の決着―生理食塩水vs乳酸リンゲル液 2025/07/19Posted in医療全般, 文献 この季節ですから、熱中症が疑われたり、脱水症と診断される方が多くなっています。 案内された処置室のベッドに横たわると、まず腕に針を刺される。点滴です。 あの透明な袋の中身が何かなんて、患者さんはほとんど気にしていない…
Simple is Best―音楽療法のデバイス選び 2025/07/18Posted in心理学, 文献, 音楽 どんな音楽を聞こうか。普通は曲そのものに意識が向きます。 ラジオでもスマートフォンでも、音楽を聴く手段にそれほど違いがあるとは思えないかもしれませんが、実はそう単純な話でもないようです。 英国レディング大学の研究…
氷を育てる塩、氷を溶かす塩 2025/07/17Posted in文献, 自然環境 元アメリカ副大統領ゴア氏が出演したドキュメンタリー映画『不都合な真実』(2006年)で、南極の巨大な氷の塊が轟音とともに崩れ落ちるシーンは、地球温暖化の象徴として、私たちの脳裏に深く刻まれました。 ですから、「南極の…
食直後10分のウォーキングが血糖値を下げる―短くても侮れない効果 2025/07/16Posted in健康, 医療全般, 文献 食後の血糖コントロールには運動が効果的だという話は、もはや定番です。 特に食後に30分歩くのが理想とされていますが、いざ実行するとなると、ちょっと気が重いと感じる人も多いでしょう。 実際、食後に30分も歩き続けるとい…
机上のAI、現場の人間 ―「やってみなくちゃわからない」 2025/07/15Posted inAI, 文献, 日常 人工知能(AI)が研究のアイデアまで出す時代になりました。小説を書き、絵を描き、ついには科学の世界にまで進出してきています。 これまでの研究では、大規模言語モデル(LLM)が生み出した研究アイデアが、人間の専門家が考…
変わる心肺蘇生―ひとつの正解では、もう足りない 2025/07/14Posted in医療全般, 文献 私が研修医なりたての頃に習った心肺蘇生法は、今とは少し違いました。当時は「心臓マッサージ30回、人工呼吸2回」が黄金律として教えられていました。 しかし現在は、「とにかく胸を押せ。人工呼吸は無理にしなくていい」という…
汗をかけばいいわけじゃない―ゆるい運動と心のほどよい関係 2025/07/13Posted in健康, 心理学, 文献 運動が体に良い。これはまあ、自明の理でしょう。 では、心の健康についてはどうでしょうか。 私などは昭和の人間ですから、イヤなことがあったりムシャクシャしたりするとガムシャラに汗を流して、気分を晴らそうとする派です。 …
なぜ私たちは、見知らぬ誰かの不幸をクリックするのか 2025/07/12Posted in心理学, 文献 ネットニュースで流れてくる悲惨な事件の記事を、ついクリックしてしまう。 遠い国の戦争や自然災害、映画や小説に描かれる悲劇に、私たちはなぜ心を奪われるのでしょうか。 自分とは何の関係もない、見知らぬ誰かの苦しみ。 それ…
だから、年をとってから楽器をやる 2025/07/11Posted in健康, 文献, 神経科学, 音楽 歳を重ねてから何か新しいことに手を出すというのは、なかなか骨が折れるものです。 特に音楽なんかは若いうちに始めなければ遅い、なんて言われますが、本当にそうでしょうか。 2016年公開の映画『オケ老人!』では、若い…
足跡は語る―動物たちのグレートジャーニー 2025/07/10Posted in文献, 生物, 自然環境 2001年に公開されたフランスのドキュメンタリー映画『WATARIDORI』(Le Peuple Migrateur)は、渡り鳥の視点そのものになって、彼らの長大な旅を追体験させてくれます。 スタッフは鳥たちを雛の時…
誰もいないのに誰かを感じる―気配の心理学 2025/07/09Posted in心理学, 文献 2001年に公開された映画『アザーズ』は、観る者の静かな恐怖をかき立てる作品です。 第二次世界大戦後のイギリス、人里離れた大きな屋敷で、ニコール・キッドマン演じる母親グレースが暮らしています。 屋敷には光に過敏な病気…
悪用されたら?―かくしてAIは嘘をつく 2025/07/08Posted inAI, 健康, 文献 2008年に公開された『イーグル・アイ』という映画があります。 ある日突然、見知らぬ女性から携帯電話に届く不可解な指示。それに逆らえば、自分や家族の命が危ない。 主人公たちは、姿なき脅迫者に駒のように使われ、街中を奔…
怖いもの見たさは本能だった?―不安と注意の関係 2025/07/07Posted in心理学, 文献 映画『NOPE/ノープ』(2022年)では、空に潜む謎の飛行物体が、直接視線を向けた者を襲うという設定があります。 主人公のOJはその存在が危険だと理解していながらも、ついつい空を見上げ、その不気味な存在から目を逸ら…
他人が痛がるのをなぜ笑ってしまうのか―シャーデンフロイデの科学 2025/07/06Posted in心理学, 文献, 日常 ジャン=ジャック・アノー監督の映画『人類創世』に印象的なシーンがあります。 この映画は、人類がまだ原始的な生活を送っていた時代をコミカルに描いた作品で、言葉のない世界で人間の本能や行動をユーモラスに表現しました。 そ…
アミロイド仮説の32年―アルツハイマー病研究のゆくえ 2025/07/05Posted in文献, 神経科学 1992年、アルツハイマー病の研究に「アミロイドカスケード仮説」という考えが登場しました。 なんとも分かりやすくて、一見すると納得できそうな仮説でした。 曰く、「アミロイドβとかいう小さなペプチドが脳内で悪さをして、…
30年研究の意外な発見―糖尿病予備軍という概念が変わる? 2025/07/04Posted in医療全般, 文献 大人になると、職場の健診や自治体の健康診断などで、毎年血糖値をチェックする機会が訪れます。 自分の血糖値が基準値上限に近づくのを見て、「まだ糖尿病じゃないから」と安心したり、それでも不安になって生活を改めたり。 これ…
降圧薬は止めなくていいかも?透析低血圧の新たな視点 2025/07/03Posted in文献, 透析関連 人生の多くのことは、バランスの上に成り立っています。 医学の世界もまた、この繊細な均衡と無関係ではいられません。 血液透析を受けている患者さんにとって、血圧の管理は特に難しい問題です。 血圧が高すぎれば当然問題で…
TRE(時間制限食)は心身の健康にどう影響するのか? 2025/07/02Posted in健康, 文献, 日常 以前、私のブログでも「時間制限食(TRE)」について取り上げたことがあります。 そのとき紹介したのは、スペインのグラナダ大学のジョナタン・ルイス博士らが行った研究で、TREが体重管理に効果的であることを示しました。 …
座って立ち上がるテスト―これが健康チェックになる 2025/07/01Posted in健康, 文献 「体力測定」というと、中学生、いや高校生の時までは学校行事としてあった気がします。 けれども、大人になってからは健診はあっても、体力測定などはほぼ自覚症状に上塗りされた自己申告にとどまるものです。 しかも、当時のイメ…
読書は孤独を癒すのだ 2025/06/30Posted in心理学, 文献, 読書 現代社会では、孤独は一種の「流行り病」のようです。 アメリカのデータでは、平均的な友人の数は3人以下といわれており、世界保健機関(WHO)によれば、高齢者の約25%が社会的に孤立し、10代の若者の5~15%が孤独を感…
四季をめぐるネズミの「おしゃべり」―声でつながる社会の仕組み 2025/06/29Posted in文献, 生物, 自然環境 私がイメージするネズミのコミュニティと言えば、なんといっても名作アニメ『ガンバの冒険』です。 ガンバとその仲間たちは困難を乗り越えながら、力を合わせて冒険を繰り広げていきます。 そこには、実験室のケージを回る小さなネ…
見た目よりも大切? 細胞時計が示す本当の老化 2025/06/28Posted in健康, 医療全般, 文献 外見で年齢がわからない、そんな人に出会うことがあります。 若々しく見えるのならまだしも、逆の場合にはちょっとしたショックもありますね。 しかし、本当の年齢、つまり私たちの体の中の細胞レベルの年齢を知ることができたらど…