「幸福」についての探求は、どちらかというと哲学のような気もしますが、心理学の面からのアプローチも必要ですね。
最近の研究が示すところによると、(この研究者によれば)幸福感に大きく寄与するのは「情熱」と「セルフコントロール」の二つの要素なのだそうです。
この研究の結果を基に、自分なりの幸福に至るヒントを探ってみるのもいいかもしれません。
まず、幸福感を支えるのは「調和的情熱」なのだそうです。
これは、情熱を持ちながらも、無理なく日常生活を送る心構えのことです。
言い換えれば、自分が本当に大切にしている活動にバランスよく取り組むことを指します。
例えば、仕事や趣味、恋愛、友人との関係など、人生のさまざまな側面に情熱を注ぐことが、幸福感を高めることが分かっています。
この研究では、アメリカとカナダの若年成人約1700名を対象に、彼らが4つの主要な生活活動(学業、趣味、恋愛、友人関係)に対してどれだけ情熱を持っているかを調査しました。
結果、最も幸せな人々(上位25%)は、これらすべての活動に調和的情熱を持っていることが明らかになりました。
彼らは、バランスの取れた形で情熱を注ぐことで、より高い幸福感を得ているのでした。
では、家事や仕事のように、必ずしも楽しくない活動に対してはどうでしょうか?
同じ研究によると、幸福な人々はこれらの活動にも独自のアプローチを持っているようです。
彼らは、義務感や外部からのプレッシャーではなく、自分自身の選択と内的な価値観に基づいてこれらの活動を行っています。
これを「自律的動機づけ」と呼びます。
調査結果からは、最も幸福な人々は、楽しみを見いだしにくい活動にも自律的な動機づけで取り組むことで、ストレスを感じにくくしていることが示されていました。
例えば、毎日の家事に対しても「自分で選んでやっている」と感じることで、前向きな感情を保つのです。
この研究は、「情熱」と「セルフコントロール」が幸福感を支える要素だよと言っていますが、ではどうしたらそれが得られるのかというのは、研究の範囲外のようです。
「それができるんだったら言うことないんだけどな」というのが、私の本音です。
参考文献:
Vallerand, R.J., Robichaud, JM., Rahimi, S. et al. Who’s the Happiest and Why? The role of passion and self-regulation in psychological well-being. Motiv Emot 48, 505–530 (2024). https://doi.org/10.1007/s11031-024-10069-y
