インターネット上でよく見かける、簡単で楽しいクイズ。
でも実は、このようなクイズが私たちの意見や考え方に影響を与えているかもしれません。
最近の研究では、この現象を「オピニオンマッチング効果(OME)」と呼び、オンラインのクイズがどのように人々の意見を変えるか調べています。
まず研究者は、実際のクイズサイトを使って、偶然に答えを選び続ける実験をしました。
例えば、「My Political Personality」というサイトで300回クイズを試した結果、民主党が48%(144回)、共和党が28%(84回)、リバタリアンが24%(72回)と、理想的にはほぼ同じ割合になるはずが大きく偏っていました。
このことから、クイズの作り方や結果の出し方に問題があるのではないかと考えられました。
さらに、研究者はアメリカの有権者773人に対して、クイズが投票意見にどのように影響するかを調べました。
参加者は、問題の数や読みやすさが違う4種類のクイズを受け、クイズを受ける前後で投票の意思が変わったかどうか調べました。
その結果、クイズが意見を変える力は全体で75.5%と高く、特に問題が8つで読みづらいクイズでは95.2%もの人の意見が変わりました。
つまり、多くの人が気づかないうちに、クイズの結果に影響されて考えを変えてしまったのです。
この研究からわかることは、一見ただの遊びに見えるオンラインのクイズでも、人々の意見や選択に強い影響を与える可能性があるということです。
マーケティングや政治の世界では、小さな数字の操作が大きな影響を生むこともあるため、私たちは普段目にする情報の目的や背景を意識する必要があります。
今の情報社会は自由で様々な情報にあふれていますが、その自由さの中で無意識に意見が操作される危険もあります。
この研究は、自分が気づかないうちに大きな影響を受ける可能性があることを教えてくれます。
受け取る情報について常に注意深く、客観的に判断する姿勢を持つことがより大切だということですね。
参考文献:
Epstein R, Huang Y, Megerdoomian M, Zankich VR. The “opinion matching effect” (OME): A subtle but powerful new form of influence that is apparently being used on the internet. PLoS One. 2024;19(9):e0309897. Published 2024 Sep 12. doi:10.1371/journal.pone.0309897
