AIに頼りすぎた医師は腕が鈍るのか? 2025/10/10Posted inAI, 医療全般, 文献 先日、外来で診察の合間に胸部レントゲン写真の異常個所を「画像診断用AIアシスタント」が指摘してくれました。 見落としがちな影を瞬時にマークしてくれるのはありがたいのですが、同時に「自分の観察力が少しずつ鈍っているので…
人とのつながりが体内時計を巻き戻す?―社会性が老化を遅らせる 2025/10/08Posted in健康, 医療全般, 文献, 日常 テレビで見る明石家さんまさんや所ジョージさんの姿を思い浮かべると、年齢を重ねてもなお若々しく第一線で活躍し続けていることに驚かされます。 お二人の明るい人柄や幅広い人間関係は、単なる芸風ではなく、健康や活力の源なので…
運動療法が腎臓病患者に届かない理由―ヨーロッパの現場から見えた構造的な壁 2025/10/07Posted in健康, 医療全般, 文献, 腎臓のこと 私が外来で患者さんに「運動していますか」と尋ねると、多くの方が「運動した方がいいのは分かっているけど…」と歯切れが悪い返事をされます。 今年の夏は特に暑かったというのもありますが、忙しさや体調の波に加えて、誰かが一緒…
マグネシウムが血圧を下げる?―最新メタ解析が示す可能性 2025/10/06Posted in健康, 医療全般, 文献 外来で患者さんと話をしていると、「血圧が少し高いと言われて心配になった」という声をよく耳にします。 普段から生活習慣に気をつけていても、血圧は日によって上下しやすく、数字に不安を覚える方は少なくありません。 医師とし…
ビタミンAは多すぎても少なすぎても危険?―がんリスクと「ちょうどいい」量の科学 2025/10/04Posted in健康, 医療全般, 文献 外来で患者さんと話していると、「先生、ビタミン剤って飲んだほうがいいですか?」と尋ねられることがあります。 健康のために積極的に摂りたい気持ちはよくわかりますが、サプリメントの世界は単純に「多ければ多いほどよい」とは…
ダイエットのリバウンド問題―過剰なサポートも逆効果? 2025/10/02Posted in健康, 医療全般, 文献 体重減少を維持することの難しさを、日々の診療でも実感しています。 初めの数か月で大きく減量できても、その後少しずつリバウンドしてしまう患者さんは少なくありません。 今回紹介する研究は、そんな課題に挑んだもので、電話に…
低用量アスピリンが大腸がん再発を防ぐ?―新しい治療の可能性 2025/10/01Posted in医療全般, 文献 私のクリニックでは、血液をサラサラにする目的で、毎日アスピリンを飲んでいる患者さんが多くいらっしゃいます。 解熱鎮痛剤としても古くから使われており、私たちにとって最も身近な薬の一つです。 そのアスピリンが、がんの治療…
「効かない薬」の処方箋―医師の胸の内を映す“プラセボ” 2025/09/29Posted in医療全般, 文献 「先生、抗生物質を出してください。」 風邪で来院された患者さんから、時々こう頼まれることがあります。 ウイルス性の風邪に抗生物質は効かないと説明しつつも、「何か薬が欲しい」という切実な思いとの間で、医師として頭を抱え…
人生100年は幻想? ― 新しい時代の「質」へのシフト 2025/09/28Posted in健康, 医療全般, 文献 クリニックで90歳を超える患者さんと話していると、「人生100年時代」という言葉が現実味を帯びてきます。 一昔前なら考えられなかった長寿の方々が、元気に通院している。 その姿に医学の進歩と時代の変化を強く感じます。 …
糖尿病への分かれ道―健診の「血糖値が少し高め」から戻れる人、進む人 2025/09/26Posted in健康, 医療全般, 文献 健康診断で「C判定(要経過観察)」と記された項目があると、どうとらえていいのか、もやもやする人は多いかと思います。 逆に、「経過を見るってことは、様子見でいいってことね」と楽天的にとらえる方もいるかも知れません。 「…
春と昼に潜むリスク―パーキンソン病と転倒の時間割 2025/09/25Posted in医療全般, 文献, 日常 パーキンソン病を抱える方々にとって、転倒は生活の質を大きく左右する深刻な問題です。 これまで「どこで」「なぜ」起こるかという点は多くの研究で明らかにされてきましたが、「いつ」起こるのか、つまり時間や季節に関する側面は…
高齢者の腰痛に効く?鍼治療が示した確かな可能性 2025/09/24Posted in健康, 医療全般, 文献 高齢者の多くが、慢性的な腰の痛みに悩まされています。 世界的に見ても、腰痛は生活の質を損なう大きな要因であり、その苦しみは年齢とともに強まります。 痛み止めなどの薬は一時的な助けになりますが、特に日常的に多くの薬を併…
見えない傷跡―ストーカー被害が心臓病リスクを高める 2025/09/23Posted in健康, 医療全般, 文献 夜道で背後に感じる視線や、繰り返し届く脅迫めいた連絡。 こうした体験は一瞬の恐怖にとどまらず、心身の奥深くに刻み込まれていきます。 これまで身体的な暴力や性的虐待が心血管疾患のリスクを高めることは知られていましたが、…
心房細動アブレーション後の抗凝固薬―続けるか、やめれるか 2025/09/22Posted in医療全般, 文献 「一度飲み始めた薬を、いつまで続けるべきか。」 これは多くの人が一度は考える疑問です。 特に、治療によって病気の原因そのものが取り除かれた後なら、なおさらでしょう。 心房細動という不整脈の治療現場でも、まさに避けて通…
「1万歩神話」の終焉?―健康最適歩数は目標7000歩 2025/09/16Posted in健康, 医療全般, 文献 母と話すとき、歩数計のことをつい「万歩計」と呼んでしまいます。 紙おむつをパンパース、保存容器をタッパーと言うのと同じように、商標名が一般名称のように定着してしまった一例です。 「万歩計」は1965年、東京オリンピッ…
便潜血検査と1年後の死亡率―見逃せないサインをどう活かすか 2025/09/15Posted in健康, 医療全般, 文献 健康診断や検診で使われる便潜血検査は、大腸がんの早期発見に役立つことで知られています。 実際、日本の健診で「大腸がん検査」といわれるのは、便潜血二日法と呼ばれる方式です。 ところが、イギリス・ノッティンガムで行われた…
腎機能と感染症リスク―見えにくい関係を解き明かす 2025/09/12Posted in医療全般, 文献, 腎臓のこと 慢性腎臓病と聞くと、多くの人は透析や心臓病などとの関連を思い浮かべるかもしれません。 しかし実際には、感染症もまた腎臓病患者にとって深刻な脅威となっています。 米国や欧州のデータでは、慢性腎臓病の患者のおよそ4分の1…
フライドポテトは糖尿病リスクを高める―長期研究から見えた食べ方の選択 2025/09/11Posted in健康, 医療全般, 文献 日常の食卓に登場するじゃがいもは、私たちにとって身近な食材です。 ビタミンCやカリウムを含む一方で糖質が多く、健康への影響は長年議論されてきました。 今回、アメリカの看護師健康調査や医療従事者追跡調査といった40年に…
燃え尽き前のサインを見える化 ― 医師の健康をスマートウォッチで探る 2025/09/10Posted in健康, 医療全般, 文献 医師の仕事は人の命を預かる重責に満ちています。 心身をすり減らした結果、米国では2022年に63%もの医師が燃え尽き症候群(バーンアウト)を経験していると報告されました。 これは単に個人の問題ではなく、医療の安全や質…
飲酒と動脈硬化の関連―血管を傷つける2つのルート 2025/09/09Posted in健康, 医療全般, 文献, 日常 このブログではこれまでもアルコールと健康リスクについて取り上げてきました。 たとえば「赤ワインは体に良いのか」という記事では抗酸化作用の一端を紹介しましたし、別の記事では「少量のアルコールは本当に心臓を守るのか」と問…
老化を遅らせる薬?―健康寿命を延ばす科学の最前線 2025/08/31Posted in健康, 医療全般, 文献 年齢を重ねると、体のあちこちに違和感が出てきます。 若い頃と違い、朝起きると背中や腰がこわばっている。 先輩たちが口にしていた「これが歳をとることか」という実感が、じわじわと自分にも訪れてきます。 「老化」は単なる年…
採血結果に表れない健康な脂質代謝―運動がもたらす体の変化 2025/08/26Posted in健康, 医療全般, 文献 健康のために運動を心がけている人は多いでしょう。 医療の現場でも、体重やコレステロール値を改善するために運動をすすめるのは日常的なことです。 しかし、努力を重ねても血液検査の結果に大きな変化が見られないと、患者も医療…
汗は正直なのだ。科学的な意味でも 2025/08/25Posted in健康, 医療全般, 文献, 科学 自分の健康状態を知るために、血液を採られるのはどうにも気が進まないものです。 それなりの医療機関に行かなければならないですし、注射針は痛いし、年に1度の健康診断ぐらいでいいやという感じですね。 そこで科学者たちは、も…
鳥インフルエンザ流行抑制のための3つの提言―ワンヘルスで守る未来 2025/08/23Posted in医療全般, 文献 風邪をひくと、たいていは数日で治ります。 しかし世の中には、COVID-19で散々思い知らされたように、素性の知れないウイルスというものが存在します。 高病原性鳥インフルエンザ、H5N1型もそのひとつです。名前の通り…
腎性貧血が脳に及ぼす影響―透析患者のヘモグロビンと認知力 2025/08/20Posted in医療全般, 文献, 透析関連 透析が必要になるような慢性腎臓病の患者さんは、貧血になりやすいのですが、それはなぜでしょうか。 原因のひとつが腎性貧血です。 腎性貧血は、腎臓で産生される「エリスロポエチン」という赤血球製造の司令官のようなホルモンが…