「1万歩神話」の終焉?―健康最適歩数は目標7000歩 2025/09/16Posted in健康, 医療全般, 文献 母と話すとき、歩数計のことをつい「万歩計」と呼んでしまいます。 紙おむつをパンパース、保存容器をタッパーと言うのと同じように、商標名が一般名称のように定着してしまった一例です。 「万歩計」は1965年、東京オリンピッ…
便潜血検査と1年後の死亡率―見逃せないサインをどう活かすか 2025/09/15Posted in健康, 医療全般, 文献 健康診断や検診で使われる便潜血検査は、大腸がんの早期発見に役立つことで知られています。 実際、日本の健診で「大腸がん検査」といわれるのは、便潜血二日法と呼ばれる方式です。 ところが、イギリス・ノッティンガムで行われた…
腎機能と感染症リスク―見えにくい関係を解き明かす 2025/09/12Posted in医療全般, 文献, 腎臓のこと 慢性腎臓病と聞くと、多くの人は透析や心臓病などとの関連を思い浮かべるかもしれません。 しかし実際には、感染症もまた腎臓病患者にとって深刻な脅威となっています。 米国や欧州のデータでは、慢性腎臓病の患者のおよそ4分の1…
フライドポテトは糖尿病リスクを高める―長期研究から見えた食べ方の選択 2025/09/11Posted in健康, 医療全般, 文献 日常の食卓に登場するじゃがいもは、私たちにとって身近な食材です。 ビタミンCやカリウムを含む一方で糖質が多く、健康への影響は長年議論されてきました。 今回、アメリカの看護師健康調査や医療従事者追跡調査といった40年に…
燃え尽き前のサインを見える化 ― 医師の健康をスマートウォッチで探る 2025/09/10Posted in健康, 医療全般, 文献 医師の仕事は人の命を預かる重責に満ちています。 心身をすり減らした結果、米国では2022年に63%もの医師が燃え尽き症候群(バーンアウト)を経験していると報告されました。 これは単に個人の問題ではなく、医療の安全や質…
飲酒と動脈硬化の関連―血管を傷つける2つのルート 2025/09/09Posted in健康, 医療全般, 文献, 日常 このブログではこれまでもアルコールと健康リスクについて取り上げてきました。 たとえば「赤ワインは体に良いのか」という記事では抗酸化作用の一端を紹介しましたし、別の記事では「少量のアルコールは本当に心臓を守るのか」と問…
老化を遅らせる薬?―健康寿命を延ばす科学の最前線 2025/08/31Posted in健康, 医療全般, 文献 年齢を重ねると、体のあちこちに違和感が出てきます。 若い頃と違い、朝起きると背中や腰がこわばっている。 先輩たちが口にしていた「これが歳をとることか」という実感が、じわじわと自分にも訪れてきます。 「老化」は単なる年…
採血結果に表れない健康な脂質代謝―運動がもたらす体の変化 2025/08/26Posted in健康, 医療全般, 文献 健康のために運動を心がけている人は多いでしょう。 医療の現場でも、体重やコレステロール値を改善するために運動をすすめるのは日常的なことです。 しかし、努力を重ねても血液検査の結果に大きな変化が見られないと、患者も医療…
汗は正直なのだ。科学的な意味でも 2025/08/25Posted in健康, 医療全般, 文献, 科学 自分の健康状態を知るために、血液を採られるのはどうにも気が進まないものです。 それなりの医療機関に行かなければならないですし、注射針は痛いし、年に1度の健康診断ぐらいでいいやという感じですね。 そこで科学者たちは、も…
鳥インフルエンザ流行抑制のための3つの提言―ワンヘルスで守る未来 2025/08/23Posted in医療全般, 文献 風邪をひくと、たいていは数日で治ります。 しかし世の中には、COVID-19で散々思い知らされたように、素性の知れないウイルスというものが存在します。 高病原性鳥インフルエンザ、H5N1型もそのひとつです。名前の通り…
腎性貧血が脳に及ぼす影響―透析患者のヘモグロビンと認知力 2025/08/20Posted in医療全般, 文献, 透析関連 透析が必要になるような慢性腎臓病の患者さんは、貧血になりやすいのですが、それはなぜでしょうか。 原因のひとつが腎性貧血です。 腎性貧血は、腎臓で産生される「エリスロポエチン」という赤血球製造の司令官のようなホルモンが…
病院食は本当に健康的?—ドイツの研究から見えた課題 2025/08/12Posted in健康, 医療全般, 文献 病院食、と聞くと、健康には良いけれども、薄味で、お世辞にも食欲をそそるとは言えない、そんなイメージが浮かびます。 なんといっても「治療食」ですから、栄養バランスが考え抜かれているに違いない。 多くの人がそう信じている…
口唇ヘルペスがアルツハイマー病のリスクを高める?―意外なウイルスの素顔 2025/08/08Posted in医療全般, 文献, 神経科学 唇の端にできる、小さな水ぶくれ。 多くの人が、単に「ヘルペス」と呼びますが、正式には「口唇ヘルペス」、原因は単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)の仕業です。 厄介ですが、たいていは数日で治まるため、それほど深刻に考…
身近に潜む砂糖依存—脳の仕組みと健康リスク 2025/08/04Posted in健康, 医療全般, 心理学, 文献 仕事で疲れた帰り道、ふとコンビニに立ち寄り、甘いものに手が伸びる。 ケーキやチョコレートに惹かれ、気づけばお菓子が止まらなくなっている。 この日常的な一場面は、脳が仕掛けた「甘い罠」の始まりかもしれません。 20…
熱中症と認知症リスク—暑さが脳に及ぼす長期的影響 2025/08/03Posted in健康, 医療全般, 文献, 神経科学 2002年公開の映画『ジェリー』で、ガス・ヴァン・サント監督は、ただひたすら砂漠をさまよう二人の若者の姿を描いています。 どちらも名前は「ジェリー」。特別なストーリーはなく、乾いた大地を延々と歩き続ける二人の姿と、と…
週末の「まとめ運動」のすすめ―糖尿病患者に役立つ柔軟な運動戦略 2025/08/01Posted in健康, 医療全般, 文献 平日の仕事が終われば、ソファに寝転がって配信動画を眺めるだけ。 そんな生活を続けていると、やはり健康のことが気になるものです。 糖尿病の方にとっては特に、運動の大切さはわかっていても、なかなか平日に時間を確保すること…
AIを使う医師は低評価?—患者心理のギャップ 2025/07/29Posted inAI, 医療全般, 文献 最近、医療の世界でも人工知能(AI)の活用が急速に進んでいます。 診断から治療計画の立案、さらには事務的な処理まで、その用途は実に多彩です。 そこで医師が、例えば「当院ではAI(人工知能)を導入しています」と宣言した…
痛風と慢性腎臓病―少しずつ、慎重に 2025/07/21Posted in健康, 医療全般, 文献 「風が吹いても痛い」から痛風。 なんとも詩的な病名ですが、経験者にとっては悪夢以外の何物でもありません。 特に慢性腎臓病(CKD)の患者さんにとっては、痛風は厄介な日常の難題です。 痛風は尿酸の結晶が関節に沈着し、激…
イギリスに学ぶ終末期医療―慎重さの光と影 2025/07/20Posted in医療全般, 文献 高齢化が進むにつれて、「人生の終盤にどれほどの治療を受けるべきか」という問題は重要です。 特に米国では(日本でも)、高齢者や認知症の進んだ方に対しても、積極的に人工呼吸器や集中治療室(ICU)での高度医療が行われる傾…
点滴対決の決着―生理食塩水vs乳酸リンゲル液 2025/07/19Posted in医療全般, 文献 この季節ですから、熱中症が疑われたり、脱水症と診断される方が多くなっています。 案内された処置室のベッドに横たわると、まず腕に針を刺される。点滴です。 あの透明な袋の中身が何かなんて、患者さんはほとんど気にしていない…
食直後10分のウォーキングが血糖値を下げる―短くても侮れない効果 2025/07/16Posted in健康, 医療全般, 文献 食後の血糖コントロールには運動が効果的だという話は、もはや定番です。 特に食後に30分歩くのが理想とされていますが、いざ実行するとなると、ちょっと気が重いと感じる人も多いでしょう。 実際、食後に30分も歩き続けるとい…
変わる心肺蘇生―ひとつの正解では、もう足りない 2025/07/14Posted in医療全般, 文献 私が研修医なりたての頃に習った心肺蘇生法は、今とは少し違いました。当時は「心臓マッサージ30回、人工呼吸2回」が黄金律として教えられていました。 しかし現在は、「とにかく胸を押せ。人工呼吸は無理にしなくていい」という…
30年研究の意外な発見―糖尿病予備軍という概念が変わる? 2025/07/04Posted in医療全般, 文献 大人になると、職場の健診や自治体の健康診断などで、毎年血糖値をチェックする機会が訪れます。 自分の血糖値が基準値上限に近づくのを見て、「まだ糖尿病じゃないから」と安心したり、それでも不安になって生活を改めたり。 これ…
見た目よりも大切? 細胞時計が示す本当の老化 2025/06/28Posted in健康, 医療全般, 文献 外見で年齢がわからない、そんな人に出会うことがあります。 若々しく見えるのならまだしも、逆の場合にはちょっとしたショックもありますね。 しかし、本当の年齢、つまり私たちの体の中の細胞レベルの年齢を知ることができたらど…
ただの不眠対策ではない?アルツハイマー病を予防? 2025/06/21Posted in医療全般, 文献, 神経科学 「前の先生は睡眠薬をすぐに出してくれたのに。」 私は外来でこう言われることがあります。 多くの医師は不眠の訴えに対して睡眠薬を比較的すぐに処方するかもしれませんが、私はできる限りそれを避けています。 特に高齢者の場合…