痛風の治療:尿酸値か症状か

痛風は、体内の尿酸が過剰に増えることで関節に結晶ができ、炎症を起こし、激しい痛みを引き起こします。

痛風発作の痛みを一度でも経験したことのある人なら、普段から尿酸値をコントロールする重要性を理解しているでしょう。

しかし、その痛みを忘れてしまった人は「症状がなければいいかな」と治療を中断しがちです。

これは「喉元過ぎればなんとやら」を地で行っていますね。

症状がなくても尿酸値を目標にした治療法(T2T:Treat-to-Target)を選ぶべきか、それとも症状が出たら治療をする方法(T2S:Treat-to-Symptom)を選ぶべきか。

このテーマについて、大規模な研究が行われました。

尿酸値を目標とする治療法、T2Tは血中の尿酸値を0.36 mmol/L(6 mg/dL)以下に保つことを目指します。

一方、T2Sは症状が出たときに対処する方法です。

これら二つの方法を比較するため、8つの病院で308人の痛風患者を対象にした研究が実施されました。

患者は無作為にT2TグループとT2Sグループに分けられ、それぞれの治療を1年間受けました。

その結果、T2Tグループでは痛風の発作が少なく、尿酸値も低く保たれていることが確認されました。

具体的には、T2Tグループの患者は年間平均1.3回の発作を経験しましたが、T2Sグループは1.85回でした。また、

尿酸値が目標以下に達した患者の割合はT2Tグループが72%、T2Sグループは26%でした。

この結果から、尿酸値をコントロールすることが痛風の発作を予防する上で非常に効果的であることがわかりました。

一方で、痛みの程度や生活の質といった二次的な指標については、1年間の観察では大きな差が見られませんでした。

この点については、引き続き2年間のデータを収集し、詳しく分析する予定だそうです。

結論として、「症状がなければ放っておいてもいい」という考え方は否定されたのでした。

尿酸値をしっかりとコントロールすることで、痛風の発作を減らし、生活の質を向上させることができるのです。

しかし、実際には多くの人が症状管理に重きを置いている気がします。

たとえば、健診で「尿酸値が高い」と指摘されても、「症状がないから」と放置している人が少なくないのがその例です。

この研究結果が広く認知されることを期待しているところです。

 

参考文献:

Moses A, Oude Voshaar M, Jansen T, et al. “Treat to Target in Gout Yields Superior Outcomes Compared to Treat to Avoid Symptoms Approach (Results from Gout Treatment Strategy (GO TEST) Overture Trial).” Annals of the Rheumatic Diseases 2024;83:86.