「健康長寿」を目指すには、脳卒中は世界中で重大な健康問題となります。
近年の研究により、「孤独感」が脳卒中のリスクを高める可能性があることが明らかになってきました。
この研究は、孤独感が脳卒中の発症にどのように影響するかを調査し、特に長期間にわたる孤独感がどのようにリスクを高めるかを明らかにしようとしました。
この研究では、50歳以上のアメリカ人成人を対象に、2006年から2018年にかけて行われた「Health and Retirement Study」のデータを使用しました。
孤独感は「Revised UCLA Loneliness Scale」というスケールを使って測定されました。
このスケールは、孤独感を数値化し、そのスコアに基づいて高孤独感と低孤独感に分類するものです。
研究の結果、ベースライン(最初の調査時点)で孤独感のスコアが高い人は、その後の10〜12年間にわたって脳卒中を発症するリスクが高いことが分かりました。
具体的には、孤独感のスコアが1ポイント上がるごとに、脳卒中のリスクが5%増加することが確認されました。
また、常に高い孤独感を感じている人は、孤独感をあまり感じていない人に比べて脳卒中を発症するリスクが56%高いことも示されました。
重要なのは、この研究が孤独感とうつ症状や社会的孤立を区別して分析している点です。
多くの研究では、これらをまとめて扱うことが多いですが、この研究では孤独感が独立したリスク要因であることを示しています。
うつ症状や社会的孤立とは別に、孤独感そのものが脳卒中のリスクを高める可能性があるということです。
さて、この結果を逆手にとって、対策を立てることは可能でしょうか。
つまり、孤独感を軽減することで、脳卒中の予防につながるのではないかという発想です。
それならば、孤独感を感じている人々に対する支援や対策が、健康を守る上で重要であると言えます。
参考文献:
Soh Y, Kawachi I, Kubzansky LD, Berkman LF, Tiemeier H. Chronic loneliness and the risk of incident stroke in middle and late adulthood: a longitudinal cohort study of U.S. older adults. EClinicalMedicine. 2024;66:102639. doi:10.1016/j.eclinm.2024.102639.
