学校検尿もそうですが、健診などでほぼ必ず行われるのが「尿検査」ですね。
尿検査で重要なのが、尿糖やタンパク尿の有無です。
なかでも「尿タンパク陽性」が続くと、腎疾患の存在が疑われるので、二次精査をすすめられることになります。
改めて説明すると、現在の尿検査の流れは、以下のようになります。
尿の定性検査で(+)か(-)かを判定する。
(+)ならば、定量検査を行って、尿にタンパクがどれだけ出ているかを測定する。
尿中のタンパク量が、基準値よりも多く、それが持続しているのであれば、さらなる精密検査を行う。
今回紹介する研究では、CKD患者と健康な人の尿中に含まれるタンパク質を詳しく調べたものでした。
しかも、現行検査の定性や定量ではなく、尿中にどんなタンパク質が存在しているのかを分析したものです。
まず、CKDの進行と尿中のタンパク質の関係を探るために、88人のCKD患者と49人の健康な対照者から24時間尿サンプルを採取しました。
特に注目すべきなのは、いくつかのタンパク質が腎機能と強く関連していたことです。
B2MG、FETUA、VTDB、AMBPなどのタンパク質は、CKD患者において腎機能と強い負の相関を示しました。
つまり、これらのタンパク質の濃度が高いほど腎機能が低下していました。
一方で、A1AG2、CD44、CD59、CERUなどのタンパク質は、腎機能と正の相関を示し、これらのタンパク質の濃度が高いほど腎機能が良好であることが示されました。
さらに、これらのタンパク質の役割を詳しく調べたところ、腎機能と負の相関を持つタンパク質は組織や構造の恒常性、免疫応答に関与していることがわかりました。
一方、正の相関を持つタンパク質は細胞外マトリックスの組織化、細胞接着、凝固、および酵素活性の調節に関与していました。
この結果が示すのは、特定の尿中タンパク質がCKDの早期発見や治療に役立つ可能性があるということです。
具体的には、B2MGやFETUAのようなタンパク質のレベルを測定することで、腎機能の低下を早期に検出し、適切な治療を開始する手助けとなるかもしれません。
また、これらのタンパク質の変動をモニタリングすることで、CKDの進行を抑制する新たな治療法の開発にもつながる可能性があります。
定性や定量検査から、一歩進んだ尿検査が主流になる時代がくるかも知れませんね。
参考文献:
Makhammajanov Z, Kabayeva A, Auganova D, et al. Candidate protein biomarkers in chronic kidney disease: a proteomics study. Sci Rep. 2024;14(1):14014. Published 2024 Jun 18. doi:10.1038/s41598-024-64833-8
