サプリメント市場は拡大を続け、テレビやSNS、インフルエンサーの発信を通じて、様々な健康効果が謳われています。しかし、広告での主張と実際の効果との間には大きなギャップがあり、消費者は適切な基準で製品を選ぶ必要があります。
サプリメントは本来、食生活で不足しがちな栄養素を補うためのものです。妊娠中の葉酸補給や鉄欠乏性貧血の治療における鉄分補給など、科学的根拠に基づき推奨されているものもあります。しかし、多くのサプリメントは効果のエビデンスが十分でなく、安全性や有効性について個別に判断する必要があります。
サプリメントを選ぶ際には、以下の3点が重要です。
- 本当に必要な成分であるか、またその効果に関する科学的根拠があるかを確認する。米国のCDCや産婦人科専門学会、Office of Dietary Supplementsといった公的情報が参考になります。
- どのような専門家や公的機関がそのサプリメントを推奨しているかをチェックする。個々の意見だけでなく、複数の医療専門家や信頼できる機関の勧告があるかどうかが、信頼性の判断材料となります。
- 第三者機関による検査を受けているかを確認する。日本では一般社団法人日本健康食品規格協会(JIHFS)が運用する健康食品GMP認証があります。この認証は、厳格な審査基準をクリアした製造施設で製造され、品質管理が徹底されている製品に与えられる認証です。日本では、政府によるサプリメントの品質検査が義務付けられていません。そのため、第三者認証は製品の信頼性を判断する上で重要な指標となります。
伝統医学や健康ブームに乗じた製品の中には、有害物質が混入している事例もあります。アーユルヴェーダ製品では、鉛などの有害金属が検出された事例もあり、広告だけでなく製品情報をしっかりと確認することが重要です。
サプリメントは医薬品とは異なり、国による厳格な品質検査が義務付けられていません。そのため、消費者自身が製品の安全性や有効性を判断する必要があります。信頼できる第三者認証を取得した製品を選ぶことは、健康被害を防ぐ上で非常に重要です。
