「その夜」石垣りん

 
「詩のこころを読む」茨木のり子著

この本は詩人が、「心の底深くに沈み、ふくいくとした香気を保ち」「幾重にも豊かにしつづくえてくれた」詩の数々を、紹介してくれた本です。

本来、詩の中に潜む情景は、その詩を詠んだ者たちの心象にこそ映えるもので、決して他人から押し付けられるものではないのでしょうが、最高の詩人が「私のたからもの」として選んでくれた数々の詩を紹介してくれるのは、本当に興味深いものでした。

恥ずかしながら、この本で始めて知った詩もありましたし、慣れ親しんだ詩についても、茨木のり子さんの解釈を読んで、「なるほど、そうだったのか」と再発見することも多かったのです。

その中のひとつ。

石垣りんさんの「その夜」という詩は、医療者として胸に刻んでおきたいと思いました。

病気をした人の不安と寂しさと体の痛みを、忘れないようにしたいと思いました。

 

 

  その夜

            石垣りん

 女ひとり

 働いて四十に近い声をきけば

 私を横に寝かせて起こさない

 重い病気が恋人のようだ。

 

 どんなにうめこうと

 心を痛めるしたしい人もここにはいない

 三等病室のすみのベッドで

 貧しければ親族にも甘えかねた

 さみしい心が解けてゆく

 

 あしたは背骨を手術される

 そのとき私はやさしく、病気に向かっていこう

 死んでもいいのよ

 

 ねむれない夜の苦しみも

 このさき生きてゆくそれにくらべたら

 どうして大きいと言えよう

 ああ疲れた

 ほんとうに疲れた

 

 シーツが

 黙って差し出す白い手の中で

 いたい、いたい、とたわむれている

 にぎやかな夜は

 まるで私ひとりの祝祭日だ。

 

      ~詩集「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」より~

 

 

Africa TOTO

夜までクリニックに残って事務仕事をする時は、決まってBGMを流しています。

昨日は日を跨ごうかという時間でしたが、懐かしいタイトルを見つけて楽しく仕事をしていました。

私がちょうど高校生で、友だちの影響で洋楽を聞き始めた頃でした。

メロディの美しさと軽快なリズムに、たちまち好きになったアルバムです。

 

その中の代表曲、Africa。

実は、当時も今も、歌詞の内容をよく理解していないのです(笑)。

 

 

 

インフルエンザ流行状況(2017年第4週)

昨日、2017年第4週(1月23日~29日)の沖縄県のインフルエンザ流行状況が発表されました。

詳しくはこちら → インフルエンザ流行状況(pdfファイル)

 

沖縄県全体の定点あたりの患者報告数は29.66人。警報基準値が30人ですから、ほとんど警報に近いレベルです。

那覇市と南部保健所管内では、それぞれ34.67人と37.43人で、30人の警報値を超えていました。

いよいよ流行期のピークを迎えようとしています。

外来でも、インフルエンザ迅速検査で陽性になる方が多い実感があります。

 

何度も繰り返しますが、咳エチケットと手洗いは必ず行いましょう。

 

インフルエンザの検査のタイミングについては、以前のブログを参考にしてください。

→ インフルエンザ抗原の迅速検査

 

2月1日

この間、新年のあいさつをしたと思ったら、あっという間に2月になってしまいました。

 

これは1月の動画ではありませんが、r1rawdさんが2015年8月1日~31日のひまわり8号の地球の様子を早送りで加工してYouTubeにアップしてくれたものです。

 

早送りだから、というのではなく、太陽が昇って沈んでいく、その1日の短さを痛感してしまいます。

まさしく、「光陰矢のごとし」ですね。1日1日を大切に過ごしていきたいと思いました。
さて、昨日はクリニックの今年初めてのプロデュース・ミーティング(全体ミーティング)でした。

1カ月に1回、これまでのことやこれからのことなどを共有していこうというミーティングです。

 

2月もまた飛躍の月になりますように。

明るく楽しく過ごしていけたら、と思います。

 

iPad magician

iPadマジシャンのサイモン・ピエロ氏のiPadを使ったマジックは、iPadの映像(二次元)と現実(三次元)が交差して面白い現象を見せてくれます。

まずは、下の動画をご覧ください。

 

先日、トイザらスに寄ったついでに、いつものように「店内パトロール」をしていたら、「Marvin’s iMagic」という商品を見つけました。

 

どうもサイモン・ピエロ氏のマジックの匂いがプンプンしている商品です。

YouTubeで検索してみたら、しっかりと彼が実演していました。

 

イラストのマジシャンが3Dで浮かび上がってカード当てをしたり、X線でケースの中のダイスの目を当ててみたり。

iPhoneの画面にあるカードを現実に取り出してみたり。

 

 

古くからあるマジックのネタを(無理やり?)iPhoneでプレゼンするところが、素直に面白いなあと感心しましたので、ご紹介することにしました。

意外に盛り上がるかも知れません。

 

 

 

チームワーク

「チームワーク」を達成するのは難しいと実感します。

このブログにも何度か取り上げていますが、しまいには「そもそもチームワークって何だろう?」と振り出しに戻ってしまうのです。

つまり、考えすぎて、「そもそも論」で話が抽象的になって具体的なイメージできなくなってしまう感じです。

 

試しに国語辞典で調べてみます。

チームの人々が力を合わせてする動作(三省堂 現代新国語辞典)

① 成員が一致して目的を達成するための、チーム内の団結、連携。② 共同の作業や研究(小学館 精選版日本国語大辞典)

チームの共同動作。一団の人々の連帯。(岩波書店 広辞苑)

チームの成員による統制のとれた団体行動。またそのための協力態勢。(大修館書店 明鏡国語辞典)

簡単に言えば、「協力」です。

 

けれども、「協力」と「チームワーク」では、ニュアンスが違う気がします。

やはり、ディッキンソンとマッキンタイアが定義してくれた「チームワーク」がしっくりいく気がします。

 「チームワークとはチーム内の情報共有や活動の相互調整のためにメンバーが行う対人行動全般である」

言葉が少し分かりにくいですが、私は勝手にこんな風に解釈しています。

「メンバー同志のコミュニケーションがよくとれていること。それは、自分だけが活き活きとするのではなく、相手も活き活きとできるように心配りと声かけができていること。そのために、自分の業務から少しだけはみ出してお互いを助け合う風土があること。」 

私は、この「業務をはみ出す」ということが、人が自分を成長させ利他の心を育む大事なポイントだと思っています。

 

もっと簡潔に言えば、こうなるのでしょうか。

「チームワークとは、思いやりの心による共同作業」

おかげさま、おたがいさまで働くことができたら、どんなにいいかと思います。

 

 

クリニックの理念

折に触れて初心に還るということは、私にとって大切なことです。

そのために「理念」に戻っていきます。

さくだ内科クリニックの理念は、開業前に何度も何度も繰り返し書いてみて、これでいこうと願いを立てたものでした。

辞書で調べてみると「理念」とは、こうあります。(小学館 精選版日本国語大辞典)

 

〘名〙(ドイツ Idee の訳語)理性によって得られる最高の概念。ある物事があるべき最高のすがた、その事がどうあるべきかという根本的な考え。カント哲学では経験を超越する概念、すなわち神・自由および不死をいう。イデア。イデー。

 

理念とは「その事がどうあるべきか」という問いかけに対して、誠実に答えることなのだと解釈しました。

ですから、クリニックの理念は「こんなクリニックがあったらいいとは思いませんか?」から始まります。

 


 

こんなクリニックがあったらいいとは思いませんか?

 

  • スタッフ一人ひとりがよく話を聞いてくれて、不安な気持ちが癒やされる。
  • 患者とスタッフ一人ひとりが深い信頼の絆で結ばれている。
  • そこに行けば元気になり、未来に希望が見えてくる。
  • スタッフみんなに夢や願いがあり、元気に生き生きと働いている。
  • 最高・最適の医療を提供するため、スタッフ一人ひとりが最新の医療を学び続けている。

 

わたし達の合い言葉(モットー)は「いつでも どこでも その人らしく」

その前提になるのは「医療者である前にひとりの人間として」

 


 

 

実は、この理念と外れた状況にいると、理念を復唱することさえも辛く思うことがあります。

「不安」「不信」「絶望」「不満」「怠惰」「不調」

これらに包まれていると、理念は基準面となって、時に私を圧迫してしまうのです。

そんな時、思うにままならない現実を、何とか打ち破ろうと心を奮い立たせます。

 

他人や世界を信じられない自分の思いグセを、もう1回だけ信頼を取り戻してみようと思うのです。

 

 

インフルエンザ流行状況(2017年第3週)

全国的にインフルエンザの流行期に入っています。

 

沖縄県全体の定点あたりの患者報告数は21.33人となって、今年度の最多になってしまいました。

詳しくはこちら → 「沖縄県のインフルエンザ概況」(PDFファイル)

八重山保健所管内では報告数31.00人で、警報基準値である30人を超えています。

また、今年度一度も注意報基準値を超えていなかった宮古保健所管内も10.75人でついに注意報基準を超えてしまいました。

 

今のところ、グラフの形が、裾野が広くて長期間に渡って警報レベルを超えていた昨年を彷彿とさせています。

 

手洗い、咳エチケットを徹底させて、予防にご協力ください。

 

ぜひ節水を!

水を大量に使う透析医療に従事している関係で、ダム貯水率には関心があります。

…ということで、久しぶりに「沖縄県企業局」のダム貯水率のサイトを覗いてみました。

 

びっくりしました。

2016年11月の時点で「2015年並みに貯水率が直線的に減少している」状況だったのです。下のグラフはその時のものです。

確かに思い返せば、あれからあまりまとまった雨は降っていなかった気がします。

グラフの直線はさらに減少していて、年末には平年値と同じになり、今日の時点ですでに平年値を下回っていました。平年値との差は-3.7ポイントということです。

このままだと3月には50%まで減少していそうな雰囲気です。あるいは50%を切ってしまうかも知れません。

 

常に節水を心掛けましょう。

 

初めてのタイムラプス

娘たちがスマホアプリで遊んでいたのを見て、ミーハーな私は思わず真似をしたくなっていました。

「タイムプラスって言うの? あれ? タイムスプラスだっけ?」

「タイムラプス!」

要するに撮影した動画が「早送り」したように見える映像です。

ちょうどいい被写体はないものかとチャンスを探していたのですが、横浜に行った時に良い感じの景色に出会いました。

 

初めてタイムラプスを撮ってみたのですが、面白いですね。

撮り終わった映像に思わず見入ってしまいました。

 

 

いつか星空のタイムラプスも挑戦してみたいと思います。