運動前サプリの1杯―若者の睡眠時間に起きていた変化 2025/12/23Posted inスポーツ, 健康, 文献 だいぶ前の話になりますが、勤務医だった頃、夜にスポーツジムへ通っていた時期がありました。 診療を終えた後のジムでは、シェイカーを振る乾いた音と、色のついたドリンクが当たり前のようにありました。 トレーニングを終え、体…
自己診断の落とし穴―疾患の啓発の副作用 2025/12/20Posted in健康, 医療全般, 心理学, 文献 2020年のドキュメンタリー映画『Social Dilemma(日本語タイトル:監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影)』では、日常の何気ないクリックが、知らないうちに「自分はこういう人間だ」という確信へ形を変え…
脳の回転数を上げる一粒―ピーナツがもたらす“微細な加速” 2025/12/13Posted in健康, 文献, 神経科学 映画『リミットレス(2011)』では、主人公が謎の薬を飲んだ瞬間、景色の輪郭が鮮明さを増し、情報が一気に処理されていきます。 脳の働きが底から押し上げられると、世界の手触りが変わる―そんな映像が印象に残ります。 現実…
眠りすぎってどうなの?―9時間睡眠が語るもの 2025/12/10Posted in健康, 文献 昔話には、眠りが特別な力をもつ世界が描かれています。 グリム童話の「茨姫」では、姫が深い眠りに落ちることで物語が動き始めます。 長く続く眠りは、外からは静止して見えても、その奥では何かが変わろうとしている“時間”とし…
ピックルボールのコートで起きていること―“遊ぶ量”が心をどう動かすのか 2025/12/08Posted inスポーツ, 健康, 心理学, 文献 「ピックルボール」というスポーツがあるらしいです。 この論文を読むまで、私は聞いたこともありませんでした。 調べてみると、アメリカでは高齢者を中心に人気が広がり、朝の公園でも人が自然に集まるといいます。 激しい動きは…
いつ動くかが脳を守る―フラミンガム研究が描く「中年期・老年期の運動」と認知症リスク 2025/11/27Posted in健康, 文献, 神経科学 映画『ファーザー』(2020年)の序盤には、不穏な静けさがあります。 さっきまでそこにあった椅子がわずかに動いていたり、娘だと思っていた人物の顔が別人のように入れ替わったり、時間の継ぎ目がどこか噛み合わない。 観客は…
脳を動かす刺激のかけ方―短い全力と長い強度のあいだ 2025/11/26Posted inスポーツ, 健康, 文献, 神経科学 高強度インターバルトレーニング(HIIT)は「心臓に効く運動」として語られることが多いのですが、最近は「脳にもいい」という話題が増えています。 短時間で強い負荷をかける運動が気分や集中力を整えてくれるなら、文字通りの…
心房細動とコーヒー :「やめる」より「いつもの一杯」を続ける選択 2025/11/24Posted in健康, 医療全般, 文献 心房細動の患者さんから、「先生、コーヒーはもう一生やめた方がいいですよね?」と訊かれることがあります。 動悸が出た日の朝にコーヒーを飲んでいたという記憶が重なると、「これが悪かった」と感じても不思議ではありません。 …
見た目は「肥満」でなくても。身長と比べた「お腹」が教える動脈硬化のリスク 2025/11/20Posted in健康, 医療全般, 文献 健康診断の時、お腹周りにメジャーが巻かれる瞬間は、少し緊張するものです。 思わず息を吸い込んでお腹を引っ込めたくなりますが、それは反則なので我慢します。 数値を聞いてホッとしたり、来年こそはと心に誓ったり。 その…
脳が歩数に応える―アルツハイマー病を遠ざける7,000歩の力 2025/11/12Posted in健康, 文献, 神経科学 外来では、ほとんど椅子に座って診療していますから、ランニングのない日は2000歩も歩いていない気がします。 案の定、スマホの歩数計の機能で調べてみると(どういう仕組みで測定しているのかわかりませんが)だいたい1500…
抗加齢のトレーニングは肌も若返らせる―筋トレがもたらす「内側からの美容効果」 2025/11/06Posted inスポーツ, 健康, 文献 運動は筋肉や心臓だけでなく、肌にも良い効果がある―そんな話を聞くと、少し疑い深い気持ちが頭をもたげるのですが、世代的にはやはり興味津々の話題です。 肌の張りやくすみ具合は、食事や睡眠、紫外線の影響だけでなく、日々の活…
夜型生活が抱える“食の落とし穴”―気づきが変える深夜の衝動 2025/11/01Posted inマインドフルネス, 健康, 文献, 日常 夜が更けるころ、つい無意識に冷蔵庫のドアを開けてしまう。 小腹が空いているのか、それとも口寂しいだけなのか―自分でも判然としないまま「つまみ食い」をしてしまうことがあります。 夜型の生活が進むなかで、夜遅くに食べる習…
ウイルスの再活性化が脳に刻む影―帯状疱疹と認知症の意外な関係 2025/10/24Posted in健康, 医療全般, 文献, 神経科学 先日、帯状疱疹でひどい痛みに悩む患者さんを診察しました。 電気が走るような、焼けるような痛みが昼夜を問わず続くと言います。 この病気は、多くの人が子供の頃にかかる水ぼうそうのウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)が、神経…
尿検査が示す未来のサイン―アルブミン尿と認知症の意外なつながり 2025/10/19Posted in健康, 医療全般, 文献, 神経科学, 腎臓のこと 日々の診療で「タンパク尿が出ていますね」と患者さんにお伝えする場面は少なくありません。 タンパク尿が心臓病や脳卒中のリスクを高めることはよく知られていて、そういう時は食事や血圧の管理についてお話することになります。 …
ゲームがくれる「ちょうどいい幸せ」――遊ぶ時間よりも大切なこと 2025/10/18Posted in健康, 心理学, 文献, 日常 子どものころ、ファミコンの電源を切るように言われると、いつも名残惜しくて「あと5分だけ」と懇願した記憶があります。 大人になった今でも、仕事の合間にSwitchを起動してティアキンでライネルを倒し切ると、不思議と気持…
あなたにとって「大切なこと」とは―高齢者が語った“本当の優先順位” 2025/10/14Posted in健康, 医療全般, 文献 ある日、外来で診察を終えたご高齢の患者さんが、ふと笑ってこう言いました。 「先生、やっぱり人と話す時間が一番うれしいね。」 その一言が、胸の奥にやさしく残りました。 この方はしばらく前から膝を悪くしていて、ほとんど外…
人とのつながりが体内時計を巻き戻す?―社会性が老化を遅らせる 2025/10/08Posted in健康, 医療全般, 文献, 日常 テレビで見る明石家さんまさんや所ジョージさんの姿を思い浮かべると、年齢を重ねてもなお若々しく第一線で活躍し続けていることに驚かされます。 お二人の明るい人柄や幅広い人間関係は、単なる芸風ではなく、健康や活力の源なので…
運動療法が腎臓病患者に届かない理由―ヨーロッパの現場から見えた構造的な壁 2025/10/07Posted in健康, 医療全般, 文献, 腎臓のこと 私が外来で患者さんに「運動していますか」と尋ねると、多くの方が「運動した方がいいのは分かっているけど…」と歯切れが悪い返事をされます。 今年の夏は特に暑かったというのもありますが、忙しさや体調の波に加えて、誰かが一緒…
マグネシウムが血圧を下げる?―最新メタ解析が示す可能性 2025/10/06Posted in健康, 医療全般, 文献 外来で患者さんと話をしていると、「血圧が少し高いと言われて心配になった」という声をよく耳にします。 普段から生活習慣に気をつけていても、血圧は日によって上下しやすく、数字に不安を覚える方は少なくありません。 医師とし…
コーヒーがくれた「もうひと頑張り」―カフェインと粘り強さの科学 2025/10/05Posted in健康, 心理学, 文献, 日常 夜中に仕事が行き詰まり、どうしても終わらせたいのに頭が回らない。 そんな時にコーヒーを一口飲んで(夜、眠れなくなるのは覚悟のうえで)、「まだやれる」ともうひと踏ん張りを絞り出すことがあります。 あの感覚は単なる思い込…
ビタミンAは多すぎても少なすぎても危険?―がんリスクと「ちょうどいい」量の科学 2025/10/04Posted in健康, 医療全般, 文献 外来で患者さんと話していると、「先生、ビタミン剤って飲んだほうがいいですか?」と尋ねられることがあります。 健康のために積極的に摂りたい気持ちはよくわかりますが、サプリメントの世界は単純に「多ければ多いほどよい」とは…
運動は腎臓を守る?―11年間にわたる追跡調査から見えたこと 2025/10/03Posted in健康, 文献, 腎臓のこと 診察室で患者さんに「腎臓を長持ちさせる方法はありますか」と尋ねられることがあります。 減塩や体重管理といった生活習慣の改善はよく知られていますが、「運動」についてはどうでしょう。 かつては腎臓に負担をかけることを避け…
ダイエットのリバウンド問題―過剰なサポートも逆効果? 2025/10/02Posted in健康, 医療全般, 文献 体重減少を維持することの難しさを、日々の診療でも実感しています。 初めの数か月で大きく減量できても、その後少しずつリバウンドしてしまう患者さんは少なくありません。 今回紹介する研究は、そんな課題に挑んだもので、電話に…
腎臓とビタミンC―隠された濃度のルール 2025/09/30Posted in健康, 文献, 腎臓のこと, 透析関連 意外に思うかも知れませんが、犬や猫など、多くの動物は自分の体内でビタミンCを合成できます。 私たちヒトは合成に必要な酵素の遺伝子が働かなくなっているので、外から補うしかありません。 この生物学的な事実を思うと、日常診…
人生100年は幻想? ― 新しい時代の「質」へのシフト 2025/09/28Posted in健康, 医療全般, 文献 クリニックで90歳を超える患者さんと話していると、「人生100年時代」という言葉が現実味を帯びてきます。 一昔前なら考えられなかった長寿の方々が、元気に通院している。 その姿に医学の進歩と時代の変化を強く感じます。 …