あなたにとって「大切なこと」とは―高齢者が語った“本当の優先順位” 2025/10/14Posted in健康, 医療全般, 文献 ある日、外来で診察を終えたご高齢の患者さんが、ふと笑ってこう言いました。 「先生、やっぱり人と話す時間が一番うれしいね。」 その一言が、胸の奥にやさしく残りました。 この方はしばらく前から膝を悪くしていて、ほとんど外…
赤ちゃんの脳は4ヘルツで動く―視覚の発達が奏でるリズム 2025/10/13Posted in文献, 神経科学 ずっと遠い昔のころ。 娘が生後8か月を迎えたころ、カラフルなモビールをじっと見つめながら、リズムを刻むように手足を動かしていたことを思い出します。 娘はあの揺れに“音楽的な秩序”を感じているに違いない、まさか天才か?…
家事を続けることが“脳トレ”となる?―認知機能を保つヒント 2025/10/12Posted in文献, 日常, 神経科学 映画『ペコロスの母に会いに行く』(2013年)を初めて観たとき、胸が締めつけられる思いがしました。 主人公の母親が、少しずつ料理の手順を忘れ、掃除や片付けがうまくできなくなっていく。 その姿を見守る息子の眼差しには、…
医師の服装が信頼を左右する?―白衣の時代からスクラブの時代へ 2025/10/11Posted in医療全般, 文献, 日常 病院勤務医時代の私は、いわゆるベン・ケーシー(白い半袖の診療着)スタイルに白衣を重ねて診療していました。 しかし開業してからは、もっぱらスクラブを愛用しています。 外来と透析室を行き来するのも動きやすいですし、宿直の…
AIに頼りすぎた医師は腕が鈍るのか? 2025/10/10Posted inAI, 医療全般, 文献 先日、外来で診察の合間に胸部レントゲン写真の異常個所を「画像診断用AIアシスタント」が指摘してくれました。 見落としがちな影を瞬時にマークしてくれるのはありがたいのですが、同時に「自分の観察力が少しずつ鈍っているので…
畏敬の念が人をつなぐ力―「小さな自分」が生む大きな結束 2025/10/09Posted in心理学, 文献 夕暮れ時にバイパスを走っていると、太陽が水平線に沈む瞬間に出会うことがあります。 その一瞬、その空間に溶け込みそうになりながら、「自分はこの壮大な自然のほんの一部なのだ」と感じます。 この感覚こそが「畏敬の念」と呼ば…
人とのつながりが体内時計を巻き戻す?―社会性が老化を遅らせる 2025/10/08Posted in健康, 医療全般, 文献, 日常 テレビで見る明石家さんまさんや所ジョージさんの姿を思い浮かべると、年齢を重ねてもなお若々しく第一線で活躍し続けていることに驚かされます。 お二人の明るい人柄や幅広い人間関係は、単なる芸風ではなく、健康や活力の源なので…
運動療法が腎臓病患者に届かない理由―ヨーロッパの現場から見えた構造的な壁 2025/10/07Posted in健康, 医療全般, 文献, 腎臓のこと 私が外来で患者さんに「運動していますか」と尋ねると、多くの方が「運動した方がいいのは分かっているけど…」と歯切れが悪い返事をされます。 今年の夏は特に暑かったというのもありますが、忙しさや体調の波に加えて、誰かが一緒…
マグネシウムが血圧を下げる?―最新メタ解析が示す可能性 2025/10/06Posted in健康, 医療全般, 文献 外来で患者さんと話をしていると、「血圧が少し高いと言われて心配になった」という声をよく耳にします。 普段から生活習慣に気をつけていても、血圧は日によって上下しやすく、数字に不安を覚える方は少なくありません。 医師とし…
コーヒーがくれた「もうひと頑張り」―カフェインと粘り強さの科学 2025/10/05Posted in健康, 心理学, 文献, 日常 夜中に仕事が行き詰まり、どうしても終わらせたいのに頭が回らない。 そんな時にコーヒーを一口飲んで(夜、眠れなくなるのは覚悟のうえで)、「まだやれる」ともうひと踏ん張りを絞り出すことがあります。 あの感覚は単なる思い込…
ビタミンAは多すぎても少なすぎても危険?―がんリスクと「ちょうどいい」量の科学 2025/10/04Posted in健康, 医療全般, 文献 外来で患者さんと話していると、「先生、ビタミン剤って飲んだほうがいいですか?」と尋ねられることがあります。 健康のために積極的に摂りたい気持ちはよくわかりますが、サプリメントの世界は単純に「多ければ多いほどよい」とは…
運動は腎臓を守る?―11年間にわたる追跡調査から見えたこと 2025/10/03Posted in健康, 文献, 腎臓のこと 診察室で患者さんに「腎臓を長持ちさせる方法はありますか」と尋ねられることがあります。 減塩や体重管理といった生活習慣の改善はよく知られていますが、「運動」についてはどうでしょう。 かつては腎臓に負担をかけることを避け…
ダイエットのリバウンド問題―過剰なサポートも逆効果? 2025/10/02Posted in健康, 医療全般, 文献 体重減少を維持することの難しさを、日々の診療でも実感しています。 初めの数か月で大きく減量できても、その後少しずつリバウンドしてしまう患者さんは少なくありません。 今回紹介する研究は、そんな課題に挑んだもので、電話に…
低用量アスピリンが大腸がん再発を防ぐ?―新しい治療の可能性 2025/10/01Posted in医療全般, 文献 私のクリニックでは、血液をサラサラにする目的で、毎日アスピリンを飲んでいる患者さんが多くいらっしゃいます。 解熱鎮痛剤としても古くから使われており、私たちにとって最も身近な薬の一つです。 そのアスピリンが、がんの治療…
腎臓とビタミンC―隠された濃度のルール 2025/09/30Posted in健康, 文献, 腎臓のこと, 透析関連 意外に思うかも知れませんが、犬や猫など、多くの動物は自分の体内でビタミンCを合成できます。 私たちヒトは合成に必要な酵素の遺伝子が働かなくなっているので、外から補うしかありません。 この生物学的な事実を思うと、日常診…
「効かない薬」の処方箋―医師の胸の内を映す“プラセボ” 2025/09/29Posted in医療全般, 文献 「先生、抗生物質を出してください。」 風邪で来院された患者さんから、時々こう頼まれることがあります。 ウイルス性の風邪に抗生物質は効かないと説明しつつも、「何か薬が欲しい」という切実な思いとの間で、医師として頭を抱え…
人生100年は幻想? ― 新しい時代の「質」へのシフト 2025/09/28Posted in健康, 医療全般, 文献 クリニックで90歳を超える患者さんと話していると、「人生100年時代」という言葉が現実味を帯びてきます。 一昔前なら考えられなかった長寿の方々が、元気に通院している。 その姿に医学の進歩と時代の変化を強く感じます。 …
兄弟姉妹の間で見えた意外な攻撃性のかたち 2025/09/27Posted in心理学, 文献, 日常 鎌倉の古い家で暮らす三姉妹のもとに、ある日、腹違いの妹がやってくる。 是枝裕和監督の映画『海街diary』に描かれる四姉妹の暮らしは、穏やかで慈しみに満ちています。 食卓を囲み、梅酒を作り、何気ない日常を積み重ねなが…
糖尿病への分かれ道―健診の「血糖値が少し高め」から戻れる人、進む人 2025/09/26Posted in健康, 医療全般, 文献 健康診断で「C判定(要経過観察)」と記された項目があると、どうとらえていいのか、もやもやする人は多いかと思います。 逆に、「経過を見るってことは、様子見でいいってことね」と楽天的にとらえる方もいるかも知れません。 「…
春と昼に潜むリスク―パーキンソン病と転倒の時間割 2025/09/25Posted in医療全般, 文献, 日常 パーキンソン病を抱える方々にとって、転倒は生活の質を大きく左右する深刻な問題です。 これまで「どこで」「なぜ」起こるかという点は多くの研究で明らかにされてきましたが、「いつ」起こるのか、つまり時間や季節に関する側面は…
高齢者の腰痛に効く?鍼治療が示した確かな可能性 2025/09/24Posted in健康, 医療全般, 文献 高齢者の多くが、慢性的な腰の痛みに悩まされています。 世界的に見ても、腰痛は生活の質を損なう大きな要因であり、その苦しみは年齢とともに強まります。 痛み止めなどの薬は一時的な助けになりますが、特に日常的に多くの薬を併…
見えない傷跡―ストーカー被害が心臓病リスクを高める 2025/09/23Posted in健康, 医療全般, 文献 夜道で背後に感じる視線や、繰り返し届く脅迫めいた連絡。 こうした体験は一瞬の恐怖にとどまらず、心身の奥深くに刻み込まれていきます。 これまで身体的な暴力や性的虐待が心血管疾患のリスクを高めることは知られていましたが、…
心房細動アブレーション後の抗凝固薬―続けるか、やめれるか 2025/09/22Posted in医療全般, 文献 「一度飲み始めた薬を、いつまで続けるべきか。」 これは多くの人が一度は考える疑問です。 特に、治療によって病気の原因そのものが取り除かれた後なら、なおさらでしょう。 心房細動という不整脈の治療現場でも、まさに避けて通…
瞑想は高齢者の眠りをどう変えるのか 2025/09/21Posted inマインドフルネス, 健康, 文献, 神経科学 夜中に目が覚めてしまい、そこからなかなか寝付けない。 頭の中で今日あった後悔やこれからの心配がぐるぐると回り始め、眠りに戻れなくなることがあります。 そんな時、「無」になれたらどんなに楽だろう。 この「心を無にする」…
気温があがると甘いものが欲しくなる―見過ごされていた真実 2025/09/20Posted in健康, 文献, 日常 沖縄の真夏、モアっとした熱気の中を歩いていると、自動販売機がオアシスのように映ります。 迷うことなく冷たい炭酸飲料のボタンを押し、キャップをひねった瞬間の小気味よい音。 喉を駆け抜ける刺激に救われる気がします。 とこ…