女性は、胸が大きな女性に対して攻撃的になる

女性は、胸が大きな女性に対して攻撃的になる

 

「ヘンな論文」好きの私にとって、確かにこのタイトルには思わず食指が伸びてしまいました。

「女性は、大きい胸の女性に対して攻撃的になる」

確かにセンセーショナルなトピックとして注目を集めやすいかも知れませんね。

しかし、今は「女性の敵は女性」という文言でさえ疑問符が打たれる令和の時代です。

軽々しく、女性同士の対立を強調し、性別間の連帯や協力を無視してはいけません。

ということで、この論文を「批判的吟味」しながら読んでみることにしました。

この研究では、胸のサイズが大きい女性が他の女性から口頭や間接的な攻撃を受けやすいという結果が示されました。

この研究にはテキサスA&M国際大学の114名のヒスパニック系女性が参加しました。

彼女たちは、さまざまなサイズとたるみのレベルの胸のCG画像を見せられ、それに対する反応を評価しました。

結果、大きな胸(特にDカップ)を持つ女性が他の女性から攻撃されやすいことがわかりました。

しかし、胸のたるみのレベルは攻撃の可能性に影響を与えず、また、女性の競争心の強さも関連しないことが明らかになりました。

まず、この研究のサンプルは限られた人種と地域の女性に限定されていることが問題と言えます。

つまり、結果の一般化には注意が必要です。

他の文化や背景を持つ女性に対してはどうなのか?という疑問が普通につきまといます。

次に、研究で使用された画像はプログラムで作成されたCGであり、実際の写真ではありません。

このため、参加者が画像をどれだけ現実的に感じたかが結果に影響を与える可能性があります。

実際に、日常的に「人にススメられたけど、そのマンガは絵が苦手で読む気にならない」という話はよく聞きます。

胸の画像ではなく、画像の種類そのものが嫌いなら、話が違ってきます。

また、攻撃行動の測定方法も検討が必要です。

この研究では、口頭および間接的な攻撃の可能性を7ポイントのリッカート尺度で評価しました。

しかし、実際に行動するかどうかは別の話です。

行動観察や複数の評価方法を組み合わせることが必要となります。

さらに、胸のサイズ以外にも多くの要因が女性同士の競争や攻撃行動に影響を与える可能性があります。

自己評価、社会的地位、文化的背景、過去の経験など、他の要因を考慮に入れた研究が必要です。

胸のサイズだけが攻撃行動の主な要因であると結論づけるのは早計な気がします。

つまり、この結論が誤解を招いたり、偏見を助長したりするリスクがあることを考慮する必要があるということです。

とはいえ、私たちが日常生活で経験する競争行動の多くは、進化の過程で形作られたものだとされています。

こうした研究を通じてそのメカニズムを理解しようとするチャレンジは、もしかしたら無駄ではないかも知れません。

 

参考文献:

Garza R, Pazhoohi F. The role of breast morphology in women’s rival derogation tactics. *Sexes*. 2024;5(3):163-170. doi:10.3390/sexes5030012.