動き続けるバランス―夫婦の“収入と身体”がつくる交換の力学 2025/11/29Posted in心理学, 文献, 日常 映画『アメリカン・ビューティー』(1999)には、夫婦の経済的な力関係の均衡がきしみ始める瞬間が描かれています。 仕事に押しつぶされかけたレスターは、成功を積み上げる妻キャロリンの姿を前に、自らの価値が目に見えてしぼ…
バットマン効果―日常の「バグ」が優しさを呼び覚ます 2025/11/13Posted in心理学, 文献, 日常 私はマイカー通勤なので、ゆいレールはほとんど利用しないのですが、たまに乗るとその混み具合に驚かされます。 県民としては「利用者が増えているのは良いことだ」と安心する一方で、「空港まで立ちっぱなしは少しつらいな」と内心…
父親との2週間―育休が変える家族の未来 2025/11/07Posted in心理学, 文献, 日常 私が県立中部病院の勤務医だったころ、アメリカ留学帰りの先輩の先生が「産休」はもちろん、「育児休暇」をとったというのを聞いて、素直に驚いたことがあります。 当時、管理職の外科の先生は「自分は子どもの学校行事は一度も観に…
共感の“思い込みギャップ”が孤独を生む―人はなぜ、相手の優しさを過小評価してしまうのか 2025/11/02Posted in心理学, 文献, 日常 新しい環境に足を踏み入れるとき、胸の奥に小さな不安が生まれます。 教室や職場、地域の集まりなど、まわりは知らない人ばかり。 話しかけたいけれど、相手がどう思うかを考えると足がすくむ―そんな経験をしたことがある人は少な…
夜型生活が抱える“食の落とし穴”―気づきが変える深夜の衝動 2025/11/01Posted inマインドフルネス, 健康, 文献, 日常 夜が更けるころ、つい無意識に冷蔵庫のドアを開けてしまう。 小腹が空いているのか、それとも口寂しいだけなのか―自分でも判然としないまま「つまみ食い」をしてしまうことがあります。 夜型の生活が進むなかで、夜遅くに食べる習…
SNS断ちの効果は?―デジタル・デトックスと幸福感、その功罪 2025/10/30Posted in心理学, 文献, 日常 私の娘は、時々「デジタル・デトックス」をするのだと言っていました。 スクリーンタイムが増えて情報の渦に巻き込まれてしまうと、どうも心身のバランスが悪くなるのを感じるのだそうです。 XやInstagramなどのSNSア…
ゲームがくれる「ちょうどいい幸せ」――遊ぶ時間よりも大切なこと 2025/10/18Posted in健康, 心理学, 文献, 日常 子どものころ、ファミコンの電源を切るように言われると、いつも名残惜しくて「あと5分だけ」と懇願した記憶があります。 大人になった今でも、仕事の合間にSwitchを起動してティアキンでライネルを倒し切ると、不思議と気持…
幸福の形は国によって違う―なぜ日本人の幸福度は低いのか 2025/10/16Posted in心理学, 文献, 日常 大学時代にインドやケニアを旅したとき、日本ではなかなか出会えない種類の「豊かさ」に触れた気がします。 決して裕福とは言えない暮らしの中で、家族や隣人と助け合い、ささやかな日常を慈しむ人々の眼差し。 その穏やかで力強い…
うわさ話が多いカップルほど幸せ?―恋人との「おしゃべり」が幸せを育む理由 2025/10/15Posted in心理学, 文献, 日常 私たちは他者との間で波風を立てないよう、知らず知らずのうちに「思いやり」という名の振る舞いを身につけています。 相手の小さな矛盾には気づかぬふりをし、波風を立てないように表面的な合意を保つ。 社会学者の奥村隆氏が言う…
家事を続けることが“脳トレ”となる?―認知機能を保つヒント 2025/10/12Posted in文献, 日常, 神経科学 映画『ペコロスの母に会いに行く』(2013年)を初めて観たとき、胸が締めつけられる思いがしました。 主人公の母親が、少しずつ料理の手順を忘れ、掃除や片付けがうまくできなくなっていく。 その姿を見守る息子の眼差しには、…
医師の服装が信頼を左右する?―白衣の時代からスクラブの時代へ 2025/10/11Posted in医療全般, 文献, 日常 病院勤務医時代の私は、いわゆるベン・ケーシー(白い半袖の診療着)スタイルに白衣を重ねて診療していました。 しかし開業してからは、もっぱらスクラブを愛用しています。 外来と透析室を行き来するのも動きやすいですし、宿直の…
人とのつながりが体内時計を巻き戻す?―社会性が老化を遅らせる 2025/10/08Posted in健康, 医療全般, 文献, 日常 テレビで見る明石家さんまさんや所ジョージさんの姿を思い浮かべると、年齢を重ねてもなお若々しく第一線で活躍し続けていることに驚かされます。 お二人の明るい人柄や幅広い人間関係は、単なる芸風ではなく、健康や活力の源なので…
コーヒーがくれた「もうひと頑張り」―カフェインと粘り強さの科学 2025/10/05Posted in健康, 心理学, 文献, 日常 夜中に仕事が行き詰まり、どうしても終わらせたいのに頭が回らない。 そんな時にコーヒーを一口飲んで(夜、眠れなくなるのは覚悟のうえで)、「まだやれる」ともうひと踏ん張りを絞り出すことがあります。 あの感覚は単なる思い込…
兄弟姉妹の間で見えた意外な攻撃性のかたち 2025/09/27Posted in心理学, 文献, 日常 鎌倉の古い家で暮らす三姉妹のもとに、ある日、腹違いの妹がやってくる。 是枝裕和監督の映画『海街diary』に描かれる四姉妹の暮らしは、穏やかで慈しみに満ちています。 食卓を囲み、梅酒を作り、何気ない日常を積み重ねなが…
春と昼に潜むリスク―パーキンソン病と転倒の時間割 2025/09/25Posted in医療全般, 文献, 日常 パーキンソン病を抱える方々にとって、転倒は生活の質を大きく左右する深刻な問題です。 これまで「どこで」「なぜ」起こるかという点は多くの研究で明らかにされてきましたが、「いつ」起こるのか、つまり時間や季節に関する側面は…
気温があがると甘いものが欲しくなる―見過ごされていた真実 2025/09/20Posted in健康, 文献, 日常 沖縄の真夏、モアっとした熱気の中を歩いていると、自動販売機がオアシスのように映ります。 迷うことなく冷たい炭酸飲料のボタンを押し、キャップをひねった瞬間の小気味よい音。 喉を駆け抜ける刺激に救われる気がします。 とこ…
健康は「チリツモ」だった―1分間だけの「息切れ運動」がもたらす健康効果 2025/09/14Posted in健康, 文献, 日常 趣味でランニングを続けているので、体力にはそこそこ自信がありました。 しかし先日、両手にスーパーの買い物袋を下げて、急に降り出した大粒の雨にあわてて駐車場を駆け抜けたとき、車のドアを開ける頃にはすっかり息が上がってし…
飲酒と動脈硬化の関連―血管を傷つける2つのルート 2025/09/09Posted in健康, 医療全般, 文献, 日常 このブログではこれまでもアルコールと健康リスクについて取り上げてきました。 たとえば「赤ワインは体に良いのか」という記事では抗酸化作用の一端を紹介しましたし、別の記事では「少量のアルコールは本当に心臓を守るのか」と問…
もうひと頑張りの体力は、薬指の長さで決まっている? 2025/09/08Posted in健康, 文献, 日常, 物語 ネット上や雑誌で「指の長さの比率」が、時々話題になることがあります。 意外に多くの人がこうした細かな違いに関心を持っているようで、新しい研究結果が紹介されると大きな注目を集めたりします。 進化の仲間であるチンパンジー…
休日を「意味ある時間」に変えるには ― ゴロゴロするだけが休みじゃない 2025/09/06Posted in心理学, 文献, 日常 休日の朝、二度寝をした末にようやく起きだしても、「今日は何もしない」と休眠モードを決めつける。 ところが、ずっと望んでいた贅沢な時間のはずなのに、太陽が沈み一日が終わるころには、胸の奥には空しさが残ります。 子どもの…
『終わった人』のその先に ― 退職と健康をめぐる男女の違い 2025/09/04Posted in健康, 心理学, 文献, 日常 定年退職した男が、生きがいを失い「終わった人」になってしまう。 原作は内館牧子さんの同名小説で、舘ひろしさんが主演した2018年公開の映画『終わった人』では、そんな悲哀がコミカルに描かれていました。 実際、会社を辞め…
朝のコーヒーは、なぜ特別なのか? ―カフェインと気分の仕組み 2025/09/02Posted in心理学, 文献, 日常, 神経科学 朝のコーヒーを飲まないと一日が始まらない―そう感じる人は少なくありません。 私自身もその一人で、「コーヒー中毒」と言われても、あえて否定はしません。 紅茶やエナジードリンクであっても事情は同じです。 カフェインが脳に…
ラーメンのスープを飲み干す前に知っておきたい―健康リスクとハザード比 2025/09/01Posted in健康, 文献, 日常 「まずスープを一口、それから麺に敬意を払うように啜り、合間にチャーシューを沈める。」 伊丹十三監督の映画『たんぽぽ』で、ラーメンの達人が説いたあの流儀は、もはやひとつの儀式に昇華されたものでした。 あの映画は、一杯の…
ウソを知り、ウソに強くなる—ワクチンのニセ情報と心の予防接種 2025/08/29Posted in心理学, 文献, 日常 映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』では、実在の詐欺師が最終的にFBIの金融詐欺部門のコンサルタントとして働く姿が描かれていました。 ウソと戦う最善の方法は、ウソのつき方を知ることかもしれないという逆説的な発想…
脱水時の扇風機はリスクになる―水分で変わる体への影響 2025/08/27Posted in健康, 文献, 日常 真夏の暑さは、ただ不快なだけではありません。熱中症になれば命に関わることもあります。 エアコンがない家や、エアコンが苦手な人にとって頼りになるのが扇風機ですが、条件によっては逆効果になることもあります。 特に体が水分…