以前、私のブログでも「時間制限食(TRE)」について取り上げたことがあります。
そのとき紹介したのは、スペインのグラナダ大学のジョナタン・ルイス博士らが行った研究で、TREが体重管理に効果的であることを示しました。
その記事はこちら→「8時間ダイエット―好きなものを諦めなくてもいい?」
今回は、同じ研究者グループがさらに踏み込んで行った新しい研究をご紹介します。
前回の研究では、TREが体重管理に有効だと明らかになりましたが、「食事の時間帯そのもの」は睡眠や気分にも影響を与えるのか、その点はまだよく分かっていませんでした。
空腹が強くなりすぎたり、睡眠不足になると続けにくく、日常生活にも支障をきたしてしまいます。
そこで研究者たちは新たに、食事時間が睡眠や気分、生活の質に実際にどのような影響を与えるのかを調べることにしました。
今回の研究では、体重過多または肥満の30〜60歳の男女197人を対象に、食事時間を1日8時間に限定し、残りの16時間を断食するという方法で調査を行いました。
参加者は次の4つのグループに分けられました。
* 通常ケア群:地中海式の健康的な食事法を学びつつ、食事時間は12時間以上自由に取る。
* 朝型TRE群:午前10時までに食事を開始し、8時間以内に終了。
* 昼型TRE群:午後1時以降に食事を開始し、8時間以内に終了。
* 自由型TRE群:参加者が自由に8時間の食事時間を設定。
12週間後に評価した結果、睡眠、気分、生活の質に関しては、どのTREグループも通常ケア群と比べ大きな差はありませんでした。
具体的には、睡眠時間の差は平均でわずか12分ほどであり、抑うつや不安、ストレスといった心理的指標にも目立った変化は見られませんでした。
生活の質を示す一般健康スコアにも差はありませんでした。
ただし、昼型TRE群は「朝食抜き」となり、朝の集中力低下や栄養バランスの崩れなどの懸念がありました。
また、朝型TRE群は夜間の空腹感が強くなる可能性がありましたが、今回の研究では睡眠や気分への悪影響は見られませんでした。
いずれも日常のパフォーマンスや長期的な健康への影響については調査されておらず、今後さらに詳しい研究が必要です。
今回の研究から分かったことは、TREは体重管理には役立ちますが、睡眠や気分、生活の質には特別な影響がないということです。
自分の生活リズムや健康状態に合った方法を選び、日常生活を快適に保つことが一番重要でしょう。
万人に共通する完璧な食事法はありませんが、食事時間を少し変えただけで日常が大きく揺らぐことはなさそうです。
自分に合った方法を気楽に見つけ、長く続けていくことが大切なのかもしれません。
参考文献:
Clavero-Jimeno A, Dote-Montero M, Migueles JH, et al. Time-Restricted Eating and Sleep, Mood, and Quality of Life in Adults With Overweight or Obesity: A Secondary Analysis of a Randomized Clinical Trial. JAMA Netw Open. 2025;8(6):e2517268. Published 2025 Jun 2. doi:10.1001/jamanetworkopen.2025.17268

紹介した論文の音声概要を、NotebookLMでポッドキャスト化してみました。あわせてお楽しみください。
