「認知症を防ぐには何ができるか?」というテーマの研究は多いです。
その背景には、決定的な予防策がまだ確立していないということがあります。
私のスタンスとしては「健康にいいと思うことは何でもやってみるべし!」なので、今回紹介するのも、そういった類になります。
最近の研究で、オリーブオイルの摂取が認知症関連の死亡リスクを低下させる可能性が示されました。
この研究は、1990年から2018年までの約28年間にわたって、アメリカの大規模な健康調査データを用いて行われました。
参加者は、心血管疾患やがんの既往歴がない約92,000人の男女です。
研究の結果、1日あたり7グラム以上のオリーブオイルを摂取する人は、ほとんどオリーブオイルを摂取しない人に比べて、認知症に関連した死亡リスクが28%低いことがわかりました。
この効果は、食事の質に関係なく一貫して観察されました。
つまり、地中海食やAlternative Healthy Eating Index(AHEI)などの健康的な食事と組み合わせても、オリーブオイル自体が独立してリスクを低減する効果があるということです。
さらに、マーガリンやマヨネーズをオリーブオイルに置き換えることで、認知症関連の死亡リスクがさらに低下することも示されました。
特にマーガリンやマヨネーズにはトランス脂肪酸が含まれているため、それらを健康的なオリーブオイルに替えることで、脳の健康を保つ助けになると考えられます。
興味深いことに、この効果は女性において顕著である点です。
女性では、オリーブオイルの摂取が認知症関連の死亡リスクを大幅に低下させることが確認されましたが、男性では統計的に有意な関連は見られませんでした。
この性差については、脳の構造やホルモンの違い、社会的要因などが影響している可能性があります。
オリーブオイルには、抗酸化作用や抗炎症作用があるとされる成分が豊富に含まれています。
これらの成分が、脳の健康を守り、認知症の発症を抑えるのに役立っていると考えられます。
また、オリーブオイルを使うことで、血管の健康が保たれ、全身の循環が改善されるため、これも脳の健康に寄与しているのでしょう。
普段の食生活にオリーブオイルを取り入れることは、簡単で効果的な予防策かもしれません。
元論文:
Tessier AJ, Cortese M, Yuan C, et al. Consumption of Olive Oil and Diet Quality and Risk of Dementia-Related Death. JAMA Netw Open. 2024;7(5):e2410021. Published 2024 May 1. doi:10.1001/jamanetworkopen.2024.10021
