初めてのタイムラプス

娘たちがスマホアプリで遊んでいたのを見て、ミーハーな私は思わず真似をしたくなっていました。

「タイムプラスって言うの? あれ? タイムスプラスだっけ?」

「タイムラプス!」

要するに撮影した動画が「早送り」したように見える映像です。

ちょうどいい被写体はないものかとチャンスを探していたのですが、横浜に行った時に良い感じの景色に出会いました。

 

初めてタイムラプスを撮ってみたのですが、面白いですね。

撮り終わった映像に思わず見入ってしまいました。

 

 

いつか星空のタイムラプスも挑戦してみたいと思います。

 

 

風邪と「点滴」

いつの間にか1月も半ばを過ぎ、すでに1月25日。残り6日になってしまいました。

例年にも増してインフルエンザや感染性腸炎が流行していたり、外来を受診する患者さんの年齢層も幅広くなっています。

さあ1月だ!と思ったものの、体調を崩して出鼻をくじかれた方も少なくないのではないでしょうか。

 

先日「咳が続くので、点滴をしてほしい。」という80歳台の方が受診してきました。

「風邪が良くならないので抗生剤を出してほしい。」という方は何人かお見えになるのですが、「点滴」は久しぶりでした。

 

それでも最近は、きちんとした情報が発信されて、「ウイルスには抗生剤は効かない」ということが周知されつつあるのを感じます。

ワクチンやインフルエンザの治療薬(=抗インフルエンザウイルス薬)のおかげで、ウイルス感染症の対応の仕方が身近になってきているからかも知れません。

あるいは、ノロウイルスが流行するたびに、「ノロウイルスにはワクチンはない」「ノロウイルスにはタミフルのような治療薬はない。」「最善の対策は、予防につとめることです。」という注意が徹底されるからでしょうか。

診察室で「抗生剤を出しておきましょうね。」と言うと、「抗生剤まで必要ですか?」と訊かれることも珍しくなくなってきました。

良いことだと思います。

 

「点滴は水分のバランスをとるためのもので、咳には効きませんよ。」

先ほどの「点滴をしてほしい」と言う方に説明しました。

「でも、前に点滴した時は、すぐに咳が良くなったよ。私には点滴が効くと思うんですよ。」

「その時は、症状が良くなるタイミングと重なったのかも知れないですね。」

それから、少し時間をかけて説明しました。

 

「点滴」と「抗生剤」の適応が、一般の方々にも浸透することを願っています。

 

ビアス著「アウル・クリーク橋のできごと」

アンプローズ・ビアスの短編「アウル・クリーク橋のできごと」を読んでみました。

ビアスについて、アマゾンの内容紹介にはこんな一文が載っています。

「芥川龍之介が「短編小説を組み立てさせれば彼ほど鋭い技巧家は少ない」と評した短編小説の名手である。」

ところが、筒井康隆は彼の著作「短編小説講義」のなかで、「アウル・クリーク橋の一事件」については「どうしようもない傑作」だとべた褒めする一方で、ほかの作品は「いささかレベルの低い作品ばかり」と酷評しています。

辛口評価の中で「どうしようもない傑作」と高く評価された短編をどうしても読んでみたくなりました。

 

本を購入されてもいいのですが、「ghostbuster’s book web」さんが自らの翻訳を載せてくださっています。

こちら→ 「アウル・クリーク橋のできごと」

ここでは、敢えて内容については触れませんが、「死」がテーマであることと「結末の意外性」が読者を唸らせてしまいます。

 

私は、この小説を読み終わると、なぜか「ジョジョの奇妙な冒険」を思い出していました。

最後の「どんでん返し」が、同じような雰囲気を醸し出しているからかも知れません。

 

この小説をもとにショート映画「ふくろうの河」がフランスで1961年に制作されています。

もともとは28分ほどの映画なのですが、それをさらに縮めたショート・フィルムがYouTubeにありましたので、紹介します。

ただし、結末は残酷なシーンとなりますので、そういうものが苦手は方はご注意ください。

 

https://youtu.be/Zk8KO0jZzbk

 

 

チャイニーズ・ペーパー

恒例(?)の、勝手にマジック商品の紹介コーナーです(笑)。

先日、コンビニで衝動買いをしてしまったフジカさんの「Wonderful Magic」第2弾。

「復活のお札」

このマジックは古くからあるもので、かつてダイソーさんからは「奇跡の復活」という商品で出ていました。

紙の破り方はちょっと違いますが、もっと前にはテンヨーさんから「チャイニーズペーパーミステリー」として商品化されています。

ダイソーさんではハートやスペードを絵柄に、テンヨーさんは怪しげな中国風な文字。

そして、フジカさんは写真のように「百万円札」(!)の絵柄です。

 

現象としては、まず長方形の紙(フジカさんの「百万円札」)を両手で持ちます。

何も持っていないことを観客に確認させた後、真ん中から二つに破ってしまいます。

さらにもう一度破って、4枚の小さな紙片にします。これらを重ねたまま小さく折りたたんだ後、マジックジェスチャー(あるいは、おまじない→アブラカタブラ!)をしてゆっくりと広げていくと、元の「百万円札」に復活しているのです!

もちろん、両手を確認しても何も隠したりしていません。

 

破った紙が見事に復活するという現象は、見た目がシンプルで鮮やかなので観客の驚きもまずまずなのですが、長方形の紙を用意している時点で「不自然さ」が拭えないのが残念なマジックです。

松田道弘著「あそびの冒険」や「クロースアップ・マジック」に載っている、ナプキンやティッシュペーパーを使う方法にすれば「自然」な演出が可能になりますし、驚きはさらに増す気がします。

 

さて、このマジック。

紙を破ってしまうので、何回もできるわけではないのですが、この商品はちゃんと2回分入っていました。

百均ショップに紙幣のオモチャがありますから、それで自作も可能です。

 

テンヨーさんの「チャイニーズペーパーミステリー」の実演動画がありましたので、ご紹介しますね。

 

 

 

横浜に入りました

昨日の夜に東京に到着しました。そのまま羽田空港からリムジンバスを利用して横浜に入りました。

 

沖縄も寒くなったと震えていましたが、それでも気温差を感じています。

思い切り防寒対策をしてきたのですが、頬や耳朶が痛いほど冷たいのです。

寒さの質が違うので鼻孔の粘膜もびっくりしている感じです。保湿のためにマスクを準備しておいて良かったと思いました。

(備えよ常に、ですね。)

 

今回は親しくしてもらっている旧友とも再開する予定です。

今日の夜には沖縄に戻らなければならないスケジュールですが、刺激を受けてさらなる元気とやる気をもらって持ち帰ろうと思っています。

 

 

 

「慢性腎臓病」予防講演会

那覇市特定健診課の企画で、「慢性腎臓病」予防講演会が開催されます。

 

昨晩、ほやほやに刷り上がったフライヤーが、私の手元にも届きました。

日時:2月9日(木)午後7時~8時30分

場所:那覇市保健所3階 大会議室

今回、対象は那覇市民ということになっています。参加費は無料です。

 

國吉實さん(沖縄県腎臓病協議会の会長さんです)の透析導入体験の貴重なお話も聞くことができます。

ぜひご参加ください。

 

 

 

 

 

インフルエンザ抗原の迅速検査

最近のようにインフルエンザの流行期には、発熱の患者さんが受診した場合には、問診と診察によって、明らかな濃厚接触者でなければ、多くはインフルエンザ抗原迅速検査を行うことになります。

(家族内にインフルエンザの方がいるなどの濃厚接触者の場合には診察のみでもインフルエンザと診断します。)

インフルエンザの治療は発症48時間以内が有効とされているだけに、それこそ「迅速」に検査可能になったのは画期的でした。検査結果は治療方針に直結しますから、最近は外来で最も多く行なっている検査のうちのひとつです。

しかし、非常に有用な検査ですが、多くの方がすでにご存知のように、この検査はインフルエンザウイルスに感染していたとしても、発症直後では陽性にならないという欠点があります。

ウイルス量が少ないと偽陰性になってしまう。つまり、十分な時間が経過していなければ、検査が無駄になってしまうことがあります。

ほとんどの迅速検査は「インフルエンザ簡易検査キット」と呼ばれるもので、発症後12時間以上経過していなければ信頼できないことになっているからです。

まれに発症後6時間以内の方でも陽性になる方もいますが、感度・特異度とも低くなります。

下のグラフはラジオNIKKEI「感染症TODAY」の「インフルエンザの迅速診断」に掲載されているものです。(詳しくはこちら

この「タイミング」のおかげで、実は残念な場面を時々経験することがあります。

「検査では陰性でしたが、タイミングが早かったかも知れません。心配でしたら、発熱が続けば明日また来てください。」というものです。つまり、再受診の提案です。

発熱や全身倦怠感が強い状況では、ゆっくり家で休んでもらった方が良いはずです。インフルエンザなのかそうでないのかを確認するために、わざわざ連日の受診を促すようなことを不本意ながらやらざるを得ませんでした。

というのも、ひとつの理由として、インフルエンザと診断されたら、学生なら自宅療養が学校保健安全法で定められていますし、社会人でもそれに準じて自宅療養を義務付けられているところが多いからです。

「学校に行ってもいいのか」「仕事を休まないといけないのか」というのは切実な問題です。

それで、「明日来てください」を言わなくても済むように、クリニックではウイルス量が少ない2~6時間の初期の段階でも検出が可能な検査機器を導入しました。

(富士ドライケム IMMUNO AG1)

 

発症して12時間経過した方は今までの簡易検査キットを使用し、6時間未満の方にはこの機器を使用しています。

つまり、「念のための再受診」が不要になるという大きなメリットがあります。

ただ、これはインフルエンザの早期発見のために使用するもので、全員が適応というわけではありません。この検査を希望しても医師の判断で行わない場合もありますので、ご了承ください。

 

 

「モアナと伝説の海」

すごいニュースが飛び込んできました。

ディズニーアニメーション「モアナと伝説の海」のモアナ役の日本版の声優に、沖縄県出身の屋比久 知奈(やびく ともな)さんが選ばれたとのことです。

詳しくはこちら → 「Disney Movie ニュース」

 

 

つい先日、このブログで「ミュージカルLIVE」の告知をしました。

実は、この屋比久知奈さん、そのミュージカルLIVEの出演者でもあるのでした。

改めてフライヤーを(裏から)掲載します。(左下の写真が知奈さんです。)

 

 

これはすごいイベントになってしまいました。

素晴らしいLIVEになりそうですね。

 

 

ちなみに「モアナと伝説の海」の日本版予告の動画がありましたので、ご紹介します。

今から楽しみです。

 

 

江戸川乱歩「屋根裏の散歩者」

最初に読んだのが、いつだったのか今となってはわからないほどの古典ミステリです。

著作権が消失したおかげで、この名作も青空文庫で読むことができるようになりました。

「屋根裏の散歩者」(青空文庫)

 

犯人が狂気を孕んでくる心理描写にどんどん引き込まれてしまいます。

「少年探偵」シリーズで馴染み深かった明智小五郎が、やはり全てを見通した観察眼と推理力で事件を解決してしまうのですが、この作品の魅力はなんといっても異常なシチュエーションでしょう。

リアルさを追求する最近の傾向とはちょっと趣が違いますが、突拍子もない異常さがあったとしても、語り手としての江戸川乱歩の筆力がミステリーの味を濃くし、物語を面白くしています。

 

ラジオドラマがありましたので、ご紹介します。

単なる朗読ではない、素晴らしい脚本でした。

 

 

 

見るものは見られえず

ビクトール・フランクルの書物に、このような言葉があります。

 

網膜の根源的箇所、すなわち視神経が網膜に入り込むその箇所に「盲斑」があるのと同じように、精神もそれが自分自身の根源を有しているまさにその場所においてすべての自己観察、すべての自己反省に関して盲目となる。

精神が完全に根源的であり、完全に「自分自身」であるその場所において、精神は自分自身に関して無意識なのである。

そして、このような精神に関してこそ、古代インドの聖典ヴェーダに述べられている次の言葉がそっくりそのままあてはまる。

「見るものは見られえず、聞くものは聞かれえず、考えるものは考えられない。」

 

フランクルは、人間であるということは自分以外の「何か」や「誰か」に向けられてはじめて輪郭を表すもの、自分自身を他者のうちに見出すものだと言っていました。

私が信じられないのは、彼の、その世界に対する信頼の深さと托身の姿勢です。

「その世界は、出会うべき他の存在と、実現すべき意味に満ちている世界」だと言い切っていました。

他者不信、自己不信に満ちた現代の我々にとって、想像すらできない境地と言えます。

「主客一体」という言葉は、愛深き実践者でなければ説得力がありません。フランクルはそれを地で行くような人だったのでしょう。