この手の研究の時にいつも思うのですが、猫を長年飼っている方には「常識」なのかも知れないですね。
「猫が他の猫や人間の名前を覚えている」ということ。
生活圏に猫がほとんど存在しない私などは、「猫は何を考えているかわからない」というのが普通なので、「そうなんだ」と半信半疑でもあります。
そして、時々猫や犬がらみの論文を目にするので、ペット好きの研究者が多いのだろうなと微笑ましくも思います。
この研究では、家庭で飼われている猫と、カフェで暮らす猫たちを対象に実験が行われました。
実験1では、猫たちに同居する別の猫の名前を聞かせ、その後にその猫の顔写真を見せるという手法がとられました。
その結果、家庭で飼われている猫は、名前と顔が一致しない場合にモニターをより長く注視することが明らかになりました。
具体的には、家猫は「不一致条件」の際にモニターを注視する時間が増えたのです。
「え?名前違うんちゃう?」とでも思っているのでしょうか。
一方、カフェ猫はこのような反応を示さず、名前と顔を結びつける能力が家庭猫に比べて低いことが示されました。
実験2では、猫が人間の名前と顔を結びつける能力が調査されました。
家庭内で多くの人々と暮らす猫ほど、不一致条件でモニターを注視する時間が長くなることが分かりました。
さらに、家族と長く一緒に過ごしている猫では、この傾向がより顕著でした。
たとえば、5人の家族と180か月以上暮らしている猫は、名前と顔の一致がない場合に特に強い反応を示しました。
これらの結果は、猫が日常生活の中で他者のやり取りを観察しながら、名前と顔を学習していることを示しています。
また、特に家庭で飼われている猫は、私たちが思っている以上に私たちのことを理解している可能性があります。
名前を呼んで反応があるとき、それは単なる「おやつ待ち」ではなく、彼らが私たちの名前や顔をしっかりと結びつけて覚えている結果なのかもしれません。
猫たちがどのようにしてこのような学習をするのか、さらなる研究が求められていますが、今回の研究は猫たちの社会的認知能力が非常に高いことを示すものです。
猫は単なる「気まぐれなペット」ではなく、私たちと深いコミュニケーションを築いている存在かもしれない、というのが今回の研究の結論です。
ね?猫好きの人には、常識かも知れないといった意味がわかったでしょう?笑
参考文献:
Takagi, S., Saito, A., Arahori, M. et al. Cats learn the names of their friend cats in their daily lives. Sci Rep 12, 6155 (2022). https://doi.org/10.1038/s41598-022-10261-5

