風邪に、亜鉛はどこまで効くのか―急性ウイルス性呼吸器感染症の予防と治療をめぐる検討

風邪に、亜鉛はどこまで効くのか―急性ウイルス性呼吸器感染症の予防と治療をめぐる検討

  幼いころ、夏風邪で高い熱を出して寝込んだことがあります。 そんなとき、オバアがカチューユをつくってくれました。 どんぶりに削り節と味噌を入れ、湯を注ぐだけの、ごく簡素な汁物です。 沖縄では、風邪のときの家庭の手当てと…
その靴は、誰を基準に作られているのか―女性ランナー21人が語った「合わない靴」の理由

その靴は、誰を基準に作られているのか―女性ランナー21人が語った「合わない靴」の理由

  ひもの結び方を変えても、同じ場所が痛くなる。 かかとを固定しようとすると、つま先が圧迫される。 ゆとりを持たせるとかかとが浮く。   何足替えても、同じことが起こります。 なぜ自分の足には、ちょうどよく合う靴がないの…
なぜ皮肉がわかると、人は安心するのか―ブラックユーモアと不安の関係を調べた心理実験

なぜ皮肉がわかると、人は安心するのか―ブラックユーモアと不安の関係を調べた心理実験

  宴席でブラックジョークを口にした瞬間、場の空気が変わったことがあります。 笑った人と、表情を固めた人が、同じテーブルにいました。 笑えなかった側は「センスがない」と思われたかもしれません。 笑った側は「空気が読めない…
くり返さない秩序は、結晶と呼べるのか― 博物館の箱から始まった、宇宙46億年のミステリー

くり返さない秩序は、結晶と呼べるのか― 博物館の箱から始まった、宇宙46億年のミステリー

  ある日、イタリアの博物館の地下で、一つの箱が開けられました。 その箱には、古い岩石のかけらがいくつか入っていました。特別な展示品でもなく、ただの鉱物標本として保管されていたものです。   ところが、その小さな粒を顕微…
孤独になると、なぜ人は過去を思い出すのか ―ノスタルジア研究が見つめた「切れない構造」

孤独になると、なぜ人は過去を思い出すのか ―ノスタルジア研究が見つめた「切れない構造」

  三月になりました。 街を歩いていると、ふいに花束を抱えた人の姿が目に入りました。 晴れやかな表情。写真を撮る家族。 卒業式の帰りなのでしょう。 その光景を見ていると、自分のあの頃を思い出します。 教室の空気。友だちの…
宇宙は乱れていく。それでも、なぜ複雑になるのか―機能的情報という考え方から見る宇宙の進化

宇宙は乱れていく。それでも、なぜ複雑になるのか―機能的情報という考え方から見る宇宙の進化

  朝、台所でお湯をわかします。 やがて気泡が立ち、蒸気がのぼる。 放っておけば、熱は部屋に広がり、やがて冷めていきます。 これがエントロピー増大、すなわち第二法則の世界です。 秩序はほどけ、差はならされ、全体は均されて…
動ける人と、動けなくなる人のあいだ―7つのがん種・1万7141人を10年以上追跡した診断後運動とがん死亡

動ける人と、動けなくなる人のあいだ―7つのがん種・1万7141人を10年以上追跡した診断後運動とがん死亡

  がんと診断されたとき、多くの人はまず「安静にしなければ」と感じます。 体は治療の副作用で消耗し、気力も落ちています。 周囲も「無理しないで」と言います。 運動どころか、日常の買い物や散歩さえためらう人は少なくありませ…
食べる回数は、体を変えるのか―3食か、こまめに分けるか。研究が見た「空腹」とのつきあい方

食べる回数は、体を変えるのか―3食か、こまめに分けるか。研究が見た「空腹」とのつきあい方

  昼前になると、少しそわそわします。 お腹が鳴る。集中力が落ちる。イライラする。 私たちはその感覚を「よくないもの」だと思いがちです。 だから、なるべく空腹にならないように食べます。 3食きちんと。あるいは2時間おきに…
脳は、いつ変わるのだろう―12万人のデータが教えてくれた、更年期とホルモン治療の話

脳は、いつ変わるのだろう―12万人のデータが教えてくれた、更年期とホルモン治療の話

  外来で更年期を迎えた女性の話を聞いていると、「最近、自分が自分でない気がする」と言われることがあります。 理由がはっきりしない不安。 急に落ち込む気持ち。 夜中に目が覚めてしまい、そのまま眠れないこともあります。 検…
1日2~3杯のコーヒーが記憶を未来に届けてくれる―13万人・43年追跡が測った認知症リスク

1日2~3杯のコーヒーが記憶を未来に届けてくれる―13万人・43年追跡が測った認知症リスク

  正直な話、世の中、コーヒー擁護の論文が多すぎる気がしています。   心臓にいい、糖尿病にいい、肝臓にいい、うつにいい、死亡率を下げる―そして今度は「認知症」が対象です。   いつものことですが、半分ジョークでこう言い…
認知症は脳だけの病気ではなかった―日本データが示した「難聴」という最大リスクと14の修正可能因子

認知症は脳だけの病気ではなかった―日本データが示した「難聴」という最大リスクと14の修正可能因子

  日本では今、認知症はごく一部の人の問題ではなくなりました。 高齢者のあいだでは主要な健康課題のひとつであり、医療や介護だけでなく、社会保障や地域のあり方そのものに影響を与えています。 長寿は歓迎すべきことですが、その…
傷は、どこで最初に気づかれるのか―マクロファージ核が読み取る“形”の変化と即時血管応答

傷は、どこで最初に気づかれるのか―マクロファージ核が読み取る“形”の変化と即時血管応答

  「そこ、耳の後ろ、少し血が出てるよ」   そう言われて、はじめて触れてみる。 自分ではまったく気づいていなかったのに、指先にわずかな湿り気が残る。 痛みは、そのあとから追いついてくる。 異変は、自覚よりも先に、どこか…