本屋に行くと、背表紙を見て、感性の命じるままに手を伸ばし、ぱらぱらとページをめくって琴線に触れるものを買うというのが、いつものパターンです。
それに近い感覚なのでしょう。ある方も本棚の前に立つ時、たくさんの背表紙を眺める時からすでに読書は始まっているのだとおっしゃる方がおりました。
それもそうなのですが、自己啓発だとかビジネス本だとか、歴史、流行もの、どこのどの本棚の通路に出没するかは、これもだいたい行動パターンで決まっているようなものですね。
ですから、いつも似たようなカテゴリーというかジャンルから本を選ぶことになってしまう傾向があるのは当然のことです。そこに興味が向いていますから。
「でも、それでは面白味がない」というはっきりとした考えがあったのかなかったのか、その日はいつも足を向けない地下1階にふらっと立ち寄ってみました。
そこは「実用書」がずらりと並んでいるところでした。
スポーツのハウツー本だったり、あらゆる趣味の本がならんでいます。
そして、なぜか目に留まり、ふと手にとったのがこの本でした。「50歳」という文字に反応してしまったのかも知れません。
ウォーキングから始める50歳からのフルマラソン 金哲彦著
パラパラとページをめくってみます。そして、いきなりまえがきの文章に引き付けられてしまいました。
「もうすぐ五十を迎えるにあたり、これから生きていく日々が健康で充実した人生でありたいと切に願うようになりました。これからの年代を幸せに生きていくヒントを本書で書きたいと思います。
孔子は“五十にして天命を知る”と教えてくれました。
生まれてきた意味や役割が少し理解できると同時に、命の限界つまり肉体の限界も知るということでしょう。」
誠に勝手な妄想ですが、これはつまりまさしく私自身に向けて放たれた言葉のようでした。
違う箇所にはこうありました。
「『ちょっと興味があるのですが、マラソンは50代からでもできるのでしょうか?』と質問を受けることがあります。
もちろん『まったく遅くありません』と返答します。むしろ、『いまだからこそランニングを始めるベストタイミングですよ』と背中を押すことのほうが多いかも知れません。」
(そうか…。ベストタイミングなんだ…。)
なんか嬉しくなりました。この著者はきっといい人に違いない。
そして、こう続きます。
「50歳を越えるこれからが、ワクワクする後半生のスタートラインです。『体幹ランニング』で心と体のバランスを整えて、まだまだ可能性に満ち溢れた人生を楽しみましょう!」
次の瞬間には、この本を持ってレジに向かっていました(笑)。
後で知ったのですが、著者の金哲彦氏は有名なプロ・ランニングコーチの方なのですね。
カリスマ・コーチだと紹介している本もありました。
この本を教科書にして、体幹を鍛えてみたくなりました。