カメが長寿のわけ

  「鶴は千年、亀は萬年」というように、カメは長寿の象徴として扱われています。 約2億年前、恐竜が地球を歩き、空を支配していた時代に、カメはその姿を現しました。 それは、現代に至るまで続いています。 カメの平均寿命は約1…

飛んでいる虫が灯りに集まる理由

    夜の道で、街灯の周りを虫たちが飛び回っているのを見ることがあります。 あらゆる種類の昆虫が夜になると灯りの周りに集まります。 上の絵、速水御舟の「炎舞」に描かれているような、炎に身を焼かれてしまっても、どうしても…

「老化」は細胞同士の対話で決まる?

  ヒトの身体は、一見すると個々の部品が独立して機能しているように見えますが、実際はそれぞれが密接に連携し、情報を共有しながら働いています。 臓器について言えば、脳と腸、心臓と腎臓などの間で互いに作用を及ぼしあいながら病…

現実と想像の境界

  「これは現実か、それともただの空想か?」という問いは、私たちの脳が日々直面する課題です。(哲学的な思考実験ではありません。) 視覚からの情報と想像上のイメージは、脳内で似たような神経活動を引き起こしますが、それらが生…

呼吸が強化する睡眠中の記憶

  今日紹介するのは「呼吸が強化する睡眠中の記憶」というテーマについてのお話です。 睡眠は、もちろん身体の休息だけではありません。 脳はこの時間を使って、日中の出来事や学んだことを整理し、記憶として定着させています。 研…

人はなぜ陰謀論を信じるのか?

  人はなぜ陰謀論を信じるのか? 陰謀論と言えば、最近ではもっぱらSNSを通じて拡散されていくという印象ですが、私の中では、陰謀論の総本山といえば「月刊『ムー』」が真っ先に頭に浮かびます。 5代目編集長・三上丈晴氏の著書…

帯状疱疹ワクチンの効果

  帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化によって生じます。 このウイルスは、水痘(水ぼうそう)に感染すると体内に潜伏し、免疫力の低下とともに再び活性化してくるのです。 幼いころにかかった水ぼうそうが、成…

「身体活動ガイドライン」

  世の中には、様々な「ガイドライン」で溢れています。 そして、多くの人々がそれを重要であると感じています。 例えば、最近ではCOVID-19パンデミックのような危機的状況で、これらのガイドラインが人々の健康を保護し、安…

「必要な不快感」と「不必要な不快感」

  どの分野でもそうなのでしょうが、特に医学や医療の分野は、知識と技術だけでなく、心の強さも求められます。 そして、最近の医学教育のありようは、かつてとは大きく異なるものになりつつあるのを感じています。 例えば、私がイン…

ポリファーマシーについて

  高齢化社会が進む中、複数の多くの薬を長期にわたって服用する「ポリファーマシー」という状況が問題視されています。 この状況は、増加する医療費や患者のQOL(生活の質)の低下に直結しているため、医療界では以前から注目され…

目標は「何をする!」に置き換える

  今回のお話は新年の決意に関する面白い研究です。 この研究は、人々が新年に立てる目標の成功率について、特に「アプローチ指向の目標」対「回避指向の目標」という観点から分析しています。 この研究はスウェーデンのストックホル…
人差し指と薬指の長さの不思議

人差し指と薬指の長さの不思議

  人間の身体は内面を映し出す鏡だと語られることがあります。 手相や人相占いがその代表ですが、最近では「指の長さでわかる〇〇」といった広告を目にすることも少なくありません。 多くは気軽な読み物の一部として流れていきますが…

「百薬の長」としての適量

  「百薬の長」という表現は、一般的に「酒」を指す言葉として使われます。 この成句は、中国の古典文学にその起源を持ち、特に「酒は百薬の長」という形で引用されることが多いです。 この言葉の出典は、『後漢書』にある「杜康伝」…

炎症とソーシャルメディアの使用

  最近の研究によると、ソーシャルメディアの使用と体内の炎症レベルに興味深い関連があることが明らかになりました。 C反応性タンパク質(CRP)は炎症レベルの測定に使用されるマーカーですが、炎症レベルが高い人は、ソーシャル…

「停滞のパラドックス」

  進化は、時には速く、時には遅く進みます。 このシンプルだけれども複雑な現象は、長年にわたり生物学者たちを悩ませてきました。 しかし、最近のある研究が、この謎を解き明かす手がかりを提供しています。 その鍵となるのは、ア…

腎臓の検査と心疾患のリスク

この世にあるものは、時に、見えない糸で結ばれた複雑なパズルに例えられることがあります。 「健康」についてもそうです。 私たちはその一部を見て、全体を理解しようとします。 例えば、最近の研究によれば、尿中のアルブミンとクレ…

親と子どもの関係

  「親が子どもに嘘をつく」 最近はホワイト社会といわれていますから、字面にしてしまうと「嘘をつくなんて」とか、「そんなことありえない」という声が聞こえてきそうですね。 けれども、その子どもが幼児なら、子育て中の親は日常…

塩分摂取と慢性腎臓病(CKD)のリスク

私たちの生活において塩は重要な役割を果たしていますが、その摂取量が健康に与える影響についてはよく議論されてきたものです。 今回は、食事に塩を加える習慣と慢性腎臓病(CKD)のリスクについての研究です。   元論文はこちら…

酒飲み用語としての「アルコール消毒」の真偽

お酒が好きな方々の間では、「アルコール消毒」という表現はよく使われますね。 これは「お酒を飲んで体内の病原体を消毒してしまおう」というユーモラスなたとえですが、このジョークを「根拠なし」と決めつけるのは早計のようです。 …

ペットを飼うことと認知機能

私が中学から高校にかけて、家には小型犬がいました。 従姉弟が生後すぐに飼い始めたのですが、引っ越しなどが重なって私の家に引き取られたものです。 チェリーと名づけられたその犬に、私は何度も勝手な問わず語りをくりかえしたもの…