ブラジルナッツが炎症を和らげる?

ブラジルナッツが炎症を和らげる?

 

過体重や肥満に悩む方にとって、「慢性炎症」は見逃せない問題です。

この軽度ながら慢性的に続く炎症は、糖尿病や高血圧など、さまざまな生活習慣病と密接に関連しており、体調不良の原因になることもあります。

 

最近の研究では、ブラジルナッツを少量摂取することで、体内の炎症が軽減され、腸の健康が向上する可能性があることが示されています。

なぜブラジルナッツなのでしょうか?

その秘密は、ナッツに豊富に含まれる「セレン」という抗酸化物質にあります。

 

研究では、8週間にわたり、56人の女性がエネルギー制限食を実施しました。

対照群はナッツを含まない食事を続け、一方でブラジルナッツ群は毎日8g(およそ2粒)のナッツを摂取しました。

ブラジルナッツ群では、血液中のセレン濃度が大幅に上昇し、炎症を抑える働きが強まったという結果が出ました。

CRPやTNF、IL-1β、IL-8といった炎症マーカーが大幅に減少し、腸透過性も改善されたのです。

腸透過性とは、腸壁を通り抜ける物質の量を示し、この値が改善されることは、腸の健康において重要です。

 

興味深いのは、エネルギー制限による体重減少が両グループで同程度見られたにもかかわらず、ブラジルナッツを摂取したグループでのみ、炎症が有意に改善された点です。

セレンが豊富なブラジルナッツを毎日摂取することで、体内の抗酸化システムが強化され、炎症を引き起こす物質が減少したと考えられています。

 

しかし、ブラジルナッツの効果はセレンだけでは説明できないかもしれません。

ナッツには不飽和脂肪酸や食物繊維も含まれており、それらが腸内環境を改善し、炎症の抑制に寄与した可能性もあります。

セレンの摂取量が適度である限り、このナッツは体に有益であると考えられますが、過剰摂取は逆に健康を害する恐れがあるため注意が必要です。

 

ブラジルナッツの摂取を習慣にすることで、体内の炎症をコントロールし、腸の健康を維持する可能性が高まります。

肥満や過体重の問題に悩む方にとって、このナッツはシンプルながらも強力な味方となるかもしれません。

健康的な食生活を目指す際の一つの選択肢として、ブラジルナッツを取り入れる価値は十分にありそうです。

 

参考文献:

Silveira BKS, Silva AD, Rocha DMUP, et al. Brazil Nut (Bertholletia excelsa H.B.K.) Consumption in Energy-Restricted Intervention Decreases Proinflammatory Markers and Intestinal Permeability of Women with Overweight/Obesity: A Controlled Trial (Brazilian Nuts Study). J Nutr. 2024;154(9):2670-2679. doi:10.1016/j.tjnut.2024.07.016