細菌性髄膜炎とは、脳と脊髄を覆う膜に細菌が感染して炎症を引き起こす病気で、非常に危険な感染症です。
この病気の致死率は、過去80年間でどのように変化してきたのでしょうか。
新しい研究では、世界中で行われた多くの研究を基に、細菌性髄膜炎の致死率が時間の経過とともにどのように変化したかを詳細に調査しました。
以下のグラフは、細菌性髄膜炎の致死率が1940年から2020年にかけてどのように変化してきたかを、新生児、子供、大人の3つの年齢層に分けて示しています。

このグラフを見ると、1940年代には新生児の致死率が0.8を超えるなど非常に高かったことがわかります。
しかし、その後の80年間で致死率は大幅に改善され、特に2000年以降では各年齢層ともに致死率が0.1前後にまで低下しています。
これには、ワクチンの普及や抗生物質の進歩、抗炎症治療の導入が大きく関与しています。
細菌性髄膜炎の原因となる細菌には、髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌などがあり、これらの細菌が引き起こす髄膜炎の致死率はそれぞれ異なります。
リステリア菌が原因の場合、致死率は27%と非常に高く、髄膜炎菌によるものは9%、インフルエンザ菌によるものは11%と、比較的低い値を示しています。
全体的な改善が見られる中、低所得国における成人の致死率は依然として高いままです。
これは、医療へのアクセスが限られていること、HIV感染や栄養不良といった共存症が多いことが原因と考えられます。
また、診断が遅れたり、適切な治療が受けられなかったりすることも問題です。
細菌性髄膜炎の治療と予防は大きく進歩しましたが、依然として世界中で毎年多くの命が失われています。
特に低所得国では、さらなる医療支援が必要です。
ワクチンの普及を進めること、そして新たな治療法を開発することが、今後の大きな課題となるでしょう。
このように、細菌性髄膜炎の歴史を振り返ると、私たちの医療技術がどれほど進化してきたかがわかります。
しかし、全ての患者が適切な治療を受けられる将来を目指して、さらなる努力が求められるものです。
参考文献:
van Ettekoven CN, Liechti FD, Brouwer MC, Bijlsma MW, van de Beek D. Global Case Fatality of Bacterial Meningitis During an 80-Year Period: A Systematic Review and Meta-Analysis. JAMA Netw Open. 2024;7(8):e2424802. Published 2024 Aug 1. doi:10.1001/jamanetworkopen.2024.24802

