「薪は薪、灰は灰」

    道元の「正法眼蔵」を禅の指南書としてではなく、哲学書として読むとそれほど難解ではなくなると教えてくれたのは、ひろさちやさんでした。(「100分de名著」ブックス 道元 わからないことがわかるということが悟り) そ…

AIとコミュニケーション

  ChatGPTやNotion AIなど、最近のAIの進歩には目覚ましいものがあって、なかなか話題についていくこともできません。 この分野の飛躍的な進歩については、いろいろと仮説があったりしますが、いよいよシンギュラリ…

「幸せの黄色いワーゲン」

  小学生の頃、フォルクスワーゲンにまつわる都市伝説が盛んに広まっていました。 考えてみれば「都市伝説」という言葉さえなかった時代です。 例えば、遠足の時のバスの中で、目的地までに「フォルクスワーゲンを何台見つけることが…

教育テレビ「はたらくおじさん」

  「シン・仮面ライダー」を観たその晩、大脳皮質が刺激されたのか、古い記憶の中からつい口ずさんで漏れてきたメロディがありました。 終盤のフレーズのようですが、歌詞があやふやです。 タリラリタララ…で歌いながら、輪郭が浮か…

映画「シン・仮面ライダー」

  週末に映画「シン・仮面ライダー」を観てきました。 テレビの「仮面ライダー」は昭和46年から放送開始されましたから、昭和40年生まれの私はリアルタイムで見て育ってきた世代です。 第1話「怪奇蜘蛛男」で初めて仮面ライダー…

「毎日続ける」

      本多静六は林学者であり「公園の父」として知られています。 それ以上に本多式「四分の一天引き貯金法」が有名で、そのお金を元手に巨万の富を築いた株式投資家としての方がよく知られている気がします。 この本には、もち…

「恩讐の彼方に」

  昔読んで忘れられないという小説は、やはり今読んでも面白いですし、何度も読み返してしまいます。 私にとって、菊池寛「恩讐の彼方に」は、そんな作品です。 (青空文庫で全文を読むことができます。) あらすじを紹介します。 …

「振れ幅を小さくする」

  ある一流のアスリートがこんなことを言っていました。 「人に期待しないから、自分は心が折れることがない。人の評価を気にしないので、人の言動で動揺することがない。」 メンタルというのは振れ幅が小さいほど、安定しているもの…

「PERMA」

    この本の中で、セリグマンは「ウェルビーイング理論」について語っていて、そこには五つの要素があるとしています。 その五つの要素の頭文字をとって「「PERMA」と表します。   「PERMA」~幸せのための五つの条件…

最高の対決

  昨日と今日は、WBCに釘付けでした。 昨日のメキシコ戦では「私がテレビ観戦するとチームが負ける」のジンクスの再現か?と思うほど苦しい試合でした。 完全にメキシコに流れが向いていましたし、特に左翼手のアロサレーナ選手の…

ミステリー小説「方舟」

    ふとミステリーが読みたくなって、「2023年版このミステリーがすごい!」を参考に選んでみました。 国内編1位の「爆弾」はゆっくり味わいながら読むことにしているので、今回は積んでおきます。 2位「名探偵のいけにえ」…

妖怪画のルーツ

  私たちが抱く日本の妖怪のイメージはほとんどが水木しげる先生の絵から植え付けられたものだと思います。 独特な線描で緻密に描かれた絵が放つ雰囲気は、おどろしいというよりも、どこか奇妙で微笑んでしまうものが多いですね。 各…

映画「BLUE GIANT」

  休日で時間が空いたので久しぶりに映画館に行ってきました。 恥ずかしながらノーチェックだったのですが、巷の評判を拾うとすごく高評価のアニメ映画です。 「BLUE GIANT」 原作は音が聴こえる音楽漫画として有名ですし…

映画「任侠学園」

  娘と「あまり堅苦しくない映画を見たいね」ということで、検索窓に「コメディー」と入力してあがってきたのが、この映画でした。 原作は今野敏の「任侠」シリーズ。 「日村誠司が代貸を務める阿岐本組は、今時珍しく任侠道をわきま…

ストライクゾーンのドラマ

  私はシリーズもののドラマを、見るのは良いのですが、なかなか最終話まで辿り着いたことがありません。 家族もそれを知っていて、以前には「このドラマ面白いよ」と勧めてくれていたのですが、ほとんど冷めた反応しか返ってこないの…

ジョギングの楽しみ

  今日は仕事を終わって、久しぶりにジョギングをしてきました。 私にとってのマラソン・シーズンはひとまず終了しているので、リフレッシュするのが目的です。 久しぶりにイヤホンをつけて音楽を聴きながら走ってみました。 以前に…

「八大人覚」

  道元が著した「正法眼蔵」の最終巻は「八大人覚」(はちだいにんがく)について述べられています。   諸仏は是れ大人(だいにん)なり 大人の覚知する所、ゆえに八大人覚と称す この法を覚知するを涅槃の因と為す 我が本師釈迦…

「三界の狂人、四生の盲者」

  空海の「秘蔵宝論」(ひぞうほうやく)の序論の末尾の一節です。   三界の狂人は狂せることを知らず 四生の盲者は盲なることを識らず 生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに 暗く死に死に死に死んで死の終りに冥し   「三界…

「顔に着目せよ」

    2018年にNHK Eテレで放送された番組の書籍版なのだそうです。 私はテレビを見る習慣がないので、紙媒体になって初めてその存在に気づいたり、その良さを知ることになるのですが、この番組(とこの本)もそのうちのひと…

「あること」の練習

  「そこに存在するだけでいい」というのは、慰めの言葉ではなくて、本当です。 「歳は取りたくないもんだ」とついもらしてしまう人の気持ちもわかりますが、何かを「すること」が全てではなくて、ただ「あること」に重きをおく価値観…

小説「同志少女よ、敵を撃て」

    昨年2022年の本屋大賞を受賞した小説です。 本屋大賞というのは、「全国書店員が選んだいちばん!売りたい本」ですから、その面白さは保証されたものだということでしょう。 実際に書店に足を運ぶと、面陳列の常連でしたか…

「青空文庫」

  ゲーテはこんなことを言っています。(斎藤孝著「座右のゲーテ」より)   「趣味というものは、中級品ではなく、最も優秀なものに接することによってのみつくられるからなのだ。」   斎藤氏はこの言葉を受けて「ゲーテは、中ぐ…

「一人の幸福」

    川端康成の名言を検索すると、必ず出てくるのが次の言葉です。   「一生の間に一人の人間でも幸福にすることが出来れば自分の幸福なのだ。」   エッセイならば個人の見解を述べたものでしょうが、この言葉の出典は小説です…

「天長地久」

    学生時代に「老子」は字面(じづら)で損をしていると思いました。「老」の字が入っているせいで、なんとなく高齢者向けっぽいと色眼鏡で見ていた気がします。 けれども、老子についてよく耳にするのは、混沌とした社会を生き抜…

「観見二つの目」

    宮本武蔵の五輪書は、世界的にも若い信奉者がいるほど、今なお評価の高い書物です。 ご存じの通り、五輪書は「地」「水」「火」「風」「空」の五巻からなります。 そのうちの「水の巻」には「心持」「身なり」「目付」の点から…