対面での交流よりもスマートフォンを優先してしまう「ファビング(phubbing)」という行動については、このブログでも何度か取り上げました。
この行動が私たちの心や人間関係にどのような影響を及ぼしているのかを探るために、ある研究が行われました。
この研究では、まず「自己をしっかり持つ力」という概念に注目しました。
これは、自分の考えや感情を大切にしながら、他人と健全な関係を築く力のことです。
この力が強い人は、感情に流されず、自分自身をしっかりと持ちながら他人と関わることができます。
一方、この力が弱い人は、感情的になりやすく、他人に依存しがちです。
研究の結果、この力が弱い人ほどファビング行動に陥りやすいことがわかりました。
その理由の一つとして、「見逃し恐怖症(Fear of Missing Out, FoMO)」が挙げられます。
FoMOとは、自分が他人の楽しい経験から取り残されているのではないかという不安感のことです。
この力が弱い人は、この不安感を強く感じやすく、スマートフォンを手放せなくなるのです。
また、研究では性別による違いも明らかになりました。
女性は男性よりも感情的反応が強く、他人に依存しやすいことがわかりました。
これに対して、男性は自分の考えをしっかり持つ傾向にありました。
これらの違いは、性別によって異なるこの力の側面がファビング行動に影響を与えることを示しています。
さらに、恋愛関係の満足度や親密な関係での孤独感も調査されましたが、これらが直接的にファビング行動に影響を与えるという証拠は見つかりませんでした。
しかし、これらの要素も自分をしっかり持つ力に関連しており、間接的に影響を与える可能性が示されました。
この研究は、自分をしっかり持つ力とファビング行動の関係を深く理解するための重要な手がかりを提供しています。
この力の弱さが見逃し恐怖症を引き起こし、結果的にスマートフォン依存に繋がるというメカニズムです。
参考文献:
Peleg, O., Boniel-Nissim, M. Exploring the personality and relationship factors that mediate the connection between differentiation of self and phubbing. Sci Rep 14, 6572 (2024). https://doi.org/10.1038/s41598-024-55560-1

