グレート バリア リーフはオーストラリア北東部のクイーンズランド沖にあり、世界最大のサンゴ礁地帯です。
その広さは日本の国土とほぼ同じで、約2,300キロにわたる美しいサンゴ礁が広がっています。
この自然の奇跡は、1,500種以上の魚類や400種のサンゴ、さらにはウミガメやイルカなど、数え切れないほどの生物たちの住処となっており、その生態系の多様性と美しさは世界中から注目されています。
しかし、そんなグレートバリアリーフが今、危機に瀕しています。
最近の研究によると、過去400年間で海洋表面温度が最も高いレベルに達し、この温暖化がサンゴ礁に深刻な影響を及ぼしていることが明らかになりました。

特に2016年から2024年の間、コーラル海の1月から3月にかけての海面水温が記録的な高温を示し、その結果、グレートバリアリーフで5回もの大規模なサンゴの白化現象が発生しました。
当然と言えば当然ですが、白化現象は沖縄のサンゴだけに起こっていることではなかったのですね。
サンゴの白化とは、サンゴが高温ストレスによって体内の共生藻類を失い、真っ白になる現象です。
これが繰り返されると、サンゴは栄養を得られなくなり、最終的には死滅してしまいます。
実際、2016年と2017年の白化では、浅瀬のサンゴの50%以上が死亡しました。
このような白化現象は以前にも起きていましたが、これほどの規模と頻度で発生したのは近年が初めてです。
では、なぜこれほど海面温度が上昇しているのでしょうか?
原因は、私たち人間が大気中に排出している温室効果ガスです。
気候モデルによる分析からも、産業革命以降の人間活動が、これらの異常な温暖化を引き起こしていることが明確になっています。
このまま何もしなければ、グレートバリアリーフは毎年白化が発生する危険にさらされ続けると予想されています。
その結果、サンゴ礁に依存する生物多様性は大きな打撃を受け、私たちが享受している観光資源や漁業資源にも影響が及びます。
この美しいサンゴ礁を次世代に引き継ぐためには、温室効果ガスの排出を削減し、地球温暖化の進行を食い止めるための取り組みを強化することが求められています。
他人事ではありません。
参考文献:
Henley, B.J., McGregor, H.V., King, A.D. et al. Highest ocean heat in four centuries places Great Barrier Reef in danger. Nature 632, 320–326 (2024). https://doi.org/10.1038/s41586-024-07672-x

