いつも悪夢に悩まされる中年男性は、認知症リスクが高いかも知れない

いつも悪夢に悩まされる中年男性は、認知症リスクが高いかも知れない

 

不安な夢、いわゆる悪夢が、認知機能の低下や認知症のリスクと関連しているかも知れないという研究があります。

この研究は、中年期および高齢者を対象に行われました。

具体的には、不安な夢を週に1回以上見る人は、認知機能が急速に低下するリスクが4倍に達することが分かりました。

また、高齢者においても同様の傾向が見られ、週に1回以上不安な夢を見る人は、認知症を発症するリスクが2.2倍高いことが明らかになりました。

さらに、この研究は女性よりも男性の方が関連が強いことが確認されました。

この性別による差異は、よくわかっていません。

これらの結果から、不安な夢は単なる一時的なストレス反応ではなく、神経変性の初期兆候である可能性が示されています。

つまり、認知症の早期発見と予防に役立つ可能性があります。

悪夢の頻度をスクリーニングすることで、認知症リスクがある個人を早期に特定し、適切な予防戦略を講じることができるかもしれません。

個人的には、明恵上人や河合隼雄氏のように、今からでも夢の記録をした方が良いかも知れないと思いました。

 

参考論文:

Otaiku AI. Distressing dreams, cognitive decline, and risk of dementia: A prospective study of three population-based cohorts. EClinicalMedicine. 2022;52:101640. Published 2022 Sep 21. doi:10.1016/j.eclinm.2022.101640