健康志向が高まり、運動への関心が増える一方で、「運動したいけれど膝や腰が痛くなったら困る」と不安になる方も少なくありません。
特に肥満や過体重の人にとって、陸上での運動は関節に負担がかかりがちです。
その解決策のひとつになるのが、水中エアロビクス(水中運動)です。
水の浮力を利用して関節への負担を減らしながら、楽しく体を動かせるというメリットがあります。
さて、この方法は本当に効果はあるのでしょうか。
実は最近、この疑問に答える興味深い研究が発表されました。
研究者たちは、合計286人の成人を対象に行われた10件のランダム化比較試験を分析し、水中エアロビクスの具体的な効果を調べました。
その結果、約12週間にわたって水中エアロビクスを継続した人々は、平均で体重が約2.69 kg減少し、ウエスト周囲径が約2.75 cmも細くなることがわかりました。
特に、45歳以上の中高年層や女性に顕著な効果が見られたことも見逃せません。
体脂肪率については研究ごとに結果が異なり、統一した見解は得られませんでしたが、これも年齢や運動プログラムの違いによる影響が考えられています。
さらに注目すべきは、運動期間が10週間未満の場合には効果が薄かったことです。
つまり、「ちょっとだけ試してみる」というスタンスではなく、「継続が成功のカギ」でした。
関節を痛めずに、無理なくスリムになれるなら、それだけでもう試してみる価値があります。
この結果を見れば、プールへ足を運ぶモチベーションもぐっと上がってきますね。
今回の研究が教えてくれるのは、とてもシンプルなことです。
肥満や過体重に悩んでいる方にとって、水中エアロビクスは健康的な体型改善をサポートしてくれる有効な手段だということ。
運動が苦手な方でも、水中ならリラックスして楽しめそうですね。
参考文献:
Ding Z, Gao Z, Zhou H, Park J. Effects of water aerobics on body composition in obesity and overweight people: a systematic review and meta-analysis. BMJ Open. 2025;15(3):e091743. Published 2025 Mar 11. doi:10.1136/bmjopen-2024-091743
