COVID-19の感染後に続く長引く症状、いわゆる「Long COVID」についての理解はまだ進んでいません。
まず、Long COVIDの定義が非常に曖昧であることが大きな問題となっています。
現在の定義では、COVID-19に感染してから3ヶ月経っても何らかの症状が続いている場合を、すべてLong COVIDと見なされます。
この定義では、症状が新たに発生したものかどうかさえ問われません。
これでは、症状の原因を特定し、効果的な治療法を見つけることが難しくなります。
研究の難しさはさらに深刻です。
Long COVIDの研究では、自己申告に基づくデータが多く使われます。
例えば、「COVID-19に感染したと思うか?」や「完全に回復したか?」といった質問に対する回答を集めています。
しかし、自己申告は主観的であり、実際の健康状態を正確に反映しないことがあります。
結果として、症状の真の原因を特定するのが難しくなります。
実際の研究結果によると、4708人のうち842人(約18%)が90日以内に完全に回復していないと報告しました。
特に、喫煙者や糖尿病患者、肥満者は回復に時間がかかる傾向が見られました。
また、女性は平均的に回復が遅いことがデータから示されています。
このようなデータは、特定の要因がLong COVIDの回復にどのように影響するかを理解するための重要な手がかりとなります。
さらに、予防接種の効果も見逃せません。
予防接種を受けた人々は、受けていない人々に比べて回復が早いことがわかりました。
これは、予防接種がLong COVIDの症状軽減に役立つ可能性を示しています。
しかし、これだけではLong COVIDの全体像を把握するには不十分です。
誤分類バイアスの問題も見過ごせません。
症状がある人を全員Long COVIDと診断してしまうと、本当にLong COVIDで苦しんでいる人たちの特徴や傾向が見えにくくなります。
そのため、研究者たちは、Long COVIDの正確な理解と効果的な治療法の開発には、より具体的で厳密な定義が必要だと強調しています。
参考文献:
Oelsner EC, Sun Y, Balte PP, et al. Epidemiologic Features of Recovery From SARS-CoV-2 Infection. JAMA Netw Open. 2024;7(6):e2417440. doi:10.1001/jamanetworkopen.2024.17440
