ベンゾジアゼピンの認知症リスクへの影響

ベンゾジアゼピンの認知症リスクへの影響

 

ベンゾジアゼピンという薬があります。

これは、不安や不眠を和らげるためによく使われている薬です。

特に高齢者の間でよく処方されており、日本でも多くの人が使っています。

しかし、これらの薬が長期間使用されると、認知症のリスクが増加するのではないかという懸念がありました。

今回の研究では、オランダのロッテルダム研究に参加した5443人の高齢者を対象に、ベンゾジアゼピンの使用と認知症リスクの関連を調査しました。

この研究は、1991年から2008年までの薬の処方記録を基に行われ、平均11.2年間の追跡調査が行われました。

参加者の平均年齢は70.6歳で、57.4%が女性でした。

研究の結果、5443人のうち2697人(約50%)がベンゾジアゼピンを使用しており、そのうち約13%が研究開始時点でも使用を続けていました。

追跡期間中に726人(約13%)が認知症を発症しましたが、ベンゾジアゼピンの使用が認知症のリスクを有意に増加させることはありませんでした。

つまり、ベンゾジアゼピンを使用している人と使用していない人との間で、認知症になるリスクに大きな差は見られなかったのです。

しかし、一方で、特定の種類のベンゾジアゼピン、特に高用量の抗不安薬を長期間使用した場合には、若干のリスク増加が見られました。

また、脳の画像解析では、ベンゾジアゼピンを現在使用している人の海馬や扁桃体、視床の体積が減少していることが明らかになりました。

海馬は記憶に関与する重要な脳の部分であり、その体積の減少は記憶力の低下と関連しています。

この研究は、ベンゾジアゼピンの使用が必ずしも認知症のリスクを高めるわけではないことを示しましたが、一部の薬や使用量によっては影響がある可能性があることを示しています。

そのため、ベンゾジアゼピンを使用する際には、医師とよく相談し、必要最小限の使用にとどめることが重要です。

長期的な健康を考えると、薬に頼りすぎないということが大事なポイントとなるでしょう。

規則正しい生活習慣や適度な運動、バランスの取れた食事が大切だということですね。

 

参考文献:

Hofe IV, Stricker BH, Vernooij MW, Ikram MK, Ikram MA, Wolters FJ. Benzodiazepine use in relation to long-term dementia risk and imaging markers of neurodegeneration: a population-based study. BMC Med. 2024;22(1):266. Published 2024 Jul 2. doi:10.1186/s12916-024-03437-5