初心を忘れない

さくだ内科クリニックのスタッフが初めて集まったのは2012年10月1日でした。

 

2日前まで台風17号が猛威をふるっていて、その爪あとも生々しく、停電が続き

電気が復旧していない地区もまだあるような時期でした。

 

テレビ報道では那覇市の58号線で大型トラックが横転している映像も流れるような

記録的な被害が出た台風です。

 

9月30日にクリニックの建物の被害状況を見に行くと

どこからか大きな鉄板が飛んできていて、間一髪のところで窓ガラスが無事だったり

何とか無事に皆を迎えることができそうだとほっとしたのを覚えています。

 

10月1日は台風一過。晴れの日でした。

 

その時に集まってくれたのは、まだ前職の都合もあり全員ではありませんでしたが

11月5日の開業に向けて準備のために集まってくれたオープニング・スタッフです。

 

その最初の日。

 

その日は、佐久田がどんな医療を目指したいのかを共有する日にしたいと思っていました。

 

面接の時に、それぞれ個人に対してはお話していたのですが

一緒に集う場でぜひ共有したいと思いました。

 

アイスブレイクの後に 

自分達がこのクリニックで何をしたいか、どんなクリニックにしていきたいのかを

私から皆に、問いを投げかけさせてもらいました。

 

少しの戸惑いはあったようですが

それぞれの思いを付箋紙に書いてもらいました。

 

そして、それを大きな紙に貼り付けていきました。

 

 KJ

 

いわゆる「KJ法」と呼ばれるブレイン・ストーミングです。

 

この紙をいつでも見て振り返ることができるように、あれから院長室に掲げています。

 

私もそうですが、皆の初心を忘れないために

皆の志を大切に行動できているかどうかを振り返るためにです。

 

 

ベビーダッチ

「最近さすがに行けないよなあ」と思いながら

愛用のベビーダッチを取り出してみました。

 

ある程度予想はついていましたが、悲しいことが起きていました。

蓋の一部に赤サビがうっすらと見えていたのです。

babydutch

ベビーダッチというのは、LODGE 5 inch ダッチオーヴンのこと。

5 inch は12.7 cm。 小さなダッチオーヴンです。

ダッチオーヴンというのは鉄鍋のことです。

 

もともとヨーロッパの人達がアメリカにもたらしたもので

18世紀後半、新天地を求めた人々は馬車を走らせキャンプを張りながら移動しました。

その野営生活に活躍したのがダッチオーヴンだということです。

たき火に使いやすいように3本の足(フランジ)がついています。

iron uncle

キャンプに適した鉄鍋です。

沖縄のキャンプも、ダッチオーヴンの登場で料理の種類が格段に増え、楽しみも増えました。

今までバーベキュー一辺倒だったのが、煮る、焼く、炊く、揚げる、燻製もできるようになりました。

(バーベキューが主流なのは変わりませんが。)

 

oven1

(上の写真は以前のキャンプの写真から持ち出してきました。東村つつじエコパークにて)

ちなみに佐久田のお気に入りのダッチオーヴン料理は

 

水と野菜だけのスープ
(『40人の旨い!ダッチ・オーヴン―鉄なべおじさんと40人の仲間の料理』の122ページ)

ペッパード・ローストチキン
(『ひと味違う!ダッチオーブン入門―名シェフ直伝のアウトドア料理 (NHK趣味悠々)』80ページを元にしたオリジナル)

沖縄料理のラフテー
(『ダッチオーブンクックブック―海、山、キャンプで楽しもう! (タツミムック)』の20ページ)

そして、ご飯です。
(白飯を炊くと、それがまたおいしいのです。)

 

 

ダッチオーヴン料理の愛好家のことを、ダッチャーと呼びます。

実はこの5インチダッチオーヴン、通称ベビーダッチは実用性がないとのことで

LODGEカタログから消えてしまっていました。

そのため、当時から「幻のベビーダッチ」として、ダッチャーたちの憧れの的でした。

(最近は6インチキャンプダッチオーヴンが販売されています。)
 

昔、東京に「チキンズ飯倉」というダッチオーヴン料理のお店があったのですが

佐久田にとってそこは聖地に等しいところでした。

料理が絶品だったのはもちろんでしたが、そこにベビーダッチがあって、さらに話が盛り上がったものです。

 

実用的であろうとなかろうと、人気は高く、何とか復刻版をつくってもらおうと

ある関西の方が中心となって署名運動が始まりました。

 

2003年のことです。

佐久田ももちろん署名に参加しました。

目標の1000台分の署名が集まり、2006年11月に見事に限定で復刻されました。

 

そのうちのいくつかが我が家にあります。

全国のダッチャーの願いが結集した、あの時の興奮は今も忘れられません。

 

その大切なベビーダッチをさび付かせてしまった!

ごめんなさい。

akasabi

 

ポジティブ心理学に思うこと

「ポジティブ心理学」が脚光を浴びて久しくなります。

私もある時期とても関心があり、興味を持って本を読み、ことあるごとに触れていました。

 

従来の心理学や医学は、病気や人の弱いところに焦点をあてた学問です。

それとは違って、「ポジティブ心理学」の視点は、人の持つ強みに焦点をあてる心理学ということです。

 

「ポジティブ・サイコロジー」(クリストファー・ピーターソン著)では

ポジティブ心理学とはニコニコ笑顔の元気さだけを扱うものではない。

人生でよい方向に向かうことについて科学的に研究する学問である。

と説明しています。

 

手がかりとして、まずは自分の強みを探し発見することからはじまります。

自分の強みを知りたい人は、ピーターソン自身が開発した質問票によって知ることができます。

日本語でできますので、やってみてはいかがでしょうか。

(ただし全部で240もの質問があり、約30分ほどかかります。)

 

 

ポジティブ心理学というのは、佐久田なりの解釈で申し訳ありませんが

コップの水をまだ半分もあると考えるのか

もう半分しか残っていないと考えるのか

そういう違いを、「まだ~もある」というところから始めてみませんかという考え方だと思っています。

 

「ポジティブ心理学」は「引き寄せの~」などと同様に

落ち込む人々を前向きにさせる応援歌の働きをしてくれるのかも知れません。

 

もちろん、私たち医療者はそれだけではないということを知っています。

「ポジティブ心理学」を否定するものではありませんが

「ネガティブ」を脱せずにいる人の中にも

悪いことだけではないということを示してくれる人はたくさんいるということです。

 

病いを通して、不安や恐怖に直面しながら、人はその時に気づかされることがあります。

病いは決してありがたいものではなく、ポジティブにとらえることなどできないにしても

当事者として痛みを経験してやっと分かることがあります。

 

痛みや苦しみの中で沈んでいる人に、「ポジティブ」だけを求める必要などないということを

私たち医療者は経験的に知っています。

 

ポジティブ心理学に対して、一石を投じたバーバラ・エーレンライクという方の著書があります。

「ときに私たちは不安や否定的な感情と向き合い、外の世界に目を向けなくてはならない。

つらいことかもしれないが、そうしないことの代償は大きいのである。

この危険と機会に満ちた世の中を生き延びていくために、

まず私たちはものごとをありのままに見ることからはじめなくてはならない」

自ら乳がんを患いながら、医療の「ポジティブ心理学」的な精神論を突きつけられた経験が元になっています。

 

「どこまでも前向きな現代の文化」が「ポジティブ・シンキング」の強要であったとしたら

痛みを持つ人は、痛みを通して本当に呼びかけられていることが何かを気づくことができないかも知れないと思います。

 

ポジティブ心理学が、現実把握の先延ばし、現実逃避の言い訳に使われてしまうことのないようにと思います。

 

 

透析と肥満パラドックス

「ドーピング」というとなかなか良い印象が持つことが難しい言葉ですが

例えば栄養が行き届かず、筋肉が衰えている状況の人に使ってはどうかという考えは、昔からあるものです。

 

先輩のドクターに、やせ衰えてくる自分の患者さんに「使ったことがある」という経験を話してくれた方がいました。

ただし、やはり「食べれない」「動けない」方というのは、それなりの原因や理由があるわけで

ある種の薬を使ったからと言って、全ての方が良い効果を出すということはありません。

そればかりか、副作用でかえって状況を悪くすることさえあります。

それが難しいところです。

 

2012年11月の腎臓専門の医学雑誌に

透析を受けられている方に蛋白同化ホルモンを投与したら

筋肉量や握力、脂肪量はどうなるかという調査報告がありました。

Effect of Oral Anabolic Steroid on Muscle Strength and Muscle Growth in Hemodialysis Patients.
Supasyndh O et al. Clin J Am Soc Nephrol 2012 Nov 2.

購読している医学誌ではないので抄録しか見ることができず、詳しい内容はわからないのが残念です。

 

使用した蛋白同化ホルモンはオキシメトロンという薬ですが、日本では使われていない薬です。

以前には再生不良性貧血という病気に使われていたという記載がありましたが、私は見たことがありません。

蛋白同化ステロイドホルモンなので、いわゆる筋肉増強ホルモン。

もちろんスポーツ選手が使用することは禁止されています。

 

この調査では、この薬の効果で脂肪が減って筋肉量が増えたこと、握力が強くなったこと、身体能力のスコアも改善したということがわかりました。

しかし、肝臓への障害がみられたそうです。

 

この調査は約半年間だけの追跡なので長期的にみて、ほかにどんな副作用が出るのかは不明です。

 

どうして(ドーピングまでして)透析を受けられている方の筋肉量を増やしたいのでしょう。

その理由のひとつになるのが、慢性腎不全や透析を受けられている方の「肥満パラドックス」(BMI パラドックス)です。

Body Mass Index-Mortality Paradox in Hemodialysis: Can It Be Explained by Blood Pressure?
Rajiv Agarwal Hypertension. 2011;58:1014-1020

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Relationship between Body Mass Index and Mortality in Hemodialysis Patients: A Meta-Analysis
Abstract: Nephron Clin Pract 2012;121:c102–c111

 

簡単に説明すると 人工透析を受けられている方では、BMIが高いと死亡率が低いという結果でした。

これは一般の方の通説とは正反対のお話です。BMIが高い=メタボということですから。

(ただし、実は一般の方のお話も、そう単純ではないのですが。)

 

もう一つの報告は、4つの研究を分析したもので、全部で81423人のデータを統合しています。

BMIが25以上の場合と、そこまで高値でない場合と比較しているのですが、BMI 25以上の死亡率が有意に低かったということです。

 

このことを、「肥満パラドックス」と呼んでいるのです。

ただし、筋肉量がある「体重増大」であるのか

サルコペニア(筋肉量が少ない)「肥満」であるのかはこの調査では明らかになっていません。

感覚的には、筋肉をつけない肥満は、どうしても健康に良いとは思えないですよね。

今後、この方面の調査がすすんでいくことでしょう。

 

蛋白同化ホルモンをすぐに使う気にはなれませんが

高蛋白食や筋肉トレーニング、有酸素運動で筋肉量を増やす

地道なようですが、そういう方法が、いわゆる「健康的」な BMI増加の道だと思います。

 

高蛋白食を実現するために

しっかり透析、たっぷり透析

が前提・基本ですね!

 

大事なことなので言い方を変えますが、蛋白質は血清リン値と大きく関係しています。

そして、透析医療に関わる者が、リンの値に注意を払うのは

リンが高いと血管の石灰化が進んでしまい、死亡率が高くなってしまうからです。

ですから、リンが高い=蛋白質を食べすぎ → だから蛋白質を食べすぎないようにしましょう

という食事指導になってしまうのです。

 

長時間透析をすすめている透析クリニックがそうであるように

さくだ内科クリニックでは「肉や蛋白質の摂りすぎを控えましょう」という言葉は使わない方針にしています。

しっかり食べれて、良い筋肉がつけばそれはとても良いことだからです。

 

それでリンが高くなる傾向の方には、長時間透析、場合によっては週4回の透析をすすめています。

高蛋白食が良い影響を及ぼすのは、十分な透析が前提になることをお忘れにならないでくださいね。

 

「高蛋白食が良い」という言葉だけを取り上げると、とんでもないことになってしまいますから。

 

 

阿修羅像のフィギュア

阿修羅が好きで、興福寺の阿修羅像のフィギュアを院長室に持ち込んでいます。

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15センチほどのフィギュアですが、本当にとてもよくできていて興福寺の阿修羅像を見事に再現しています。

特に阿修羅像は、人の心をとらえて離さない魅力的な仏像のうちの一つだと思います。

 

正面の表情は眉を少し寄せた「心の葛藤」や「懺悔」とも読み取れる複雑な表情をしていて

厳かな美しさがあります。

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この像は、悪鬼の神であった阿修羅が、仏教に帰依し、仏法の守護者として八部衆に入れられた後の姿ということです。

 

阿修羅についての紹介をします。

阿修羅はもともと正義の神です。

しかし、阿修羅は帝釈天に戦いを挑み続ける悪鬼の神として認識されています。

どうして正義の神が悪鬼の神となったのかは、こんな逸話があります。

 

阿修羅は天界のひとつである仭利天(とうりてん)に住んでいました。

彼には舎脂(スジャー)という美しい娘がいて、目に入れても痛くないほど溺愛していました。

このスジャーに、帝釈天が一目ぼれしてしまい、縁談を申し込みます。

帝釈天とは「力の神」で、天界において神々の統治者ともいうべき存在の神でした。
 
阿修羅は、いずれ娘を帝釈天に嫁がせたいと思っていたので、この申し出を非常に喜んでいました。

 

しかし、帝釈天はスジャーを力ずくで奪ってしまいます。

ある日偶然に路上でスジャーの姿を見かけた帝釈天は、いてもたってもたまらず

誘拐して陵辱してしまったのです。

娘を探す阿修羅は、ことの成り行きを知り、激怒し帝釈天に戦いを挑むこととなります。

 

阿修羅は正義の神です。

相手が誰であろうと、帝釈天の行為を許すわけにはいきませんでした。

一方、帝釈天は「力の神」」無敵の神です。

阿修羅が軍をおこし、帝釈天に戦いを挑んでも、その度に打ち負かされてしまいます。

 

しかし、阿修羅の燃える怒りは激しさを増すばかりです。
 
何度も何度も敗北しても、阿修羅は戦いを挑み続けます。
 
正義の旗のもとに、何度も何度も際限なく戦いは繰り返されていきます。
 
戦いを繰り返すうちに、執念の炎は燃え盛り、善の心は失われていきました。
 

そして、ついになぜに戦いを挑んだのか、当初の目的を忘れてしまいます。

怒りにまかせ、戦うことが目的となってしまったのでした。
 
この話が天界に広まり、ついに追放され、人間界より低いランクの修羅界に落とされてしまいます。
 

阿修羅は、自分が正しいと信じた正義に固執し続け、妄執の悪となってしまいました。

 

そういう心は、程度の差はあれ、人間なら誰にでもあるものではないでしょうか。

阿修羅の悔しくて悔しくてしようがなくて、どうしても許せない気持ちは、誰にでも理解できるものでしょう。

もしかしたら、帝釈天よりも阿修羅の肩を持つ人の方が多いかも知れないと思います。

なぜ帝釈天に罰はおりず、阿修羅が天界から追放されなければならなかったのか。

 

けれども

「絶対相手が間違っている」

「オレは絶対許さない」

「オレが正しい。周りが不条理なのだ。」

そうやって、その鋭い刃を外にまわし続けていたら

やはり、そこは地獄です。

 

「自分の方が正しいのに」と思った瞬間こそが、修羅の道へ歩みだしているのかも知れません。

 

私がこの阿修羅像に惹かれてしまうのは

「立ち止まって、よく自分を振り返りなさい」ということなのでしょうか。

 

この阿修羅像のフィギュアを眺めながら

「傲慢になってはいないか」

「自分よがりの正義を振りかざしてはいないか」

と自分の心をみつめる機会としています。

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宮沢賢治に傾倒している私の大好きな先輩が、「春と修羅」のこの一文を思い起こさせてくれました。

 

いかりのにがさまた青さ

 四月の気層のひかりの底を

 唾(つばき)し はぎしりゆききする

 おれはひとりの修羅なのだ

 

私も大好きな宮沢賢治の「心象スケッチ」です。

腎臓内科とオリオン

 

昔からギリシア神話が好きで、よく読んでいました。

 

神々がくりひろげる愛憎劇やその戦いのドラマ、人間世界が翻弄される物語は、文句なく抜群に面白いと思います。

人間の存在など及ばない「絶対の力」としての神々だからこそ、欲望や煩悩が極端に誇張されたモデルとして、現代の道徳観念を超えたスケールが痛快です。

天界、人間界、冥界に分かれたギリシア人の世界観は、多くの絵画がそうであるように

創造性が豊かでカラフルなイメージが鮮やかに広がります。

本当に感嘆するばかりです。

 

今回は、ギリシア神話と腎臓内科が交わるお話を紹介します。

(ムリヤリ? はっきり言ってしまえば、腎臓科のトリビア・ネタです。)

 

冬の代表的な星座でもあるオリオン座にまつわるお話。

 orion2

オリオン(orion)の名前は、「オウロン/オウリア」(ouron)に由来するといわれています。

「オウロン」(ouron)はギリシア語で、ずばり「尿」という意味なのです。

 

また別に、英語で尿をurineといいますが、これは神々の祖 天空神ウラノス(Ouranos)に由来するという説もあります。

とにかく言えることは、ギリシア時代は、尿をはじめ、血液、精液の3つの液体を

豊穣のシンボルとしていて、神の名に等しいぐらい大切にしていたということです。

 

なぜ「尿」が名前の由来になったのかには理由があります。

 

「小便小僧」は名前そのものに「小便」とついていますが

それは彼が小便し続けているからそう呼ばれているので

確か「ジュリアン坊や」という立派な名前があります

 

オリオンは、ボイオティアのヒュリエウス王が、「尿をかけた牡牛の皮から生まれた」という伝説があるのです。

尿は魔力の象徴でもあったわけです。

 

この視点は腎臓内科医にとっては感心するものです。

「尿は大切。生命力を反映する。」

ギリシア人はよくわかっておいでです。

 

さて、オリオンは巨人に成長しました。大きすぎるほど大きくなりました。

彼は狩りの名手で、美青年であったと言われています。

また、その巨大な体躯のおかげで、海を歩いてわたっても頭をぬらすこともなく歩くことも可能であったそうです。

 orion

オリオンにまつわるお話はほかに任せることにしますね。

 

 

冬の星座のオリオン座の3つの星を見つけたら

オリオンビールだけでなく

オリオンが尿と関係しているのだということを、

思い出してしまったのなら、佐久田の思惑通りの展開です。

 

 

 

絵が変化するスナフキンのマグカップ

娘がデパートに買い物へ行ったときに、うれしいことに父のことを思い出してくれたらしく

スナフキンのマグカップを見つけて買ってきてくれました。

これが驚くことにお湯を入れると絵柄が変わるマジック・カップです。

50度を超えると上塗りした特殊塗料が透明になって下に描かれている絵が現れてくるというもの。

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change

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after

娘からは

「お父さんのブログってカテゴリーの種類が多すぎ!」

と指摘されていて

「しかも『スナフキン』っていうカテゴリーまであるし。」

と笑われていました。

そういうこともあってか「スナフキン」にアンテナを張ってくれていたらしいのです。

「これで『スナフキン』のカテゴリーひとつ増えたね。」

つまり応援してくれているみたいです。

 

品物より何より娘からというのはうれしいものです。

感謝の日でした。

ちなみに反対側の絵柄はムーミンに変化します。

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フィッカスハワイの並木道

那覇市真嘉比の街路樹の並木道。

いつものように朝の出勤時に通りかかると

いきなり風景が変わっていたのでびっくりしました。

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「思い切ったことをするなあ。」

台風被害で大変だったのを知っていたので、その対策なのだろうとすぐに想像したのですが

住民の方たちも愛着があったと思うので、そういう言葉が漏れたのです。

このあたりの街路樹は見事な木陰をつくり、雰囲気がありました。

夏には空気がさわやかで涼しげでしたので、広くなった空が物足りなさをかもし出していました。

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そうと知っていれば剪定前の写真を撮ったはずですが、残念ながら手持ちの写真にはありません。

それでネットで緑生い茂る頃の画像を探してみると

沖縄B級グルメ日誌」さんに良い感じの写真がありました。

 000001

(少しトリミングしてあります。)

この間、徒歩帰宅でそこを通った時に、貼り紙を見つけました。

上の方に「平成24年度 街路樹剪定計画図」とあります。

その下には「業務名:平成24年度街路樹美化業務」

そして「樹形再生タイプの剪定」

 

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 右側の説明に、こう書いてあります。

「街路樹の剪定について

この木はフィッカスハワイといいます。枝が細く成長の速い木です。

平成24年の台風時には高枝が折れ、交通の支障となる危険な状態がありました。

このため、高い位置の枝を太く作りなおす必要があるので、これから5年後を目途に

樹形を整えて、台風時でも折れにくい太い枝つくりを考えております。

このため強めの剪定を行います。

市民の皆さんへは、ご理解とご協力をよろしくお願いします。」

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これを読むまでは、てっきりこの並木たちは「ガジュマル」だと思い込んでいました。

そう言えば、よく見ればガジュマルほどの気根もないし、違う木です。

「フィカスハワイ」っていう、木だったんですね。

(ハワイという名前がついていながら実は原産地不明らしいのですが)

人の先入観っていうのは、観察力を低下させることが身をもってよくわかりました。

(「ひんくす~ハワイ」って覚えよう、と、ウチナーグチのわかるハワイの人が聞いたら絶対怒る、不謹慎なことを一瞬考えました。ごめんなさい。)

でも、再生させるための剪定が「5年計画」っていうのは、時間軸の感覚が違っていて面白いですね。

生き物を再生させるために必要な時間。

 

凄いです。

感慨深く、あらためて木を眺めました。

エナジードリンクのリスク

先月の医学誌に「栄養ドリンク飲用のリスクと有害作用」というタイトルの文献が出ていました。

 

どんな背景があって、どういう意図で注意喚起されているのか分からなかったので

「まあ、飲みすぎはどんなものでも良くないだろうし、そういうこともあるんだね」

とさしあたって問題とも思っていなかったのですが。

何気なく調べてみると、意外に身近な問題なのかも知れないと思い直しました。

 

日本でも他人事ではない(?)話。

カフェインが含まれているエナジードリンクとアルコールのカクテル

具体的には、Red Bullというエナジードリンクとアルコールのカクテルのようです。

 

最もポピュラーなレッドブル・カクテルは、レッドブルとウォッカを混ぜたもので

「ウォッカ・レッズ」「ブルショット」などと呼ばれているようです。

また、テキーラ、赤ワイン、ラム、日本酒などとミックスするカクテルもあるそうです。

 

それらのリスクについて注意喚起されているわけです。

 

Red Bullと言えばコンビニでも並んでいる商品ですし、どういうことなのか紹介したいと思います。

 DSCN2313

その前に、調べてみて、初めて知ったこと。

 

Red BullについてWikipediaで調べてみると面白いことが分かりました。

Red Bullの歴史から。

オーストリア人のマテシッツという人が、ビジネスで日本に来た時に、日本の栄養ドリンクの市場に目を奪われたそうです。

当時、栄養ドリンクなどというものはヨーロッパにはなく、そこで彼はヨーロッパ人に受けそうなドリンクをつくろうと考えました。

 

Red Bullの前身が、タイでつくられた「Krating Daeng」(どう発音するのかわかりません。タイ語で、「赤いガウル」という意味。ガウルはウシ亜科の動物。)という飲み物。

タイでシェアを独占していたのが、実は日本のリポビタンD。

それに対抗するためにつくられたそうですが、シェアを伸ばすことはできなかったそうです。

 

1984年にマテシッツが「Krating Daeng」に出会い国際的な販売権を獲得。

商品開発に当たっては、やはり特に日本のリポビタンDから大きな影響を受けていて、その成分が参考にされました。

 

1987年にオーストリアで発売されると、マテシッツの思惑通り人気商品となりました。

あっと言う間にヨーロッパ中に広まって、今では世界160か国以上で販売され、売上げ、シェアともエナジードリンクとして世界1位だそうです。

 

さて、アメリカの医学誌JAMAに次のような文献がありました。

 

 

栄養ドリンク飲用のリスクと有害作用

 Risk and Adverse Effects of Energy Drink Consumption

 Kent A. Sepkowitz, MD                               

JAMA. 2013;309(3):243-244. doi:10.1001/jama.2012.173526

 

 

 

アメリカでは、カフェイン含有の栄養ドリンク(energy drink)の消費量は

2005年には23億本でしたが、2010年には60億本となっています。

10代、若い成人の3分の1から2分の1が日常的に飲用するという報告があります。

また海外に派遣されたアメリカ軍人の半数近くが毎日飲用すると報告しています。

 

このような栄養ドリンクの一般的なカフェイン含有量は80~140mg。

なかには、250mgのカフェインを含むものもあります。

これらは栄養補助食品として市販されていて、ほとんどの規制の適用外とされているのが現状です。

 

スウェーデンの研究者らが調べたところによると、カフェイン中毒症 (血中濃度>80μg/mL)に関連した死亡が20件あることがわかりました。

致死量のカフェイン3g (血中濃度80μg/mLに相当) というのは、高カフェイン含有飲料を数時間以内に約12本飲めば達成できてしまう量なのです。

 

これらの飲み物で特に心配されるのは

市販のプレミックス飲料(Four Lokoなど)や

栄養ドリンクを使用したカクテル(Red Bullとウォッカなど)

など、アルコールと混ぜ合わせて飲むことです。

混ぜ合わせることによって中毒作用が和らぐと信じられているのですが

実際には、要するに認知能力を低下させ

大量飲酒を助長させているのかも知れません。

 

栄養ドリンクとアルコールを一緒に飲むことは

性的暴力行為の加害または被害

飲酒運転または飲酒運転車両への同乗

アルコール関連の自動車事故のリスクが伴ってきます。

それが、混合飲料そのものの作用によるものか、

混合飲料を飲む人々の性格とリスクを冒そうとする行動によるものかは、不明ではありますが。

 

アメリカの多くの州では、市販のプレミックス飲料の販売を禁止しているとのことでした。

 

 Caffine

 

 

 

ちなみに、リポビタンD 1本100ml あたり 無水カフェイン50mgが入っています。

さらに言うと、1杯のコーヒーに含まれるカフェインは約100mgで、血中濃度は1~2μg/mLになります。

 

 

 

透析室のインフルエンザ対策

日本全国でインフルエンザが流行しています。

 

当院の透析室でも残念ながらインフルエンザに感染された方が出てしまいました。

「うがい・手洗い・咳エチケット」を徹底するなど

十分な注意をしていましたが、ある程度予測し準備を進めていたことです。

 

インフルエンザに罹患したとしても透析はしなければなりませんので、自宅で待機という訳にはいきません。

『どんな時でも』透析室に来て

むしろ体調が悪いからこそ、十分な透析をしていただかなくてはなりません。

発熱がある時には、さほど食べられていなくても異化が進むためにカリウムやBUN(尿素窒素)が高くなり

アシドーシス(血液が酸性に傾くこと)が顕著になります。

いつも言っていることですが、「調子の悪い時ほど透析をしっかり」というのは大原則です。

 

インフルエンザは、もちろん「かからないようにするため」の予防策を張るべきです。

けれども、残念ながら かかった場合には、今度は「うつさないようにするため」の予防策を張ることになります。

 

「封じ込め」対策をとるということです。

実際には

① 時間的な隔離

 入室や退室、滞在時間を他の方とずらします。

② 空間的な隔離

 咳による飛沫が直接飛ばない距離、ベッド間隔を開けるか、パーティションを置きます。

 

私たちは、この空間的な隔離に「個室」で対応することにしました。

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オーバーナイト透析を見据えて取り付けてあるパーティションもあって

この状況に活用することもできるのですが

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個室は陰圧室になっているので、構造が感染用の隔離として、とても有用です。

今回は個室を使用しました。

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参考にさせていただいたのは

日本透析医会と日本透析医学会が共同で作成した

「透析施設にお ける新型インフルエンザウイルス感染対策ガイドライン」です。

 

重ね重ねの注意です。

「うがい・手洗い・咳エチケット」を徹底しましょう。