ドラッカーの「マネジメント」はずっと以前に読みました。
とても面白くて、蛍光ペンでラインを引いたり、余白に「ひらめきメモ」を書き込んだりしていました。
そして、じっとしていられなくなって部屋中を歩き回ったことを覚えています。
今でも「基本と原則」に立ち還りたいと思った時には、それに関連する本を読みたくなります。
先日、息子と本屋に立ち寄った時「100分de名著ブックスシリーズ」に「マネジメント」があることを知りました。
値段も1000円でしたので、衝動買いしてしまいました。
さっそく拾い読みしたのですが、そのなかでも面白いエピソードがありましたのでご紹介しますね。
よく知られる「一位二位戦略」の裏話です。
ゼネラルエレクトリック(通称GE)の最高経営責任者(CEO)ウエルチがドラッカーにコンサルトを依頼しました。
その時に交わされた議論の末に生み出されたのが、一位あるいは二位になるつもりの事業だけを残して、そこにすべての人材や資材を投入するというものでした。
これによってGEは、活気を取り戻し、急成長を遂げることになったそうです。
ところが、このお話には後日談がありました。
ドラッカーの死後、ある女性伝記作家がウエルチのもとに再度取材に訪れました。
すると、この「一位二位戦略」の言葉のニュアンスが少し違っていたことが明らかになったのでした。
実際には、ドラッカーはこう尋ねたといいます。
「あなたの会社のやっている仕事は、すべてワクワクドキドキするものばかりか?」
ウエルチは「すべてがそうだとは限らない。なかには淡々とやっているものもある。」と答えました。
それを聞いてドラッカーは、「ワクワクドキドキしてやっている事業以外は、すべて止めたらどうだろう」と言ったそうです。
ドラッカーは「本気で取り組む仕事は、ワクワクしていてしかるべきであって、そうでないものには取り組むべきではない」と考えていたのでした。
喜びを感じながらやれる仕事をこそ本業とすべき。
思わず、自分たちのしていることを振り返りたくなります。
「ワクワクドキドキ」はいつでも仕事をするうえで尺度になりますね。