100分de名著 「マネジメント」

 

ドラッカーの「マネジメント」はずっと以前に読みました。

とても面白くて、蛍光ペンでラインを引いたり、余白に「ひらめきメモ」を書き込んだりしていました。

そして、じっとしていられなくなって部屋中を歩き回ったことを覚えています。

今でも「基本と原則」に立ち還りたいと思った時には、それに関連する本を読みたくなります。

 

先日、息子と本屋に立ち寄った時「100分de名著ブックスシリーズ」に「マネジメント」があることを知りました。

値段も1000円でしたので、衝動買いしてしまいました。

 

さっそく拾い読みしたのですが、そのなかでも面白いエピソードがありましたのでご紹介しますね。

よく知られる「一位二位戦略」の裏話です。

ゼネラルエレクトリック(通称GE)の最高経営責任者(CEO)ウエルチがドラッカーにコンサルトを依頼しました。

その時に交わされた議論の末に生み出されたのが、一位あるいは二位になるつもりの事業だけを残して、そこにすべての人材や資材を投入するというものでした。

これによってGEは、活気を取り戻し、急成長を遂げることになったそうです。

 

ところが、このお話には後日談がありました。

ドラッカーの死後、ある女性伝記作家がウエルチのもとに再度取材に訪れました。

すると、この「一位二位戦略」の言葉のニュアンスが少し違っていたことが明らかになったのでした。

実際には、ドラッカーはこう尋ねたといいます。

「あなたの会社のやっている仕事は、すべてワクワクドキドキするものばかりか?」

ウエルチは「すべてがそうだとは限らない。なかには淡々とやっているものもある。」と答えました。

それを聞いてドラッカーは、「ワクワクドキドキしてやっている事業以外は、すべて止めたらどうだろう」と言ったそうです。

 

ドラッカーは「本気で取り組む仕事は、ワクワクしていてしかるべきであって、そうでないものには取り組むべきではない」と考えていたのでした。

喜びを感じながらやれる仕事をこそ本業とすべき。

思わず、自分たちのしていることを振り返りたくなります。

 

「ワクワクドキドキ」はいつでも仕事をするうえで尺度になりますね。

 

 

新しいアイデア

 

 新しいアイデアを生むために、それこそ面白いアイデアを披露してくれた方がありました。

 

2013年のTEDx Tokyo。

日本の高橋晋平さんがアイデア発想法「アイデアしりとり」を提唱しています。(日本語でのプレゼンです。)

2004年に彼はおもちゃ会社に入社しました。そこでのおもちゃづくりのための苦労と、それを打開した「発想法」について語ってくれています。

 

おもちゃ会社で開発者として働き始めた時、その出発点としてデータを使うよう強いられて創造力が枯れてしまうのを感じたそうです。

その時、彼は立ち止って考えました。そして、アイデアが再びあふれ出たいきさつを語ります。

誰もが見たことがある「むげんプチプチ」や「むげんエダマメ」は彼が発案した商品だそうですよ。

 

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「初心」

 

私は「初心」であり続けたいと思っています。

「何かを得た」とも思ってもいないし、「どんな評価」をも気にしていない頃の自分です。

初心者であることを自覚し、全てが学びで、全てを受け入れている広い心でいる自分です。

 

「先の者が後になり、後の者が先になる。」

この言葉を知った時から、私は常に「後の者」でいたいと思いました。

何も達成していない。何も分けていない。どんなことも受け入れる。どんなことにも開かれている。

 

そして、初心者なら、何にでもワクワクしています。新しい心で興味と関心を持つからです。

初心者であれば、何にでも感謝することもできます。

 

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錯視の世界

 

錯視の世界に触れていると、「人の脳はだまされたがっている。」という誰かの言った言葉を信じたくなります。

特にシルエット錯視は、今までそうとしか見えなかったものが、しばらくするとまったく正反対の方向にしか見えなくなるから不思議です。

下はWikipediaからのものですが、「スピニング・ダンサー」という有名なシルエット錯視の動画です。

「地面に接している方の脚を左足と見れば、女性は時計回りに回転しているように見え、右足と見れば反時計回りに回転しているように見える。」

Spinning Dancer

ピルエットしている女性がこちら側を向いているのかあちら側を向いているのかの情報が全くないため、それを脳が補完しているのですね。

けれども、回転自体がある瞬間、まったく正反対になるのは不思議です。

 

こういう錯視の世界は大好物です。

 

 

「余計な手出しをしない」

 

例えば、ほかに病気を持たない普段は健康な方が風邪をひいて外来を受診したことを想像してみてください。

私(医者)はその人にとって「余計なことをしないこと」がとても大切なことだと思っています。

ある時は、それが全てであることさえあります。

 

余計な手出しをしないと言い換えても良いかも知れませんね。

風邪は多くがウイルス性だからです。

インフルエンザやヘルペスならばともかく、ウイルスは抗生剤などで戦う相手ではありません。

請われてつい出してしまった薬で、アレルギー反応が出て余計につらい目にあうこともあり得ます。

 

「早く治したいから、早めに来ました。」という方には大変すまない気持ちになります。

病院は実は風邪を治す方法を提供できません。「風邪薬」と呼ばれるものは「風邪の症状を緩和する薬」でしかありません。

早く治したいのなら、温かくしてしっかり休むことだと思います。治癒力にまかせるのが一番なのです。

「来週の頭には出張があって、休んでられない。」

今の世の中、休むなんてもってのほか、働きながら体調を整えなければならないことも知っています。

だからこそなおのこと、病院の長い待ち時間で体力を余計に消耗させずに、家でゆっくりした方が得策だと思うのです。

 

いったい免疫力って何なのでしょう?サプリメントや薬で得られるものでしょうか?

いろいろあるのでしょうが、古くから言われる「病いは気から」という言葉は真実だと思います。

「気」がネガティブなら、元気もなくなります。風邪もひきやすくなります。

風邪をひいたかな?と思ったら、ジョギングで治してしまうという人は私の知り合いに結構います。

 

「きっとお医療者は、風邪をひかないような特別な薬を自分で飲んでいるに違いない」と信じて疑わない方もいました。

とんでもない誤解ですね。

強いて言えば、風邪だと思ったら「余計な薬は飲まないこと」が一般の方と少し違うことなのかも知れません。

「風邪なんかひいてられない。」という一念だけで動いている場合もあります。

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映画「ルーシー」

借りてきたビデオの中に「ルーシー」を入れたのは、娘でした。

友達の間で話題になっていたのが、映画館で観れなかったのがずっと気になっていたようです。

さっそく家族で観てみました。

 

「ルーシー」の名前の由来は、1974年にエチオペアで発見されたアウストラロピテクスの女性の化石人骨の名前。

全身の約40%近くの骨がまとまって発見されたということで、貴重な資料だということです。

 

映画は「通常の脳は10%しか覚醒してないが、それが100%覚醒するとどうなるか?」という発想をもとに進んでいきます。

人類の最大の秘境ともいえる「脳」のお話ですから、壮大な英知への到達ともいえます。

ですから、途中マフィアとの戦いがかなり「小さくてわずらわしいこと」になってしまっていました。

 

映画の後半で、主人公ルーシーが猿人ルーシーと対面を果たす場面があります。

ETばりに互いの人差し指を突き合わせて交信するのですが、下の写真を見て「これだったんだ!」と納得しました。

国立科学博物館に展示のルーシーの復元模型だそうです。ポーズの状況設定は「突然、現代につれてこられて、非常に驚いている」ということらしいのですが、マニアックなネタを伏線にするあたり監督の遊び心が伝わってくるようでした。

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後味の悪さもなく爽快感もあり、SF娯楽映画として面白かったです。

 

 

 

週末に春分の日であること

 

昨日になってしまいましたが、3月21日は春分の日でした。

最近では国民の祝日は土日になることが少なく、ほとんどが「ハッピーマンデー」に集中するので、つい忘れがちになるのかも知れません。

「え?今日は休診なんですか?」

と問い合わせる方が多くいらっしゃいました。

「ええ。祝日ですから。おそらくどこのクリニックさんも休診日になっているかと思います。」

「祝日…?」

「はい。今日は春分の日なんですね。」

「…ああ。そうでしたね。」

 

春分の日や秋分の日は天文の運行、自然の基準点をその日にしていますから、都合をつけて月曜日に移動するわけにはいかないですものね。

それにしても、土曜日に祝日というのが生活者の多くには実感の薄いものだということが思い知らされた気がしました。

 

2017年の秋分の日(9月23日)も土曜日のようですから、事前の告知をしておいた方がよさそうです。

 

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宿命の対決?(笑)

浦添市はハンドボールが盛んな土地です。

2004年にはハンドボール王国都市宣言を行っていますし、市内の全ての公立小中学校にはハンドボール部があると聞いています。

 

スタッフの何人かは、小学校に通う娘さん、息子さんたちもハンドボール部だということでした。

学校が違うのに、「ハンドボール部」というのは浦添市ならではですね。

 

実は今日、久しぶりに大会で対戦するそうです。

グループリーグ突破するには一位通過しかないということで、どちらもやる気満々でした。

 

今ごろ、試合中でしょうか。

親御さんたちの方が熱くなっているかも知れませんね。

 

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ラジオ番組収録してきました

 

1年に1回、3月ぐらいになると私にも出番が回ってきます。

浦添市のコミュニティラジオFM21に浦添市医師会が提供する番組「ゆんたく健康トーク」

毎週月曜日に20時から、医師会所属の医療機関が放送を担当する番組です。

 

私の担当の放送が3月23日月曜日の20時からで、ちょうど夜勤になるので生放送でというわけにはいかず、昨日収録してきました。

今回で、3回目になります。1回目→ 「言葉の温度」 2回目→ 「1年ぶりのラジオ出演」

 

進行はパーソナリティーの城前ふみさんにすべておまかせなので、楽しく収録することができました。

今回選んだテーマは 「特定健診結果の見方」

日常診療で患者さんにいつもお話する内容です。

 

ラジオで聞けない方も、インターネットで聞けますよ。

FM21 「健康ゆんたくトーク」

 

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「トーフヌカシー」

 

沖縄では、粉瘤と言って通じなければ、「トーフヌカシー」というと通じることがあります。粉瘤とは、時々背中や胸の皮膚に現れる、ぼっこりとした「しこり」のことです。

「トーフヌカシー」というのは方言で「豆腐のかす」のこと。粉瘤の内容物が、豆腐のかす(おから)に似ていることから、そう名付けられているのですね。

 

粉瘤とは表皮の組織が、皮膚の下で袋状になってしまったものです。

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感染がなければ、なんとなく違和感があるぐらいで痛みもないので、知らない間にびっくりするほど大きくなっていたりします。

 

通常、表皮というのは、深いところから表面の方に新しい細胞が上がってきます。そして、表面にあがった細胞は垢として脱落していきます。

それが粉瘤は袋状になっていますから、それこそ袋小路。垢はどんどん袋の中にたまっていくのです。

だいたいが中心に小さなくぼみ(出口?)があるぐらいなのですが、何かのきっかけで傷つけたりして内容物が出てきたりすると大変です。

ちょっと大きくなったニキビぐらいに考えて押し出すと、とんでもない臭いニオイが襲ってくるのです。

 

もとは表皮の老廃物=垢なのですから、クサイクサイ。

そういう私も以前に背中にできたトーフヌカシーを押し出してしまい、その部屋いっぱいにものすごい悪臭を充満させてしまったことがあります。

 

粉瘤は決して押し出さないでくださいね。(クサイから…というわけではなく。)

というのも、そういうことをすると袋は残っていますので、また再発してしまうのです。

感染がなければ、皮膚科や形成外科の先生に袋ごと摘出してもらってください。

感染があれば、抗生剤で様子をみることになります。