星空をながめる環境は畏敬の念と天文学への関心を高める

星空をながめる環境は畏敬の念と天文学への関心を高める

 

夜空の星々を見上げるとき、ヒトは何を感じるでしょうか?

夜空に輝く無数の星々は、宇宙の神秘を感じさせ、時に私たちを畏敬の念に包むものです。

しかし、光害と呼ばれる人工光によって、夜空の星々を見る機会が減少しています。

これが、私たちの感情や科学への興味にどのような影響を与えているのか、最新の研究結果が明らかにしました。

 

まず、光害とは何かをご説明します。

光害とは、都市の明かりや街灯などが夜空を明るくし、星々の光をかき消してしまう現象です。

この研究では、アメリカの各州で光害の程度を測定し、それが人々の「宇宙への畏敬の念」にどのように影響するかを調査しました。

 

結果は、ある意味予想された通りでした。

光害が少ない地域では、「宇宙への畏敬の念」を感じる人の割合が高くなることが明らかになりました。

この感情は、天文学への興味と密接に関係しており、例えば、Googleで「天文学」に関連する情報を検索する頻度や、市民が天文関連プロジェクトに参加する割合が高いことが示されました。

 

具体的な数字で見てみましょう。

光害が少ない地域では、「宇宙への畏敬の念」を感じる人の割合は、光害の多い地域に比べて50%も高いことがわかりました。

また、この感情を持つ人々は、天文学に関連するインターネット検索を行う頻度が52%も高く、さらに、NASAのプロジェクトに積極的に参加する傾向があることが確認されました。

さらに、光害の少ない地域では、人々が「インターステラー」などの天文学をテーマにした映画を視聴する割合が50%高く、NASAのニュースレターに登録する割合も37%高いことが分かりました。

これらの結果は、光害が減ることで、私たちの科学への興味や関心が高まる可能性を示しています。

 

この研究は、光害が生物や環境に与える影響だけでなく、私たちの感情や行動にも大きな影響を及ぼすことを示しています。

ですから、私たちの住む環境で光害を減らす取り組みが、未来の科学者を育てるためにも重要だということになります。

夜空を見上げて、星々の輝きを楽しむことができること自体が、当たり前だと思わないことが第一歩なのかも知れませんね。

 

参考文献:

Barragan, R.C., Meltzoff, A.N. Opportunity to view the starry night sky is linked to human emotion and behavioral interest in astronomy. Sci Rep 14, 19314 (2024). https://doi.org/10.1038/s41598-024-69920-4