握力の強さは慢性腎臓病の高齢患者の認知機能と関連する

 

慢性腎臓病(CKD)は、腎臓の機能が徐々に低下する病気で、特に進行すると様々な健康問題を引き起こす可能性があります。

その中の一つが認知機能の低下です。

高齢者の中でも、特にCKDのステージ3から5の段階にある人々は、このリスクが高いとされています。

最近の研究で、握力が認知機能とどのような関連があるかが調査されました。

具体的には、アメリカの健康と栄養に関する大規模な調査データを用いて、60歳以上のCKD患者678人のデータが分析されました。

研究者たちは、記憶や言語能力などを測定する複数のテストを用いて、参加者の認知機能を評価しました。

この研究の結果、握力が強い人は、特定の認知テストで高得点を取ることが多いということがわかりました。

特に、記憶を要するテストや、記号を迅速に認識して対応するテストでの得点が高かったの

です。

性別によっても差があり、男性は即時記憶に、女性は作業記憶や注意力において握力が高いほどより良い成績を示しました。

この研究から、握力がただの筋肉の強さを示すだけでなく、特に高齢のCKD患者においては認知機能の良い指標になる可能性があることが示されています。

CKD患者の日常的な健康管理において、握力をチェックすることが、認知機能の変化に気づく手がかりとして役立つかもしれません。

今後の研究では、この関連をさらに詳しく調べることが重要です。

なぜなら、CKD患者にとって認知機能は生活の質に大きく影響するからです。

また、性別や年齢、病状によって異なる影響があるかもしれないため、個々の患者に最適な対策を見つけるためには、さらに多くの情報が必要です。

 

元論文:

McGrath R, Robinson-Lane SG, Cook S, et al. Handgrip Strength Is Associated with Poorer Cognitive Functioning in Aging Americans. J Alzheimers Dis. 2019;70(4):1187-1196. doi:10.3233/JAD-190042