共感の“思い込みギャップ”が孤独を生む―人はなぜ、相手の優しさを過小評価してしまうのか 2025/11/02Posted in心理学, 文献, 日常 新しい環境に足を踏み入れるとき、胸の奥に小さな不安が生まれます。 教室や職場、地域の集まりなど、まわりは知らない人ばかり。 話しかけたいけれど、相手がどう思うかを考えると足がすくむ―そんな経験をしたことがある人は少な…
恐怖を楽しむ子どもたち――“ちょっと怖い”が心を育てる 2025/10/31Posted in心理学, 文献 子供たちが「お化け屋敷に行きたい」とせがんだり、ヒーローごっこでわざと悪役に追い詰められるフリをしてはキャーキャーと逃げ回ったりする姿は、昔からよく見られる光景です。 怖いのに笑いがこみあげてくる、その複雑な感情の混…
SNS断ちの効果は?―デジタル・デトックスと幸福感、その功罪 2025/10/30Posted in心理学, 文献, 日常 私の娘は、時々「デジタル・デトックス」をするのだと言っていました。 スクリーンタイムが増えて情報の渦に巻き込まれてしまうと、どうも心身のバランスが悪くなるのを感じるのだそうです。 XやInstagramなどのSNSア…
過去の逆境がくれた「心のワクチン」―ストレス耐性の意外なメカニズム 2025/10/27Posted in心理学, 文献 診察室で患者さんの話を聴いていると、「昔はもっと大変だったけど、今はあの頃よりましです」と逞しく笑う方がいます。 苦しい経験を重ねても、困難に動じず、前を向いている方々です。 医師として、その強さの根源に興味を抱いて…
孤独が生む渇き―満たされない心はどこへ向かう? 2025/10/26Posted in心理学, 文献 新型コロナウイルスの影響で、人と会う機会が激減した時期がありました。 自宅で孤独な時間を過ごしていると、ふと甘いものに手が伸びたり、ネットショッピングのカートがいっぱいになっていたり。 あの妙な“満たされなさ”は何だ…
サバイバル社会でリーダーはどう見られる?―「競争的世界観」が判断を変える 2025/10/21Posted in心理学, 文献 映画『セッション』に登場する鬼教師、フレッチャー。 彼はイスを投げつけ、生徒を罵倒し、精神的に極限まで追い詰めます。 その指導は、ある者にとっては「偉大な才能を育むための情熱」であり、またある者にとっては「許されざる…
ゲームがくれる「ちょうどいい幸せ」――遊ぶ時間よりも大切なこと 2025/10/18Posted in健康, 心理学, 文献, 日常 子どものころ、ファミコンの電源を切るように言われると、いつも名残惜しくて「あと5分だけ」と懇願した記憶があります。 大人になった今でも、仕事の合間にSwitchを起動してティアキンでライネルを倒し切ると、不思議と気持…
幸福の形は国によって違う―なぜ日本人の幸福度は低いのか 2025/10/16Posted in心理学, 文献, 日常 大学時代にインドやケニアを旅したとき、日本ではなかなか出会えない種類の「豊かさ」に触れた気がします。 決して裕福とは言えない暮らしの中で、家族や隣人と助け合い、ささやかな日常を慈しむ人々の眼差し。 その穏やかで力強い…
うわさ話が多いカップルほど幸せ?―恋人との「おしゃべり」が幸せを育む理由 2025/10/15Posted in心理学, 文献, 日常 私たちは他者との間で波風を立てないよう、知らず知らずのうちに「思いやり」という名の振る舞いを身につけています。 相手の小さな矛盾には気づかぬふりをし、波風を立てないように表面的な合意を保つ。 社会学者の奥村隆氏が言う…
畏敬の念が人をつなぐ力―「小さな自分」が生む大きな結束 2025/10/09Posted in心理学, 文献 夕暮れ時にバイパスを走っていると、太陽が水平線に沈む瞬間に出会うことがあります。 その一瞬、その空間に溶け込みそうになりながら、「自分はこの壮大な自然のほんの一部なのだ」と感じます。 この感覚こそが「畏敬の念」と呼ば…
コーヒーがくれた「もうひと頑張り」―カフェインと粘り強さの科学 2025/10/05Posted in健康, 心理学, 文献, 日常 夜中に仕事が行き詰まり、どうしても終わらせたいのに頭が回らない。 そんな時にコーヒーを一口飲んで(夜、眠れなくなるのは覚悟のうえで)、「まだやれる」ともうひと踏ん張りを絞り出すことがあります。 あの感覚は単なる思い込…
兄弟姉妹の間で見えた意外な攻撃性のかたち 2025/09/27Posted in心理学, 文献, 日常 鎌倉の古い家で暮らす三姉妹のもとに、ある日、腹違いの妹がやってくる。 是枝裕和監督の映画『海街diary』に描かれる四姉妹の暮らしは、穏やかで慈しみに満ちています。 食卓を囲み、梅酒を作り、何気ない日常を積み重ねなが…
休日を「意味ある時間」に変えるには ― ゴロゴロするだけが休みじゃない 2025/09/06Posted in心理学, 文献, 日常 休日の朝、二度寝をした末にようやく起きだしても、「今日は何もしない」と休眠モードを決めつける。 ところが、ずっと望んでいた贅沢な時間のはずなのに、太陽が沈み一日が終わるころには、胸の奥には空しさが残ります。 子どもの…
「音楽は友だち」は比喩ではない―音楽が導くメンタルイメージ 2025/09/05Posted in心理学, 文献, 音楽 音楽を聴くと、なぜか風景が思い浮かんだり、昔の記憶が呼び起こされたりします。 気分転換にイヤホンをすると、ひとりきりで歩いていても、誰かと一緒にいるような感覚が芽生えることがあります。 COVID-19の流行期、多く…
『終わった人』のその先に ― 退職と健康をめぐる男女の違い 2025/09/04Posted in健康, 心理学, 文献, 日常 定年退職した男が、生きがいを失い「終わった人」になってしまう。 原作は内館牧子さんの同名小説で、舘ひろしさんが主演した2018年公開の映画『終わった人』では、そんな悲哀がコミカルに描かれていました。 実際、会社を辞め…
朝のコーヒーは、なぜ特別なのか? ―カフェインと気分の仕組み 2025/09/02Posted in心理学, 文献, 日常, 神経科学 朝のコーヒーを飲まないと一日が始まらない―そう感じる人は少なくありません。 私自身もその一人で、「コーヒー中毒」と言われても、あえて否定はしません。 紅茶やエナジードリンクであっても事情は同じです。 カフェインが脳に…
数の得意な人ほどだまされる―脳の賢いまとめ術 2025/08/30Posted in心理学, 数学, 文献 焼き鳥を頼んだとき、私たちは串刺しにされた肉や野菜を「1本」と数えます。 そこに何個の肉があるのかはあまり意識しません。 あるいは、パールのネックレスを見れば、何十粒もある珠を「ネックレス1本」として捉えるでしょう。…
ウソを知り、ウソに強くなる—ワクチンのニセ情報と心の予防接種 2025/08/29Posted in心理学, 文献, 日常 映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』では、実在の詐欺師が最終的にFBIの金融詐欺部門のコンサルタントとして働く姿が描かれていました。 ウソと戦う最善の方法は、ウソのつき方を知ることかもしれないという逆説的な発想…
なぜ人は懲りずにやらかすのか―ペナルティ感受性の3分類 2025/08/16Posted in心理学, 文献 「あと5分だけ」と二度寝しては遅刻寸前になる。 体に良くないと知りつつ、深夜のラーメンに手を伸ばす。 我々の日常は、かくも「わかっちゃいるけど、やめられない」行動で溢れています。 それは単なる愚かさゆえなのか、それと…
嘘の繰り返しと心理の罠―フェイクニュースへの抵抗感はなぜ薄れるのか 2025/08/15Posted in心理学, 文献, 日常 「嘘も100回言えば真実になる」という言葉があります。 ナチスのヨーゼフ・ゲッベルスによるものとされていて、プロパガンダを語る際によく引き合いに出されます。 これは「真理の錯誤効果」と呼ばれる心理現象として知られてい…
見えない声の影響力―トーンが左右する経済行動の心理 2025/08/13Posted in心理学, 文献 普段の生活で、私たちは様々な人と関わりを持ちながら過ごしています。 特に、初対面の相手と話すとき、無意識にその人を「信用できるかどうか」判断しているものです。 その時、印象を左右するものとして「声の高さ」と言われると…
なぜ、私たちは夜更かしをやめられないのか?―自己効力感とSNSの関係 2025/08/07Posted in心理学, 文献, 日常 夜、そろそろ寝るべき時間だと頭では理解している。 体もたしかに疲労を感じている。 それにもかかわらず、スマートフォンを手に取ってしまったり、特に目的もなく動画サイトを眺め続けたり。 こうした行動は「ベッドタイム・プロ…
身近に潜む砂糖依存—脳の仕組みと健康リスク 2025/08/04Posted in健康, 医療全般, 心理学, 文献 仕事で疲れた帰り道、ふとコンビニに立ち寄り、甘いものに手が伸びる。 ケーキやチョコレートに惹かれ、気づけばお菓子が止まらなくなっている。 この日常的な一場面は、脳が仕掛けた「甘い罠」の始まりかもしれません。 20…
心ない言葉の重さ—SNSの言葉の刃 2025/07/31Posted in心理学, 文献, 日常 ソーシャルメディアが私たちの生活を覆い尽くして久しいですね。 遠く離れた友人とも簡単につながれる便利さがある反面、匿名の背後に隠れて心ない言葉を投げつける人もいます。 このデジタルな悪意が、人の心にどれほどの波紋を広…
合理性より意地をとる―後戻りできないヒトの心理 2025/07/27Posted in心理学, 文献 1983年公開のコメディ映画に、『ナショナル・ランプーン/ホリデーロード4000キロ』というのがあります。 主人公である父親のクラークは、家族をオンボロの車に乗せ、シカゴからカリフォルニアのテーマパークを目指します。…